BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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はばたけシルバーバジャー ブログ編
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 いま出ているフライフイッシャー誌2016年7月号のカディス特集に掲載してもらった、
 ヒゲナガをスタンダード・パターンであれこれアレンジしてみる試み、
 タイトルは「はばたけシルバーバジャー」のブログ版続編というか、
 応用編というか補足というか……、

 だいたいさあ、
 特集記事として破格の10ページ!割いてもらって、
 シルバーバジャーのハックルつかってスタンダード・ドライフライ私的アレンジを数本巻きながら、
 なんやかんや乱れ書き散らして、
 ハックル一枚だけでどんだけ語るねん?というかんじにも見えるけれど、
 それでもそこで伝えたかったことのほんの氷山の一角というか、
 ごくごくさわりのところをチョロッとだけしか紹介できなかった心残り……。

 毎度のことやけど、
 記事書くたびにすべてを出し切れず、
 切ないもんがありますねん。


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 モノトーンなマーブル模様の私家版「ホワイトウルフのヴァリエイションそこはかとなくグレイウルフ風味」

 微細な繊毛が全体にビッシリ立ちあがって、
 それでいながらクッキリ体節も表現しつつ、
 濃淡が溶け合うようなグラデーションがかったボディがことのほかお気に入りです。
 
 が、
 このマーブル模様なボディやテイル材についてまで、
 ここでワヤワヤ言い始めると、
 書いても書いても終わらないので今回はハックルのみの話題です。

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 ハックリングしたホワイトウルフを前面から見てみる。

 ともにハックルはホワイティング・アメリカンのシルバーバジャーのネック。
 左は雑誌でもつかったノーマルな「芯が黒くて先端が白い」典型的シルバーバジャーのハックルなんだけど、
 右側のやつにご注目を、
 ハックルの芯のところの黒い部分がリング状になってんの、


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 こんなシルバーバジャーのハックルをくるくるっとハックリングしたんだよ。

 なんと、
 芯の黒い部分がハックル両端で2本の黒いラインになってんの、
 おもろいやろ?ちょっとオシャレやろ?
 これも左のハックルとおなじくアメリカンのネック。
 模様が異なるだけで、
 ハックルとしてのファイバーの質感はまったく同じ。

 両方とも、
 かれこれ10年以上前に入手したハックルなんだけど、
 当時も今もマニア垂涎のレア物だったかというと、
 まっっっったくそんな気配はなく、
 標準的シルバーバジャーはいざしらず、
 この異端児?2本ラインのシルバーバジャーにいたっては、
 むしろ誰にも見向きもされず、
 ず~~っと売れ残っていたような記憶が……。

 なのでオレ様がこういうのもああいうのも地曳網ひくみたいにしてゼ~ンブ洗いざらい買ったのさウハハハハハ。

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 左の異端児はハックルを2枚、
 右の標準は3枚、
 それぞれハックリングした。

 だいぶ印象がちがうよね。

 右側のは、
 いつもの「ウルフ・スタイル」のヴォリューム感というか、
 オトコらしくガバッと浮くぜ的なハックル密度なんだけど……、

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 異端児バジャーのやつは、
 ハックル密度スッカスカで、
 フックの自重だけで下側のファイバーがたわんでいるようなバランス。

 色を問わずホワイティング・アメリカンのネックハックルのファイバーに共通する質感として、
 一見するとかなりバリッとした硬いファイバーにおもえるけれど、
 ファイバー自体は太くて存在感があるにもかかわらず、
 ファイバーの根元部分が非常にソフトというかコシに欠けるので、
 ハックリングするとヘンハックルなんかのソフト感とはまたちがう、
 なんていうかプル~ンと全体的にしなるような質感。

 こう見えてとってもやわらか~く水面に乗る。

 というところを利用して、
 このくらいのヴォリュームでハックリングすると、
 フワ~ッと着水して、
 ヘチャ~ッと水面にへばりつくような姿勢で浮く。

 これがねえ、
 投げるときも浮かすときも流すときも好都合なんですわ。

 もちろん、
 浮力に関しては、
 ありったけみっちりハックリングしたタイプと比較すると、
 頼りなくはあるんだけど……、

 ウルフっつーのはよ、
 ハックルの密度で浮かせるっつーよりも、
 カーフテイルの根元んとこと、
 あとテイルの水面への接し方で浮かせつつ、
 フォルスキャストでピッピッと水気切りながら、
 フワ~ッとベチャ~ッとボディごと水に浸って浮かせてこそ本領発揮ちゅ~わけやで。

 フロータントはジェル状のをウイングの付け根とテイル全体をとくに重点的に指先でグリグリ擦り込んでね。

 あと、
 この写真の異端児ウルフのボディの造作も標準型とくらべると……、
 パールのフラッシャブーが通常のようなリビング・スタイルではなく、
 ボディの隙間からチラッチラッとランダムに、
 まるでパールのまだら模様のように覗いている。

 フフフフフフ…ひとよんで「必殺チューン万華鏡ボディ」だぜ。
 などともったいつけてみましたが、
 メッチャ簡単お手軽チューニングです。

 というわけで、
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 もういっちょ。

 獣毛ダウンウイングのフラッタリング・カディス系。

 これ、
 さっきの異端児バジャー・ウルフと、
 ボディもウイングもハックルもそっくりそのまままったく同じ素材をつかって巻いてあるんやで。

 だけでなく、
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 巻き方までもが、
 ほとんどまったく同じ手順。

 左右に振り分けたウイングのカーフテイルをグイッと後方に寝かせておいて、
 シッポをハックルの付け根のところにもってきて、
 カーフテイルのうえにキリリと巻きつけただけ。

 夕闇せまる川面を、
 真っ白な下翅をジタバタビビビと震わせながら、
 まるで喰ってください…とでもいわんばかりに水面をジグザグに、
 はばたくように走り回る羽化したてのヒゲナガを、
 シルバーバジャーのハックルで表現してみました。

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 いじょう、
 ハックル・ワールドが織りなすフライタイイングの醍醐味と終わりなき幅広さ奥深さ、
 そしてウシシな愉しみは「応用編」にこそあり、
 というささやかな主張の「ほんの入口のところ」の御紹介でございました。

 いとおかし。 
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