BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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Little Yellow Sally
 すでにもはや、
 2017年の個人的2大ハイライトと掲げても良いのではないか、
 そんな予感がする私的特選トピックスを、
 レゲエとフライそれぞれひとつづつお話させてください。

 レゲエのほうは、
 わかる人しかわからない用語隠語俗語人名など連呼いたします。
 なんか感じ悪くてスイマセン。
 飛ばしてね。

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 グレゴリー・アイザックスのベスト・ヒット編集盤の豪華2枚組CD。
 版元はTAD's・レーベル。
 2014年のリリース。
 ここで、
 「え?タッズまだやってはったんやスゲエな」とおもったアナタと語りたい。

 レコード収集が生活の中心だった80年代。
 情報はほとんどなく暗中模索だった時代、
 タッズ・レーベルの12インチは信頼の証だった。
 タッズのデニス・ブラウンにハズレなし。
 
 現在は御大タッド・ドウキンスとともに、
 息子さんが商売を引き継いでいるよう。

 やはり、
 気持ちのはいった仕事をブレずに地道に続けて次世代に引き継ぐって 、
 すばらしいことですね。
 
 そしてこのCD、
 熱烈なグレゴリー・ファンとしては収録されている曲はほぼすべて知っているというよりも、
 脳髄に染みているすでにお馴染みの名曲ばかり。
 おもわず一緒に口ずさんでしまう…いわば愛唱歌。
 
 なので、
 グレゴリー熱が再燃している現在、
 釣りに行く車中でエエ音でおなじみのん聴こうとおもって、
 とくに目新しいものは期待せず、
 通販サイトで数あるグレゴリーの似たようなベスト盤のなかから、
 これタッズだし選曲もいいしという軽い気持ちで購入したんだけど……、

 しょっぱなからブッとんだがな。

 コレはすごい!もんくなし全曲必殺!

 ただしジャケットのデザインとアルバム・タイトルはぶっちゃけちょびっとビミョウ?
 もったいないな~……上から目線でスイマセン。
 
 それはいいとして、
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 全曲エクステンデッド・ヴァージョンで曲の後半はダブになっている。
 
 なんだけど、
 当時リリースされていたプリ・シングルや12インチ・ディスコ盤のダブとはほとんどの曲でミックスがちがう。
 で、
 そのダブが際立っている。

 各曲それぞれの趣向が凝らされてたのしい。
 たとえば、
 70年代初期のGG’sとの名曲中の名曲「Once Ago」なんかは、
 あきらかにプリ・シングルの音源つかってるんだけど、
 ヴォーカル面はエコーかけまくり?オーバーダブ処理で、
 B面のダブはあえてオリジナルそのまま…という一見暴挙?のような荒技構成だがすごくいい。
 繋ぎも絶妙。
 音質もすこぶる良好。

 このベスト盤、
 誰がやったのかいつやったのかわからんけど、
 あとから手を加えたオーバーダブ感あるんやけど、
 それがすごくツボにはまっていて、
 さすがはタッズやることがオシャレ。

 そして、
 このCDを聴いたあと、
 すかさず「Slum in dub」のジャミーのミックスと聴き較べちゃうマニアなカワイイぼく。
 わかってくれる?このきもち。

 たんなる盤おこしのお手軽リイシューとは次元がちがうで。

 さらに!
 82年ごろ当時グルーチョのニューウェ-ヴ的前衛ダブミックスが斬新だった12インチDisco盤の
 「Cool down the pace」や「Night Nurse」なんかの80年頭の至宝曲群は、
 ミックスはもちろんテイクもちがっていて、
 これがまたすっげえソリッドでゾクゾク酔う。

 青春時代から現在にいたるまで、
 すでにさんざん聴き倒しまくったアイランドの一連のシングル群とはまた一味ふた味ちがう、
 肌に馴染んだお馴染みの曲がゾワッとするほど新鮮だ。

 レゲエに興味があるけどどれから聴けばいいのか、
 とレゲエの泥沼のほとりでウロウロしてはるシロートさんから、
 海千山千のナッティ・ドレッドなうるさいクロートまで、
 すべての方々にひとしく大推薦。

 gregory issacs dub versions

 そして、
 そんなCDのうえに載せたフライが、
 ロシア産ヒグマの細金毛各色をつかった「リトル・イエロー・サリー」ことミドリカワゲラのアダルト・フライ。

 このフライで今夜はひとつ、
 ご機嫌伺いです、
 ちゅ~か自慢タラタラです。

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 と、
 そのようなCDを聴きながら、
 今月の半ばころにせっせと通っていたのがこの溜まり。

 水深は最深部となる対岸の岩盤のところでも自分の胸くらい。
 全面砂利底のコチラ岸は腰くらい。
 めっちゃ浅い砂利で埋まったショボイ溜まり。

 これぞフラット…鏡のような水面、
 川底すべてが見渡せる透明な流れは、
 油でも流したかのように粘っこくトロ~リゆるやか。

 そんな流れが200メートルほどつづいている。

 春から何度かこの場所を歩いたけれど、
 サカナの気配はまるでなかった。
 というよりもポイントとしてさいしょから想定外。

 その日もいつものように下流から流れのなかをザバザバ歩いてエッサエッサ上流を目指していた。
 
 すると、
 この溜まりの中間付近で、、
 一回カパッと素晴らしくエエかんじで水面が割れたんだよね。

 え?
 とおもって歩調をゆるめてソ~ッと近寄ったんだけど、
 それからなんの変化もない。
 水中を凝視してもなにも見えない。

 あれはなんだったんだ?
 とおもいながら、
 なんか立ち去りがたくて、
 ライズ地点のちかくに立ち込んだままタバコに火を着けて、
 吸い終わるまでは待ってみよう……これが運命の分かれ道。

 煙草を吸い終わって、
 アカンわ行こう…なんておもったとき、
 さっきよりもやや上流でカッパ~ンと……、

 そのとき、
 ワタシ見ちゃったんですハッキリと。
 狂おしいほど深紅色の体側と、
 ビロ~ンと水面から突き出た、
 なやましいにもホドがある大きな尾鰭。

 え?
 うっそ~なんでココに?????

 し・か・も・ほどなく、
 この長~いプールというか溜まりの下流から上流まで、
 おなじような刺激的すぎる不規則ライズがそこかしこでカポッと……
 してくれちゃってもうなんなのこの状況。

 おるやんけおるやんけおるやんけなんかくっとるやんけ!

 水面には、
 たま~に忘れたころにモンカゲロウのダンが数匹フラフラ漂流、
 12~14番ほどのマダラカゲロウの仲間もチラホラ。
 16番くらいの小麦色したカディスもチラホラ。
 でっかいガガンボふらふら。
 で、
 星の数ほどの大群で、
 まるで川面を覆うように音もなく旋回しているオドリバエ軍団が、
 そうした水生昆虫たちが水面に浮かぶと、
 我も我もとウワワ~ッとたかっている。

 いわば、
 道東地方のこの季節の、
 標高のあまり高くない川の典型的な虫どもの営みの光景。

 で、
 それはいいけど皆さんナニ召し上がってはるん?

 
 ……と、
 このままこの場所でおこったこと体験したことのありのままを書き綴りますと、
 それはもう紆余曲折スペクタルな大長編にあることは必至……

 なのでその過程は今回ははしょりますが、
 完敗どころか釣りにさえなっていなかった初日の屈辱を胸に、

 あれやこれやの遠回りをして、
 ミドリカワゲラの脆弱ではかない密かな羽化と、
 ライズのサイクルが泣けてくるほど不規則で散発でムラがあり、
 けして定位することなく神出鬼没、
 なんともやりにくい独特なマスの行動との相関関係を発見したときは、
 これぞオレの望んでいたフライフイッシング……って、
 もうたまらんかった蜜ドバドバ。

 が、
 発見したからといってラクショーで釣れるかというとそれはまた別で、
 5分から10分間隔で、
 予測の立たない場所で、
 唐突にカパッとライズして岩盤際の深みに消える、
 この場所には似つかわしくない豊満バディのマダムたち……、
 不思議なことに、
 この溜まりで出会ったサカナはすべて尾鰭に産卵痕を残した成熟したメスばかりだった。
 でさあ、
 そんな奥さまがライズするたびくるおしいほどのムチムチ・バディがチラッと見えるねんな~。
 でもものすご~く気まぐれ。
 ほんとに切ない。

 もうねえ、
 フライが信頼できないと無力感すごいから。

 内地の里川や湧水の川でシビアなマッチ・ザ・ハッチに没頭していた時代、
 こうした状況では「違和感のない繊細なフライ」を目指していた。

 だから、
 二日目の挑戦では内心自信があったんです十字架スペント・ウイング繊細系ミドリカワゲラ。
 だって奥さまたち、
 たぶんフライそのものにスレているのではなく、
 ミドリカワゲラのスペントにご執心のあまり、
 的外れなフライにまったく気がついていないそぶりだったから。

 ドキドキで投じた本州時代に培ったメッチャ繊細系ハッチマッチャーだった。

 でも奥さまぜんぜん気づいてくれない。
 フライのま横でカパッとかされたりして、
 ものごっついつれないそぶり。
 
 この状況を顧みて、

 まず、
 川底から眺めた広い水面のなかで、
 本物ばりの繊細なか弱さで巻いたカワゲラ・フライを、
 水面にヒタッている多数の本物のカワゲラに紛れ込ませても、
 この状況ではなかなかフライに気がついてもらえないのではないか、
 
 という、
 すっかり北海道的な野性の思考で、
 「アピールする」ためのファジー要素を強調したフライを、
 おもいきって投入してみることにした。
 5月くらいの当ブログで巻いたヘアウイング・カディスのミドリカワゲラ風。

 ここでちょっと状況が変わったのだった。
 いちばん活動的だったちょい若奥さまがカポッとくってくれて電気仕掛けのようにポンポン跳んだ。

 ウッワ奇跡!くっていただけるなんて…ありがたや~、
 という気持ちと、
 ヤッターけーさんどーり!どんなもんや~!、
 という気持ちが入り乱れる至福。

 またこのおかげで、
 出るまでフライを流しつづける忍耐のエンドレス・ドリフトでも気持ちが折れなくなった。
 フライを信じられるって、
 釣れる要素としてものすごく大事ですよね。

 ちなみに、
 いやらしい話だが、
 この溜まりで確認する限りいちばんちいさく見えたこの若奥さまは、
 念のため測ってみるとパンッパンのはちきれんばかりの51センチだった、
 ということを申し添えて話をつづけよう。

 今夜は書かせて。

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 つかったフックはTMC9300の12番。
 本物のサイズは15番くらいなのですが……、

 もはや定番ワシミミズク捩じり巻きボディにご注目を、
 12番のフックにできるだけこじんまり短く小さく巻こうとしています。
 また、
 ボディを捩じって巻いたあと、
 あまりのファイバーはカットしないで、
 ハックルやウイングのスペース分だけ巻き込んで残しておく。

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 ロシア産ヒグマの毛をかる~くひと束、
 アンダーファーごとスタッカーに突っ込んでガンガン叩いて、
 ヘアーの先端を揃えるとともに、
 短いアンダーファーをガードヘアー先端部分にズラす。

 上の写真と比較すると一目瞭然。

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 んで、
 そのように処理したヘアーをダウンウイング状にドサッと巻き止めて、
 その余りのヘアーをハックルスペースにぎっちり巻き込んで、

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 と、
 巻き込んだ余りのヘアーをココでカットするのではなく、
 巻き止めたウイングの束の真ん中に割り入れるように折り返しガッツリ巻き止める。

 このとき、
 ガードヘアーのウイングのほうを指先で左右均等に分けて、
 なんとな~くでいいので左右に大きく広げておく。
 で、
 余りのヘアーはこの間に割り入れて、
 再度スレッドでギーッとしめる。

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 で、
 折り返してギッチリ巻き止めたヘアーの余りを、
 ボディの長さくらい残して斜めにカット。

 すると、
 フックシャンクから軽く斜めなって束状にまとまっていたウイングが、
 余りのヘアーで上から押さえつけられて、
 ウイングが扁平フラットになってボディ真横から左右におおきく広がる。

 エルクヘアカディスなどのようなダウンウイング形状とは、
 似て非なるデルタウイング型スペントウイング構造になる。

 よく目立つ二枚翅を水面に広げて浸しながら、
 チカラな~くヨタくねるミドリカワゲラのアダルトを表現したいがための細工。
 ヘアーの量は写真のとおりガードヘアーもアンダーファーもごく少なめパラッパラというかんじ。


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 いよいよ〆のハックル。
 上がヒストリックのゴールデンバジャー、
 下がヒーバート・ヘンネックのライトハニーダン、

 それぞれファイバーの長さが極端に異なっている。
 フックサイズ12番に対して、
 Gバジャーのコックハックルのファイバー長はフックのゲイプ幅くらい。
 対してヘンネックのほうは1.5倍くらいと長め。

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 先にバジャーを3~4回転。

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 フック下側のハックルをばっさりカット。

 しかるのち、
 ヘンハックルを4~5回転して、
 ボディ材の余りのワシミミズクのファイバーをエルクヘアカディスのヘッド状にカット。
 
 ヘンハックルはカットせずそのまま。
 このようにハックリングすると、
 ソフトなヘンハックルのファイバーをコックハックルが支えることになり、
 ヘンハックルをドライフライにつかうとき重宝する。

 また、
 このような色の組み合わせでハックリングすると、
 淡い黄褐色のハックルの根元に、
 バジャー・ハックルの黒が良いアクセントになって、
 本物のミドリカワゲラの微細な黒紋を散らしたクリーム色のソラックスが表現できる。
 
 一石二鳥のハックリング。

 んで、

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 このように巻いたフライを水面に浮かべてみると……、

 まあなんせアナタ、
 ライズの間隔は5分~10分に一回くらい。
 フライを一心不乱に投げて流すのも10分に一回くらい。
 その間、
 へそくらいまで立ち込んだ状態でジ~~~ッとチャンスを待ってるわけですよ。

 10分て…長いで。

 もうだめかあ、
 あかんのかあ、
 気づかれたんかなあ、
 ハア~ア、
 かえろかなあどうしよかなあ、
 胸中はいつもゆれるゆれるもう迷い道くねくね。

 と、
 そんな後ろ向きムードなとき、
 このフライが水面に浮いている様子を眺めると、
 「もうちょっとがんばろう」
 という気になった。

 フライ前方のヘンハックルが、
 水面膜をオチョコのようにへこませて、
 そのうえにハックルがフワッとのっている。

 で、
 いっぽうボディのうえにフラットかつ扇子のように広がったウイングは、
 ヘアーの一本ごとにかすかにカールした毛先を水面に押し付けて、
 それぞれがランダムに水面にのり、
 水面膜を絶妙にへこませて、
 そこに陽の光が透過されてキラキラ乱反射している。

 で、
 これはうれしい後付けだが、
 ヘアウイングを完全にスペントウイング状にボディ両側に巻き止めるための、
 「ヘアーの余りを折り返して残してカット」する細工は、
 フライを水面で見ると両側にフワッ広がって水面に乗るウイング中央の根元付近で束状にまとまっており、
 意外にもそれが「ウイングらしさ」がより強調されるフォルムの要因のひとつに映った。
 フライの虫っぽい生命感を演出する重要なパーツ。
 いろんな長さでカットしてみたが、
 ボディと同長くらいが見栄えもバランスもちょうどよい感じ。

 
 で、

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 奥さまは野性。

 このサカナと対峙していた時間は、
 2時間?
 3時間?
 時間の感覚がとんでしまって定かではないが、
 その間というよりサカナを見つけるまえから薄いウェーダーでずっと深く立ち込んでいたので、
 身体が冷え切っていてヒザがうまく曲がらず、
 クキカキとロボットのようなうごきで必死のランディングとなった。

 水際で呼吸を整える奥さまとってもゴージャス吐息が漏れます。

 紅色のルージュをひいた口元に、
 金色の毛で巻いたちいさなドライフライ。
 官能的。

 「あの、ちょっと奥さま、さいごにそのお口元を…撮らせてください嗚呼おうつくしや」

 奥さまが水際で呼吸を整え体力を回復されるすこしのあいだ、
 盗み撮りのようにパシャパシャ撮りたいけれど、
 どの奥さまもさっきまでの激闘ものともせずすぐに復活あそばされ……、

 ハリを外すやいなや、

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 「ちょっと!のきなさいよ!」

 「も~サイアク!」と捨て台詞が聞こえてきそうな後ろ姿で、
 カンカンに怒りながら身をくねらせ元気いっぱい脱兎のごとく消えていかれ……。

 その逞しい後ろ姿にウットリ。
 いいようのない達成感。

 ミドリカワゲラの羽化がピークを迎えていたほんの一週間ほど、
 釣りゴコロを芯から抜き倒した数日間のひとこま。

 濃ゆい日々だった。

 
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