BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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毎日毎日こんなキレイな生き物ばっか見てたら自分の作るモンなんかほんまチンケやな~おもうで。
 謙虚にならずにいられない。

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 クジャクチョウ
 学名が「Inachis Geisha」 そのまんま芸者の衣装の艶やかさになぞらえての命名だそう。

 我が家の近所でも釣り場でも、
 ここでは春から現在まで種種雑多なチョウがいつもワラワラ飛び交っており、
 気にしなければまったく気づかないけれど、
 気にしだすとそこはまさに百花繚乱。

 ヤバイ世界への入り口的誘惑がある。

 これはまったくの私見だが、
 初夏のころから晩夏まで、
 午前中釣り場に向かう森のなかの峠道で、
 白と黄色の蝶がそこらじゅうでヒラヒラ飛び交って、
 幻想的でもあるんだけど、
 それがクルマの窓にバシバシぶつかって砕け散っていくような諸行無常の日は、
 ドラマを予感して期待ふくらんでゾクゾクだった。

 この季節、
 ごっついのドカーンッ!などの良き日を思い起こせば、、
 たいがい蝶バシバシつぶしながら釣り場にいそいだ憶えがあるからだ。

 とまあ、
 そんなチョウチョのなかでも、
 クジャクチョウはひときわマイペースというかヌけてるのか?すごく警戒心に欠けてるのがたまにいる。

 特徴的な目玉模様が外敵からの目くらましとして効いているためにこんなにも余裕があるのか、
 おおきく翅を広げてジッとしているとき、
 カメラが身体に触れそうなくらい近寄ってバシバシフラッシュ浴びせても悠然としてるのがいる。

 撮り飽きて行こうとすると、
 ヒラヒラと先回りして数メートル先まで飛んでまた地面や草に止まってポースとるのもいる。

 「撮って」と言われているみたいでウレシイ。

 で、
 また撮ってると、
 うまいことツツツと動いて身体と翅の角度を変えてくれて、
 「こんどはコッチの方向から撮って……」
 みたいなヒジョーに友好的かつ協力的サービス付き。

 そんなわけで、
 すっごいめんどくさがりのくせに、
 いつもこの美しさにクラクラッときてついつい撮っちゃって、
 オレさまのクジャクチョウ・フォルダは充実するばかりなのだが、
 ちょっと、
 ベストショット発射してよい?

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 こいつ。
 
 最初の写真のクジャクチョウはおそらく、
 孵化してから日数が経っているのだろう。
 翅のキズや微かな欠損、
 翅全体の色褪せなどから、
 これまでサヴァイブしながら生きてきたことがうかがえる。

 そんな苦労してるクジャクチョウのなかでも、
 この苦労人はかなり美麗な翅だったんですが、

 こいつを見ちゃって驚きももの木。
 そのちがい一目瞭然。

 コチラのほうは逆に、
 おそらく孵化して間もないのではないか、
 とおもわれるフレッシュなフサフサ感とぎらつく感じの翅の艶光り、
 まさにたったいま旬のときを迎えたばかり「若さって眩しい」
 
 はっきりゆうて、
 クジャクチョウというよりも、
 キジの羽根マニアとしてはサティア・トラゴパンの羽根を連想せずにいられない。

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 トウガラシ浮きのような触角がおちゃめでカワイク、

 胴体はまるで燃えているようだ。

 ナウシカおもいだしたやんけ。



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 ウブゆえにいいなり。

 「ちょ~っと翅の裏側みせてくれるかな~~?」
 なんつって指先で注意深く翅をかすかにツンツンすると、
 ほんまにパタッときれいに閉じてくれたのでびっくり。

 一見すると幾何学模様のチョコレート色だが、
 陽の光が当たる角度によると、
 後翅が濃いムラサキに変化するナチュラル・ミスティック。

 クジャクチョウのりのりで絶妙な呼吸でくるくるポース変えてくれるから、
 バシバシ撮りながら観察しまくって満足だった。






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 バショウカジキのこどもみたいな背びれ。




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 背びれビーンッとはって身体いっぱい遺憾の意を表してはります。

 でっかい背びれがまずものすごく素晴らしくウットリいい。

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 25センチほどか。

 シャクレアゴを予見させるクッソ生意気な顔、
 均整のとれた魚体に散る黒点はまるでヒョウの体毛のように全身メリハリが効いており、
 スラッと伸びた各ヒレはすでに紅色に染まり、
 尻ヒレと腹ヒレの先端の純白とのコントラストはもはや官能的。
 エッチだ。

 さいこうのイケメン。

 ぜひともこのまま豊かな環境で自由にすくすく巨大に育ってほしいイッピキ。

 たとえば、
 金魚や錦鯉やアジアアロワナなんかの観賞魚なんかで、
 将来有望な幼魚を目利きが厳選に厳選を重ねて選び出す、
 みたいなシビアな世界あるでしょ。

 気分は目利きのオッサン。

 いつのまにやら、
 ニジマスを見る目は頑固で厳しくウルサイ荒くれた目利きのオッサン心根はさびしがり。
 という面持ちで釣っていると、
 ニジマスの少年少女もしくは青年を釣るのがさらに面白くてたまらなくなった。
 
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 30センチってとこ。

 こいつもまた、
 今年釣りまくって釣りまくって釣り倒したニジマスの若魚たちのなかでも、
 とくに心に残ったスペシャルなイケメンのイッピキ。

 たま~に、
 ちょっとこいつ、
 いつものとオーラがちがうな~とおもうようなのが釣れると、
 こういうサラブレッド的存在感あるのがゆくゆく巨大になるんかな~とおもったりする。

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 みんなみんなおっきくな~れ

 そしてワタシだけに釣られなさい。




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 どちらもおなじオスのニジマス。

 ワシ、
 このシャクレの親分のこと、
 今シーズン2回いてこましてますねん。

 なんでそう言い切れるのかというと、
 まったくおなじ場所で、
 かつ寸分たがわず同じピンスポットから釣れただけでなく、
 親分さん、
 百戦錬磨のヤクザなシャクレ顎がグッとくる厳ついお顔はもちろん、
 背中に一本線の古傷を背負ってはるもんで、
 一目瞭然なんですわ~。

 一回目は晩春のころ、
 タングステン・ビーズとシャンクいっぱいの鉛線を巻いたドヘビー8番のキャロット・ニンフをつかって、
 3Xティペットにパチンコ玉サイズ2ケかまして、
 雪代交じりで轟々流れる荒瀬の川底にドーンと沈めて転がすアウトリガーでガッツーンッと釣りあげた。
 ゴゴゴゴゴンッと激しく喰ってきた。

 そして二回目はハルゼミ出始めすぐのころ、
 流芯脇の巻き返しピンスポットにイリジスティブル4番黄緑を直撃。
 チャポッと落ちるやいなや、
 鼻先に肉ぶら下げられたワニみたいにグワバッ!と魚体モロ出しで激しく飛び出して、

 スッポ抜けた。

 しかも!
 おなじ失敗を連続して二回もやらかして、
 痛恨の屈辱の己の未熟が忌々しい敗退。

 かくじつに親分でした。

 三回目は8月の盆明けドピーカン。
 ド渇水ダメじゃんコレ状況。
 チャラチャラの川を歩いて、
 ほんのちょいまえまでグワングワン波立っていた荒瀬はいまやチャラチャラのトロ瀬。
 諦めきれず立ち込んでそ~っとにじり近寄って覗いてみれば、
 流芯川底の岩盤がバックリ割れるように切れ目になっており、
 そのうえを白泡がダーダー流れているんだけど、
 その泡がフッととぎれるとき、
 割れ目のヒラキのところの川底べったりに魚体がチラリと見え隠れ。
 やがて目が慣れてその全貌が……いた!……しかも定位してるヤンケ!
 うおお!しかも!!スッと動いてエサ食っとるやんけちょっとちょっとアレもしかしたらイケルんとちゃうん?

 心臓がつるのではなかろうかとバクバクの攻防戦。

 フライがようやく割れ目にむかって沈んでいく流れにのったような……、
 「あ、いってるんとちゃうか」

 サカナが川底でスッとうごいてグッとあわせてドンッ!

 見えないイトを介して、
 川底のサカナとつながった瞬間ですね。
 奇跡のようだ。
 サイトニンフィングはいつもミラクル。

 そしてぼくにとっては最高に幸せしてやったり!、
 親分にとっては最悪の輩との久々の再会とあいなった。

 引きは春先よりもさらにキョウレツ強引。
 かつトリッキーで迫力の岩盤沿い激走のパワー戦だった。
 フロロの5Xよく闘った。
 渇水にジンクリアー状況なにもかもが見渡せて、
 すぐに親分だとわかった。
 
 おおいに溜飲さがり天にも昇る夢見心地。

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 つかったニンフは、
 ゴールドリブド・ヘアーズイヤーというよりも、
 金色のボディをヘアーズイヤーのファーでくるんでいるような体裁の10番。

 ウエイトはシルバーの極小ビーズをマーカーで黒く塗ったもののみ。
 ウイングケースは黒のチカブーの束。

 とまあ、
 こうして良いサイズのマスとおなじ場所で再会を果たす場面はこれまでにもけっこうあった。

 ということは、
 とうぜんだが同じサカナが同じ場所でずっと暮らしているだけでなく、
 ふたたび釣られてもくれているわけだ。

 また、
 人気のポイントなだけに、
 自分以外の釣り人にもきっと釣られているはず。

 おなじマスを釣りあげた見ず知らずの貴方はワタシと義兄弟。
 ほんまにすばらしいニジマスでしたね。
 ばっちりヌケたよねえあのキョーレツな引き。
 そして、
 貴方がサカナを傷めることなく丁寧にリリースしてくれはったからこそ、
 またワタシも釣ることができました。

 そしてワタシもまた、
 ハリを外したとたん、
 親分さん元気いっぱいでプンプン怒りながら例の岩盤の割れ目に消えていったのを見届けております。

 きっとまた誰か幸運な釣り人を、
 親分さんが感動と興奮のルツボに叩きこんでくれはることでしょう。

 どれほどありがたいことでしょうか。

 なんだけど、

 ちょいまえ、
 ものすごく心と気持ちがささくれ折れたことがある。

 8月のアタマくらいのこと。
 荒瀬の流芯脇の沈み石で流れが乱れているピンスポットで散発なライズ発見。
 しかもでっかい!
 ところがどっこい、
 どないしても出ない。
 粘りに粘って、
 なにかの偶然が重なったんか?
 みたいなかんじで水面膜にへばりつくように浮いて流れた12番のスパークルピューパがいきなりジュボッと吸い込まれて、

 よっしゃ!

 バシッとあわせてサカナが水中でグワグワと魚体をよじったとき、
 でっか!とおもったけど、
 なんか妙に背中が黒いなとおもった。

 引きも、
 覚悟していたよりもなんか……、
 この川ご自慢の暴れん坊将軍にモミクチャにされたい自分としては、
 心なしかちょっと……、

 でもまあでっかいし慎重にネットに誘導して……、

 というとき、
 サカナを見ておもわずネットを引っ込めてしもた。

 見事なオスのニジマスなのだが、
 顔と鰓ぶたと尾ビレの付け根の両側が、
 びっしり水ぶくれの塊りができてベロッとただれていて、
 見るも無残なヒドイ状態になっていた。

 背中が黒く見えたワケも引きの弱さも合点がいく。
 この水ぶくれのためにえらい調子を落として魚体の肌艶が褪せている。

 素晴らしい魚体なだけに、
 よけいに痛々しく惨めに映った。

 写真は撮れなかった。

 あとで友人にこの話をすると、
 「それこそ撮っておいて事例として発表し啓蒙すべきではないか」との意見もあった。
 同感だしそうすべきともおもう。
 が、
 心情として、
 あの痛々しい姿を晒すのは虹色のサムライに失礼やで、
 という気持ちをこそ優先したい。

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 このニジマスは、
 そんな酷い状態のニジマスを釣ったのとまったく同じ瀬で、
 ついこのまえ釣った。

 完璧無比のビッカビカのオス。

 ほんまやったら、
 このサカナとおなじように紅色で染めた金属の板みたいにギラギラ輝いてるはずのホッペが、
 水ぶくれでデレデレにただれてるんやで、
 想像してみて、
 たまらんで。

 気持ちが澱んで、
 しばらく引きずった。

 確実に、
 以前そのニジマスを釣りあげた釣り人が無神経にカラカラに乾いた手で、
 サカナの鰓ぶたと尾鰭の付け根をギューッと握って、
 そのまましばらく握りしめていたのが原因の火傷だ。

 そんなん鉄板地獄やんけ。

 はっきりゆうて、
 サカナを腫れ物のように扱えなどとおもっているわけではなく、
 むしろすごく丈夫やなとおもっている。

 皮肉にもその証拠に、
 このような悲惨な状態になってさえもまた釣れてくれた。

 でもこれはあんまりやで。

 サカナに触れて抱える手は常に濡らし冷やし握りしめず負担をかけない、
 っていう必須の鉄則を知らんのか出来んのか、
 それはアカンで基本やで。

 これはぜったいに意識して気ィつけなアカン。

 しかしタブー的本音をいえば、
 こうしたサカナに対する慈悲やおもいやりのない所業を声高に糾弾することに、
 じぶんはどこか引け目もかんじる。

 細心の注意を払ってサカナを傷つけず疲労させず釣りあげて放したところで、
 そんなの免罪符になるわけもなく、
 サカナからすればムチャクチャ迷惑だし命がけの殺されるかもしれない大事件。

 五十歩百歩。
 
 ……ま、
 禅問答になるし、
 やめときましょか。

 んで、
 このギンギンギラギラのオスを釣ったフライがコチラ。
171009(12)12.jpg
 レオンのチカブーのソフトハックルと、
 ブロンズマラードのテイルのソレっぽさが印象的な、
 クイルボディのヒラタカゲロウ的イマージャーの12番。

 そ~っと近寄って、
 荒瀬の流芯脇をアップストリームに遠投して流すと、
 リーダーがグーッと波に飲み込まれておおきく湾曲。
 ラインが弛んでしまってアタリがわかりにくい自分の苦手なゾーンだったのだが臆せず流し込み、
 
 ヌッと気配を感じるアタリに確信をもってビシッとあわせたところ、
 グワングワン波立つ荒瀬の波のカベを突き破ってバッバーンッ!ドッバーンッ!見上げるような高さに跳びまくり、
 そのままウギャギャギャギャーッとリール鳴らして下流に激走。
 フロロの4Xでよかった。
 5Xどうかな~?このぶ厚い流れでこのサカナやと、
 ん~~~こわいな~ソレ。

 会心の一発でした。

 この数日まえ、
 ひさびさにいつものニンフの吉田さんと秋のニンフな一日を過ごして、
 刺激受けて感化されて勘が冴えておったからこその快挙でございましょうヤレうれしや。
 
 そしてこのとき、
 頭に装着する小型ビデオにて、
 掛ってから取り込むまでの一部始終の動画も撮るには撮れたんですが、
 最初から終わりまで興奮のあまりヒイヒイハアハア言ってる自分の声じゃま。

 しかも!
 カメラの角度わるくて、
 足元に横たわったサカナがまるで画面にはいってへんやんけ映ってへんヤンケ!
 という、
 たいへん不本意でファックな映像。

 これってこのテのビデオカメラあるある?……ですか?

 そんなわけで、
 今夜のお別れの画像は、
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 ベニテングダケのベニテンちゃん。

 たったいまを盛りに、

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 パッカーンと傘おっぴろげ。

 で、
 この毒々しいとされるベニテン・カラー、
 クジャクチョウの翅の色合いと、
 色調だけでなく色の質感というか厚み?温かみ?みたいな感覚のところまで、
 伝わってくるものがじつにじつによく似ているのが愉しいとてもとてもワタシの好きな北海道の秋の色。

 紅葉の季節をアンダーグラウンドに彩る鮮やかな橙色。

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 秋が、
 いよいよ深まってまいりました。

 
 
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