BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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暮れていく季節が染みております。
 どこまでもどこまでも広大な畑や牧場がひろがっていて、
 そのあいだを縫うように流れているその川に釣りに行くと、
 いつも私有地の牧場の一角に打ち捨てられている廃家の脇にクルマを駐車させてもらっていた。
 どう見ても畑仕事の邪魔にはならんやろうと選びに選んだ場所だけど、
 無断で。
 そこからだと川へのアクセスもかなり楽になるし、
 すごく都合がよかったんだけど……、
 なにせ断りもなしに駐車してるもんだから、
 気が引けまくり。
 ここにクルマを止めて迷惑かけてんじゃないかと、
 気になって気になっていつもビクビク。

 なので、
 たとえばクルマのまえで釣りの支度をしているときとか、
 釣り終えて着替えているときなんかに、
 農道のはるか彼方から土埃舞いあげてトラクターやトラックがこっちに向かって走ってくると、
 いつも農道の脇にでて、
 トラックがこっちに来るまで直立不動の姿勢で待っといて、
 目の前を通り過ぎるときに気持ちを込めてお辞儀していた。
 
 と、
 そんなのを何回か繰り返していると、
 何回目かのときに巨大なトラクターでゴゴゴと走ってきたオジサンが、
 ぼくの最敬礼にあわせて軽く会釈してくださるようになった。

 で、
 いくぶん気持ちが軽くなったんだけど、
 その後もずっとトラクターやトラックが通り過ぎるときはかならず深々とお辞儀していた。

 すると、
 いつのころからかボクのクルマのまえを通り過ぎるとき、
 牧場の方々が頭を下げるボクにむかってトラクターやトラックのなかから軽く手を振ってくださるようになった。

 うれしかった。

 そしてこのまえ、
 この川に来るのも今シーズン最後かな~なんてときに、
 廃家のまえでいつものようにウェーダー履いて準備していると、
 ガガガと軽トラがこっちに向かって走って来たので、
 すかさず農道に出て待っていると、
 軽トラが目の前でとまった。

 いつもガガガと通り過ぎていってたので、
 いよいよ文句言われんのかなとビクッとしたんだけど、
 満面の笑みでお爺さんが出てきて、

 「ひさしぶりだね~、しばらく見なかったから気になってたの」
 「あっ、おつかれさまです。いつもクルマ止めさせていただいちゃって、ご迷惑おかけしていませんか?」
 「な~に、いいよいいよ。ここ、いつもはほったらかしてんだけど、アンタがクルマ止めてるから、
 ついでに草刈っといたんだよ~。たくさん釣れるといいね~」

 わたしゃもう感涙にむせび泣きましたがな。

 そうなのだ、
 夏ごろからものすごい勢いで茂りはじめた雑草がとても邪魔だったんだけど、
 あるとき行ってみるとその雑草がクルマのスペース分くらいキレイに刈られていて、
 それがまた心配の種でもあった。
 「やっぱりお仕事でこの場所もつかってはるんやろなあ」なんておもって。
 なんだけど、
 そのワケはボクがあまりにもしょっちゅう駐車してるもんだから、
 クルマを止めやすいようにわざわざ配慮してくださっていたのだった。

 来シーズン、
 またこの川に足しげく通うような季節になったら、
 こんどは思い切ってなにかお土産でも持参して、
 いろいろお話させてもらえたらいいな~なんておもってる。

 もうさあ、
 ここに引っ越してきてからというもの、
 あったかい人の気持ちにたくさん触れさせていただいて、
 この土地がどんどんどんどん好きになるばかりで……。

 豊かな自然や釣り場環境、
 すばらしいサカナ、
 それらはもちろんとても大切なんだけど、
 その土地を好きになるためのもっとも大事なことというか、
 いちばんの決め手になるのは、
 やっぱ「そこで暮らす方々」との気持ちの通い合ったお付き合いや出会いに尽きますね。

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 先月の釣りのハイライトは、
 なんといっても止水での翅アリの釣り。

 こってりと、
 どっぷりと、
 日々変化していくニジマスたちのライズに向き合い、
 濃密な時間を堪能した。

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 16番くらいのおおきな翅アリから、
 24番前後のマイクロな翅アリまで、
 季節がほんのすこし進むと翅アリのサイズが微妙に変化して、
 サカナたちもまた刻々とその嗜好を変えていく。

 やはり、
 ここでもまたなにか特定の捕食物に執着しているサカナたちは、
 まずなにはなくとも「そのとき喰われている虫にフライのサイズを合わせる」ということが、
 基本中の基本であるなと、
 骨身に染みて再確認させられる釣りだった。

 そしてまた、
 翅アリの流下と浮遊が大量であればあるほどに、
 サカナの行動とライズがシリアスになればなるほどに、
 このモジャモジャしたCDCの塊りのようなフライ、
 とても蟻を模したとはおもえない醜い毛鉤が真価を発揮するのは、
 なんでなのか?
 それをひもといて納得したいがために、
 巻いて釣って巻いて釣っての日々。

 夢見心地でした。

 そろそろ現実復帰したいんだけど……。

 いっそもう早く酷寒の冬になってくれれば気持ちも落ち着くとおもうんだけど……。

 「マス肥ゆる飽食の秋」なんだよねえ。

 いまはさ、
 超ヘビーウエイトなアウトリガーなニンフの釣りがたまらなくチャレンジ一年生。
 パチンコ玉くらいあるようなごっつい凶悪なカミツブシを、
 やさし~くかつキッチリとティペットに固定するための、
 現場で簡単にできる新しい裏技おもいついてなかなか具合良いので、
 こんどまたなにかの機会に開陳させてネ。

 タネを明かせば超シンプルで拍子抜け必至ですが、
 現場でやる手元作業はとことん簡単で失敗レスなほうが断然活きるとおもってます。

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 From デトロイト to 道南

 いま、
 時代はロクサンのミッジ。
 おもしろさ格別。

 漢の乙女心くすぐりまくる6フィート3インチ。
 グリップをにぎるたびにニッタァと萌え心あふれる6フィート3インチ。

 エレガントでキュートでチャーミングなロクサンのミッジ。

 今シーズンはあと何回、
 この竿とともに至福の水辺に佇めるのでしょうか?

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 なんでも聞くところによると、
 ヒグマもアリンコ大好きで舐めるようにして食うんだって?。

 じぶんも路肩の草をはがして、
 その下にいるアリやカメムシなんかをベロベロしたらしい跡をよく見る。

 してみればアリンコって、
 森でも川でも、
 いろんな野性を育んで支えてくれているんですね。

 グレートやわ。

 というようなことをツラツラおもう晩秋です。

 季節の変わり目ご自愛ください。 

 
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