BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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Thank you for choosing my soul fly.
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 まずはコチラをクリックしていただけますでしょうか→ Evening Star 
 当ブログの過去記事…2013年の我がフルドレス三昧の日々を象徴する一本。

 このフルドレス・サーモンフライの写真を、
 まことに僭越ウレシハズカシながら、
 オーストラリアの老舗中の老舗フライフイッシング専門誌「Fly Life」冬号の表紙にしていただいたのが2年前のこと。

 当雑誌編集長の格別の計らいで、
 おそらく販促用のポスターまで送っていただいて、
 大変ありがたく無邪気に喜んでおったわけですが……、

 つい先日、
 まったく見ず知らずのオーストラリア在住の方から送られてきたメールを開いて、
 おもわず絶句というか、
 感動のあまり、
 しばし時間が止まってしまったというかなんというか……、




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 What an honor thing.

 おうおうおうおう!
 この羽根吹雪をとくと見やがれい!
by 遠山の金さんならぬ豪州のトニーさん。


 いわく、
 …貴方のフライがとても気に入ったので「カラクリ紋々」彫りました。
 とうとう完成しましたので写真を送ります…との由。

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 Really really cool & artisitic tattoo of Mr, Tony in Darwin,Australia.

 ムチャクチャかっこええ。
 こんな風に彫れるんだねえ、
 これはもうアートだね。

 羽根のファイバーの質感、
 ティンセルボディの輝き、
 タグやソラックスのシルクの艶めかしさ、
 そして全体の鮮やかな発色、
 さらに、
 ぼくが世界で一番気に入っているスペシャル・フックのベンドカーブの柔らかい曲線、

 製作者として、
 どれをとってもただただ魅入るばかりだ。 

 そして、
 なんと光栄なことであろうか。


 と、
 そんなトニーさんは、
 アンティックな釣り道具の熱烈なコレクターでもあるんだけど、
 いくつか送っていただいたヴィンテージ・フライ・コレクション写真のなかから、
 ちょっとおもしろいのを御紹介。
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 From Mr,Tony's Collection.
 
 ハーディの刻印が眩しいコレ、
 なんだかわかりますか?

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 なんと、
 スピンヘッドを搭載したハーディ社製フルドレス・サーモンフライ。
 流水のなかで、
 このブレイドがグルグル回転しながら、
 フライがブルブル震えるという寸法。
 そしてきっと、
 ビーズヘッド的なオモリの役目も果たしていたことでしょう。

 当たっているかどうかはわからないけれど、
 間違いを恐れず自由にこのフライをプロファイリングしてみると、

 つかわれているフックのポイントや、
 羽根の経年劣化の具合から推察するに、
 おそらく1920年?もしくは30年?頃の作ではあるまいか?

 また、
 各種フェザー素材を束ねて、
 ヘッド部からフェザーを放射状にひろげつつ、
 やや鋭角的に立て気味になっているビルト・ウイングのスタイルは、
 この当時のハーディ製コマーシャル・サーモンフライの特徴のひとつではなかろうか?

 さらに、
 ティンセルのボディに急激なテーパーがかかっているのが意外なのだが、
 これはボディにスピンヘッドが溶接?されているためのものだろう。
 またさらに、
 ウイングの欠損とティンセルのくすみから、
 当時じっさいに使用された痕跡がうかがえるが、
 リビングがズレていない、
 スロートハックルのファイバーの抜け落ちがほぼない、
 というところから、
 このフライを製作した職人の高度なスキルがうかがえる。

 そして、
 肝心のフライのパターン名は、
 ウイングにつかわれている各種フェザー、
 シルバーティンセルのボディ、
 二色のスロートハックル、
 なによりも真っ赤なベルリン・ウールのバットなどなど、
 あきらかに当時の定番中の定番「ドクター・シリーズ」

 ただし、
 全体につかわれた素材から察するに既成のスタンダードではなく、
 おそらくハーディ社もしくは職人のアレンジによるドクター・シリーズのヴァリエイション。
 特筆すべきはバットの赤いベルリン・ウールとテイルのインディアンクロウ。
 他のパーツは経年劣化によって色褪せが著しいにも関わらず、
 これらの素材の色の鮮やかさがとても印象的だ。

 こうしたヴィンテージのフルドレス・サーモンフライを仔細観察するたびにおもうんだけど、
 意外なことにケルソンやタナットらが提唱した正統レシピに忠実に従ったものを僕はほとんど見たことがない。
 ジョックスコットにしろドクター・シリーズにしろグリーン・ハイランダーにしろなんにしろ、
 どれも微妙につかわれている素材が異なっているのが非常に面白く興味深い。
 むしろ、
 そうした純正レシピにこだわっているのは現在の好事家のほうがよほど厳密な気がする。
 このへん、
 示唆するものが多く、
 また想像が膨らむところでもある。

 とまあ、
 そんなかんじ?
 おそまつでした。

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 以上、
 今夜は遠い異国の異人さんとある意味「兄弟仁義の杯」を交わしましたよ、
 というお話でございました。

 
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