BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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ロシア産ヒグマの金毛販売のお知らせ
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 完売いたしました。
 本当にありがとうございました。
 

 きわめて私事ではございますが、
 あっと気がつけば足掛け9年も暮らした函館とも、
 もうあとしばらくでお別れです。

 と、
 そんなきわめて個人的な記念を兼ねて「我が家の秘蔵の毛」
 をいくつか販売させていただきたく一念発起しております。

 で、
 そのブツは北海道産にあらず、
 ロシア産のヒグマのヘアー各種です。

 種を明かしますと、
 これらのヒグマの毛はもともと古い時代に工芸品の材料として輸入されていたものが、
 つかわれないまま冷暗所にて長期保管されていたものです。

 今回ご紹介するすべてのヘアーの最大の特徴は、
 もうなんといってもヘアーの先端の欠損や千切れがほとんどなく、
 毛先が全体的にほぼ美しくそろっているところ。

 これがどんなに素晴らしくアンビリーバブルなことかは、
 すでにヒグマのヘアーをおつかいになったことのある方ならば、
 身に染みてヨ~クわかっていただけるかとおもいます。

 とくにヒグマの場合、
 その行動様式や捕獲される時期などから、
 毛先が欠損していたり荒れていたりというのが普通の状態です。
 
 なので、
 ヒグマの毛自体はとくに珍しいものではありませんが、
 ほんとにタイイングに有効活用できるクオリティと状態のものを見つけるのは、
 いろんなコネクションをもってしても至難の業。

 このロシア産ヒグマの毛は工芸品に利用されるだけあって、
 毛先の欠損がない状態で、
 かつ均一なヘアーがそろって生えているスキンなので、
 色調などはちがいますが良質なポーラーべアーなどとまったく同じ感覚でつかえます。

 なので、
 ヒグマの毛を買ってみたけれど一体全体どう使えばいいのか…とお悩みの方や、
 はじめて使ってみる方にも大変おススメできます。
 
 また、
 毛自体はかなり経年しているとおもわれますが、
 保管状態が非常によかったようでとくに劣化もなく、
 艶も充分にのこっていて悪くない状態だとおもいます。
 
 などと、
 グダグダグダグダ能書きを語り始めると、
 ことヒグマの毛に関してはワタクシもはや語りエンドレスになってしまうので、
 ここはグッとおさえてなるべく簡潔にテキパキいきたい所存ですが……、
 
 さて、
 肝心の色と価格ですが、
 今回は「金毛特集」として金毛のバリエイション各種を以下にズラッとまとめてみました。

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 ① ゴールデン・ライトジンジャー 売り切れ

 全体が金色がかった淡いジンジャー系の色調。
 ガードヘアーはきわめてストレート。
 中小型ストリーマーのウイングやドライフライのボディ材など万能型。
 透明感を感じさせるアンダーファーの枯れた小麦色もそそります。

 羽化したばかりのガガンボやモンカゲロウなどの色合いと質感をイメージしてみてください。



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 ② ゴールデンティップ・ブラウン 売り切れ

 長いガードヘアーと濃厚で豊かなアンダーファーが特徴。
 ガードヘアーは先端部分がリッチなかんじの金色で、
 ヘアー根元にかけてグラデーションがかかりながら濃い色に変化しています。
 茶灰褐色とでも表現したいブロンズ。ダンのようなアンダーファーはダビング材として、
 当ブログでも散々登場しているヒグマのアンダーファーをボッサボサにダビングしただけの必殺パラシュート(北海バグ)など、
 ドライフライもしくはニンフなどのボディ材としても最高です。

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 1と2のヘアーをつかって巻いたクラウザーミノーの作例。
 アンダーファーごとウイングに巻き込んでヘッドのヴォリュームを調整して流線形フォルムを表現しています。

 この小麦色がさあ、
 水中で揺れながら陽の光を受けると、
 独特の透明感と金色がかった不規則なキラメキが、
 もうなんともいえずベイトフイッシュのあの脆弱なイメージ。
 たまらないものがあるんやDE。




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 ③ ゴールデン・ダークジンジャー 売り切れ

 質感は1とおなじタイプですが、
 色調がやや濃いジンジャー系で金色が強い毛先の先端部分から、
 根元に向かってダン色がかった色に変化しています。

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 と、
 そのような色調のガードヘアーをフローティング・ニンフのボディに巻いてみた作例。

 以下に紹介するとおりコッパーワイヤとともにヘアーをねじって巻いてありますが、
 濃い茶色と抜けるように透明な小麦色が入り乱れて巻かれています。
 で、
 これが濡れるとヘアーが透けるので、
 皮膜の下のボディの色合いが複雑にグラデーションがかってナマナマしく変化します。




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 ④ ゴールデンティップ・チョコレートブラウン 売り切れ 
 ⑤ ゴールデン・ジンジャー・ファイン 売り切れ 
 
 4はヘアーの先端が金色で根元に向かって艶のある茶褐色にグラデーションがかっているタイプ。
 5はそのまま色が薄くなって金色色調が強いタイプ。

 おそらく若クマの背中の中央付近とおもわれるヘアー。
 今回のレアなヒグマ・ヘアー群のなかでもこれはかなり激レア度数ぶっちぎり。
 というか個人的にもこのタイプのヘアーはこれ以外では見たことがありません。

 まるでハックル・ファイバーのようなストレートで細いガードヘアーがビッシリです。

 なので!
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 ヘアーをスキンからカットしてアンダーファーを取り除き、
 ガードヘアーの毛先をスタッカーで揃えて通常通り巻き止めれば、
 このようなスタイルがムリなくしかもカッコヨク巻けてしまいます。

 これはかなり貴重。

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 4のヘアーをウイングとテイルにつかって、
 ロングシャンク8番のドライフックに巻いたウルフ・スタイルの作例。

 ボディにはコック・デ・レオンのハックル・ストーク、
 ハックルはホワイティング・ハイ&ドライのバーント・オレンジとコック・デ・レオンのサドルのミックス。

 こんな威風堂々のドライフライがさあ、
 夏の陽の光を浴びながら、
 まるで金色の後光をまとっているかのように、
 ボワ~ッと金色に輝きながら荒瀬を流れるわけですよ、
 もうその光景だけでもたまらんものがあるのに、
 そこにグワボンッ!と巨マスのどでかいアタマが水面に突き出てくるわけですよ。
 昇天必至。

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 転じてこちらは5のヘアーをつかったウルフ・スタイル作例。

 こちらはボディにおなじヘアーのアンダーファーをダビングして、
 ハックル以外はすべてヒグマの毛仕様なフライになっています。

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 で、
 それを逆光状態で見てみれば、
 ウイングがハックルに溶け込むようになって見えます。
 これがミソ。

 ヘアーの細さというか繊細な質感がわかるかとおもいます。

 ドライフライのみならず、
 とくに小型のヘアウイング・サーモンフライや鮭稚魚などのストリーマー素材にもたまらないものがあります。


 と、
 以上が今回のラインナップです。

 お求めの際にはご希望のヘアーの番号と数量を明記していただいて、

 bsfly@msd.ncv.ne.jp までご連絡ください。
 ご注文お待ちいたしております。
 なにとぞよろしくおねがいいたします。


 さて、
 というわけで、
 販売告知だけで〆るつもりはまったくなく、
 いつものように「このようにつかうと愉しいよ」的タイイング・ティップス基礎編いきます。
 ので、
 またも延々スクロールおねがいします。

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 ヒグマのヘアーの旨味や面白さ不思議さ醍醐味などなどを、
 もっとも手軽に実感できるフライとして、
 お馴染みのパラシュート・スタイルなフローティング・ニンフのボディにヒグマの毛をつかって、
 そこにちょいと隠し味的な小技を忍ばせてみます。

 まずは下巻きをしたボディ全体をゴールドのフラットティンセル(メタルの高級なのじゃなくて安物のペラペラのがおススメ)で巻き、
 ボディ末端にスレッドをマーカーで着色して紅色のティップをつける。

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 そのままボディ末端にヒグマの毛を数本とファイン・コッパーワイヤを巻き止めて、
 それらをハックル・プライヤーでつまむ。
 ここでは13番サイズのフックをつかって1のヒグマの毛をつかっている。

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 プライヤーをグルグル回してヘアーをワイヤーもろともねじる。

 ここで重要なコツは、
 この段階で素材をすべてねじるのではなく、
 ここでは若干余裕をもって緩めにねじる。

 写真ではヘアーといっしょにねじったワイヤーがたわんでしまっているけれど、
 これでよい。

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 で、
 ゆるめにあるていど素材をねじったものをボディ末端に一回巻く。

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 そしてそのあと、
 ヘアー全体をきっちりねじってヤーン状にする。

 こうすると、
 ヘアーの先端がねじれることで不用意に切れるのを防ぐことが出来る。
 また、
 ボディ末端部分を自然なテーパーに巻くことが出来る。

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 ボディを巻いて余りのヘアーを巻き止めた状態。

 ここで余りをカットするわけだが、 
 そこでもちょいコツ。
 この余りをすべてカットするのではなく、
 チョイ残しておく。

 そしてそこにポストとなるエアロドライ・ウイングを挟んで、
 ポストの根元を余りのボディ素材ごとスレッドで巻きこんでおくと、
 非常に丈夫なポストが立てられる。

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 ソラックスをダビングするまえに、
 ここではホワイティング・ヒストリックのハニーダン系ジンジャーをハックルにして巻き止めてみた。

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 ここからソラックスの処理。
 ソラックス部分には2のアンダーファーをダビングしてみる。

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 ヒグマのアンダーファーをダビング材としてより良く、
 かつ効能をいかんなく発揮させるための処理。

 このフライにかぎらず、
 またドライでもウエットでもニンフでもすべてこのように処理してダビングしている。

 まずはヘアー全体をガードヘアーごとカットしたら、
 ガードヘアーを引き抜いておいて、
 残ったアンダーファーを濡らした指先でグリグリ揉みながら丸める。

 これでもかといわんばかりにグリグリ丸めて、
 このような状態にする。

 で、
 こんどはこの丸まった毛玉をブッチブチちぎりながらほぐす。

 すると、
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 アンダーファーが千切れて短くなった状態で、
 さらに良い感じにちじれながら、
 フワ~ッと広がるようにバラける。

 このように処理してダビングすると、
 タイイングが楽でキレイに巻けるだけでなく、
 ダビングボディやソラックスを毛羽立たせたり、
 はたまた使用中に毛羽立ってくると、
 さらにファジー感を増していかにもな質感になる。

 またさらに、
 こうしておくとフロータントを塗布したときの持続力も飛躍的に高まる。
 ということは、
 ニンフやウエットのボディにダビングしても、
 いったん濡れると水の吸いが良いというか水馴染みが良い。
 ので、
 ヒグマの毛の透明感や毛羽立ちのファジー感とあいまって、
 使い勝手が良いだけでなく、
 いかにもな色調と質感に変化。

 ちなみに、
 写真のクリップに留めてあるのは、
 2のヘアーをダビング用にカットしたときに同時にカットしたガードヘアーをスッと抜いたものを、
 クリップで留めてバラけないようにしている。

 このように保管するとヘアー全体が無駄なくつかえる。

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 普通にダビングしてソラックスを巻き、
 フライの下側をダビングブラシで梳いて毛羽立たせた状態。

 このとき、
 ダビング材に残っているガードヘアーなどが突き出てしまうようなら、
 それをハサミでカットしてフォルムを整える。

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 で、
 ハックリングしてウイップフィニッシュしたら完成。

 で!
 完成したフライのボディを濡らしてみれば……、
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 一瞬でこのようなエッチなスケスケ・バディに変化。

 ボディ末端に着色した紅色や、
 下地のゴールドティンセルが、
 ヒグマの毛のうす~いスケスケの皮膜に包まれたような体裁で、
 ほんのりと透け見え。

 もうまんま脱皮殻の皮膜の一枚下側に身のある本体が……といった印象。

 しかも、
 ヒグマの毛の艶っぽいテカリが、
 羽化寸前のカゲロウのニンフやカディスのピューパなどの、
 体表に油でもひいているかのようなテカッとしたキラメキも表現してくれて、
 いつもその微妙で自然なキラメキに、
 ワタシの釣り心はいつもたいへんトキメキ。


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 そして2と3のヘアーをアンダーウイングにつかった、
 フラットウイング・ストリーマーの私的アレンジ。
 ウイング用のハックルのウェブ状の部分をヘッドにしているので、
 紡錘形状のベイトフイッシュなフォルムを維持した状態で、
 ハックルのボディを揺らしながら、
 ヘッド付近はさながらマラブーのようにザワザワ常に揺れている作りになっています。

 で、
 そんなハックル多層構造の下側から、
 光が当たると金色の輝きを拡散するヒグマの毛がチラッチラ覗いている、
 という下心炸裂なストリーマーの作例です。 

 と、
 ヒグマの毛の特徴や旨味がもっともわかりやすいので、
 今回はドライフライ中心にお話をすすめてまいりましたが、
 もちろん!
 ヒグマのヘアーの真骨頂はストリーマーにもあり。

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 とはいえ、
 ドライフライだけでも氷山の一角しか紹介しきれないのに、
 コチラのジャンルまでいくと、
 もう販売なんだか解説なんだかゴッチャゴチャになってしまうのと、

 ヒグマの毛をフライタイイングと釣りに活用する実践については、
 重要なライフワークとして、
 随時紹介しつつも、
 いずれちゃんとまとめたいと目論んでおります。

 ので、
 今回はあくまでも販売のご案内ってことで、
 このヘアーの魅力のアウトラインと基礎中の基本をご紹介させていただきました。

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 そしてもちろん!
 想いをこめて巻きたいクラシックなフライにも絶妙にマッチ。
 古典的なのにどこか最新に映ってしまうようなスペシャルにもうってつけの素材になります。

 それでは、
 かさねてご注文お待ちしております。
 なにとぞよろしくお願いいたします。
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