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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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フライフイッシャー誌春号のオホーツク通信補足版とか…
 2月から3月にかけて、
 東京やら大阪やら内地巡業から帰宅してから最近まで、
 ひたすらにフルドレス・サーモンフライ製作に没頭しておったわけですが、
 それと並行して、
 このブログをはじめた12年前くらいからたまりにたまった写真を整理するというか、
 いちから見直しております。
 
 内地にていろんな方々とお会いしてお話したりなんかしてすっかり感化され、
 このまま寂寞と日々の流れにナチュラルドリフトするままではいかがなものかと、
 ここらでいっちょフラッタリング逆引きリトリーブ、
 ちょっとはジタバタ羽ばたこうとしないと、
 きっとのちのち後悔するんとちゃうやろか?

 ヨッシャやったるデまずは手始めに写真の整理と見直しからはじめよう。

 などとおもって、
 ガラにもなく重い腰をようやくあげて一念発起してみたわけですが、

 ハッキリゆうて、
 写真の見直しなんか2~3日あれば余裕のヨっちゃん、
 かと思いきや……、

 その膨大な量に圧倒されて、
 もはや5秒でアタマがカオス。

 思い出は重いで。

180519(1)1.jpg
 12年まえ、
 このブログをはじめたころに、
 ブログに載せようとおもって撮ったけど載せなかった写真。
 
 ちょうどこのころ、
 かのアメリカ中西部フライフイッシング・シーンの重鎮中の重鎮でもあり、
 フライタイイング界の発明王であらせられる、
 かのフランク・マタレリ御大とご縁があって、
 お手紙などやりとりさせていただいて、
 ある日突然サンフランシスコから送られてきた小包を開けてみればアラ狂喜乱舞みつぐ超ハッピー。

 プライベート・カスタムメイドなタイイング・ツールの詰め合わせセットやらドッサリ。
 しかもひとつひとつ自筆の解説付き。
 夢なら覚めないで状態だった。

 そりゃ~嬉々として写真に撮るがな、
 ぜひともブログに載せたいと思うやん、
 でもたしかいろいろあって載せなかったんだよな。

 オトナの事情という表現はキライだが、
 まあそんなとこ。

 でもまあ、
 12年も経てばそんな事情はもうど~~~でもよくて、
 ふと考えてみれば、
 これらのツールたちは、
 いつのまにか、
 じぶんが毎日の食事につかっているお箸とおなじくらい日々の日常で指に触れている道具たちになっている。
 ということにあらためて気がついて、
 この写真を今見ると当時が思い出されてじつに感慨深い。

 そんなツールたちの脇に添えたフライもまた懐かしいというかなんというか。
 レオンのクイルをウイングにつかったウエットフライに、
 ヒグマの毛をアンダーウイングにしたマドラーミノー。

 レオンのクイルもヒグマの毛も、
 この当時すでに自分にとってはもはや欠かせない素材だったわけだ。
 このころ、
 このようなアンユージュアルなマニアック素材は、
 まだだ~れもなんにも言ってなかったけど……。

 いまじゃすっかりお馴染みで。

 12年の月日はとてもみじかい。

180519(2)2.jpg
 写真左のフライは、
 ウエスタン・カウボーイ・フライフイッシングの元祖ジャック・ホーナーが原案者となる「ホーナーズ・ディアヘア」
 いわずもがな「ハンピー」の原型。
 ということは、
 このフライこそがウエスタン・ドライフライの出発点のひとつだったと言っても過言ではない。

 なんでも、
 ジャック・ホーナーとフランク・マタレリは大の親友でもあり唯一無二の釣友だったんだけど、
 そのくせジャックはフランクの世紀の大発明ウイップ・フィニッシャーを頑なに使わないで、
 ず~っと指でスレッドをハーフヒッチしていたんだって。

 この頑固者め~。

 きっとご本人はまったく意識しておられないだろうけど、
 フライフイッシングの歴史をひもとけば、
 世界のあちこちの釣り場で歴史の礎を築き、
 その地方独自のフライ文化を豊かに花開かせてくれた陰の立役者さんたちは、
 誰も彼もみ~んなヘンコで頑固。

 そして、
 皆さん揃いもそろってソロバン片手の金勘定には縁遠く、
 フライロッドとボビンを片手に水辺とバイスのまえを寡黙に行ったり来たり。

 とっても素敵です。
 お慕い申しあげます。


 話しかわって、
 右のフライはキャル・バード考案の「バーズ・ストーンフライ」
 このお方もまた、
 そんな尊敬すべき頑固者のおひとりだった。
 そして、
 彼の巨大なカワゲラ・ニンフのダビング・ボディを迅速かつ強固にダビングするために、
 フランク・マタレリが考案したのが、
 写真のシンプルな鉤型ダビング・ツイスターだった。

 現在もはやあたりまえになっているダビング・ボディ・テクニックの発展は、
 アメリカ西部の川にどでかいカワゲラがウヨウヨいて、
 それをマスがガバガバ貪り食っていて、
 それを模したフライを巻こうとしたチャレンジャーな釣り人がいたからだ、
 と言っても過言ではない。

 12年まえ、
 このツイスターはほかのと比べてややつかいにくいかも、
 なんて、
 ロクにつかってもないくせにクッソ生意気をのたまってフランク・マタレリさんを苦笑させた当時のワタシ。
 とってもイタイぞ恥ずかしいゾ自分。
 そのくせ、
 いまじゃコレなしのダビングなんてもうかんがえられない。
 というよりも、
 各種ファーをたんにダビングするだけでなく、
 そこからさらに飛躍していろんな素材をねじったりひねったり、
 現在のじぶんのボディ成形テクの進化と発展は、
 つねにこのカギ棒とともにあった、
 と言っても過言ではない。

 12年の月日はとても長い。



180519(3)3.jpg
 若葉の季節に巻くグリーン・ハイランダー。
 オツですね。

180519(4)4.jpg
 ボクのグリーン・ハイランダーのチーク見てくれはる?

 インディアン・クロウの発色あざやかでしょ?
 バビーンと色が浮き立ってまっしゃろ?

 このようにインディアン・クロウをチークなどにつかうと、
 この羽根をほかの羽根のうえに重ねたとき、
 下地の羽根に色調が透けて馴染んでしまって、
 せっかくのきれいな朱色の色合いが色褪せてくすんでしまうのが常々とても残念だった。

 じぶんとしては、
 ここのパーツをこそフライ全体でもっとも鮮明に鮮烈に印象深く見せたいのに……。

 いろんな雑事仕事がようやくひと段落して、
 ほんのちょっとだけ気持ちに余裕ができて、
 この二カ月はとにかく自分がず~っとやりたかったことを優先してやりまくるゾと決心して臨んだ、
 昼となく夜とない至福の瞑想フルドレス・タイイング・タイム……、

 その高揚した気分のなか、
 このフライを巻いていてアッと思いついてチョコチョコッと試してみたら……ワクワクドキドキの大成功大満足。

 ワタクシにとって、
 今回の集中巻き倒し月間サイコーの裏ワザ・テク大発見のひとつとなりました。

180519(5)5.jpg
 フライフイッシャー誌2018年春号の連載記事に、
 このフライをデデンとでっかく載せてもらいたかったけど、
 えらいちっこい写真になっていたので、
 ここでデデ~~ンとでっかく載せます。

 さっきのスタンダードなグリーン・ハイランダーとそっくりそのまんままったく同じ素材で巻いたけど、
 なんしかこれでもかと盛りまくりで巻いた私的フリースタイル・ハイランダーのキテレツ版。

 じぶんでも、
 出来上がるまでどのようなフォルムになるのか全くわかりません「ラリってるんとちゃうん?トリップ・スタイル」

 クラシック・スタンダードなフルドレスは、
 全体のフォルムが見せどころなわけじゃないですか。
 なので、
 巻くときはフライ全体を注視しつつ常にバランス確認しながら巻くんだけど、
 ここでは、
 あえてそれをしないで、
 素材を巻き止める部分のピンポイントばかり凝視しながら、
 そこに限界までゴッテゴテに素材を巻きつけまくる、
 という無謀を意識しながら一心不乱に巻いてみた。

 そして出来あがったらこんなんになった。

 完成したとき、
 バイスにとまっているフライを眺めながら、
 まるで夢から覚めたように、
 「コレ、ほんまに自分が巻いたんやろか?」
 みたいな。
 そんな感覚が新鮮だった。

 いまも目の前にこのフライを置いて、
 パソコンのキーボードかちゃかちゃしてるんやけど、
 フライを眺めだしたらボ~ッと見入ってしまってどんどん時間が経っていく。

180519(6)6.jpg
 
 フロリカン・バスタードの見慣れたいつもの茶褐色のダンダラ模様サイコーやけど、
 ウイングの最上段にのっている、
 こんなかんじのフロリカン・バスタードの模様と色調も大好き。
 墨絵のようなグラデーションがかっていて摩訶不思議なムードだ。
 

180519(7)7.jpg

 でもフライの反対側は、
 お馴染みの見慣れたフロリカン模様の羽根を据えた。

 チークやサイドの仕様も素材は同じやけど、
 配置はガラリと変えた。

 左右非対称が好き。
 性格でるよねこのテのフライってとくに。

180519(8)8.jpg
 と、
 テメーの現時点でのスキルを最大限誇示しつつ、
 人に見せて愉しんでもらいたいフライは盛り盛りで巻いたりもするけど、

 実戦用の釣りにつかうグリーン・ハイランダーは、
 もうウイングもハックルもスッカスカのパラッパラ。
 ウイングはフリーファイバーで各種ファイバーをバラけさせて、
 かつ膨らませて巻き止めてあるけど、
 濡れると糸のようになってスイングさせるとファイバーが振動する。
 そしてボディはがっつり補強しまくり。

 このグリーン・ハイランダーを長めのリーダーに結んでフローティングラインで軽快にスイングさせる季節まで、
 北の果ての当地ではまだもうすこしかかりそう。

 それにしてもここんとこ毎日天気悪くてウンザリ。

 スカッと青空がつづいて、
 はやく川の水量が安定してほしいナ。

 って、
 いつからかこの時期、
 毎年おなじこと言ってる気がするんですけど。

 ご自愛くださいませ。
 
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