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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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エネルギッシュ婚姻色は「性」の目覚め
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 いぶし銀のウグイ。
 いつものウグイ。
 キミはウグイ。
 どうしてもウグイ。

 いかにもな素晴らしい渓相に惹かれてはいったはじめての川。
 「ここはいるでしょ~!」
 などとおおいに盛り上がって期待して、
 いかにもなポイントをワクワクで釣りはじめてみれば、
 そこはウグイの魔境だった。

 すこし下流で釣っていた吉田さんがあがってきたので、
 「ここ、ウグイすごいっすね」
 と気が抜けたかんじで言うと、
 「いや~、ウグイに罪はないけれど、萎えますね~」
 と脱力した口調で言った。

 けして憎んでるわけやないけれど……、

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 6月のはじめ、
 うららかな陽の光のした、
 くるぶしくらいの深さしかない砂利で埋まったチャラ瀬に、
 数百数千数万のウグイが集結して、
 さかんに水飛沫をあげながら、
 いまを盛りに産卵していた。

 「ウグイの瀬づき」

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 どぎつい橙色の婚姻色がクッキリ浮き出たウグイ。

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 頭から背中にかけて、
 白いボツボツがびっしり鳥肌のようにひろがっている。

 発情の証し。

 イカ臭い思春期真っ盛りの子供のころ、
 ウグイやオイカワの婚姻色を指して、
 「もし人間にも婚姻色があったらどないする?」
 という、
 子供らしい素朴な議題で、
 アホの子たちみんなでよってたかって真剣に議論した。

 「かんがえてみ?ちょっとでもエロい気分になったら、
 身体にオレンジ色の線がうきあがって、顔中にブワ~ッてボツボツがでてくるんやで」

 「プールとか行ってエッチ気分になって婚姻色でてしもたら、
 うっわ、アイツこんなとこで婚姻色だしてるやんけ、とかヒソヒソされるんやで」

 それはとても困る、
 と、
 アホの子たちはみんなおもったものだった。

 
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 時は流れて、
 大人になってかんがえてみれば、
 もし人間に婚姻色があったら、
 陰口どころか、
 人間社会のありようは、
 なにもかもすべて根底からちがっているだろうな、
 といろいろ想像してしまう。

 ていうか、
 大人になってもそんなことばっか夢想している。

 嗚呼婚姻色。

 婚姻色といえば、
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 7月にはいってすぐのこと。

 この場所はエサを探しているビッグが定位する超A級必殺トップシークレット・ゴージャス・ミラクル絶好ポイント。
 なので、
 ここを釣るときはものすごい気合いがはいる。

 この日、
 このポイントに行ってみると、
 胸くらいの水深の川底の岩盤の切れ目のところに、
 真っ赤なビニールのようなゴミが引っ掛かっているのが、
 波間を通してチラチラ見え隠れ。

 「無粋だな~、あとで回収でけへんやろか」
 などとおもいながら、
 ぶ厚く重い流れの底にヘビーなニンフをドスンと沈めて流しはじめて数投目。

 水中に突き刺さって流れているラインを通してグッと感じる微かな生命感。
 バシッとあわせたつぎの瞬間、
 さっきからず~っと川底で微動だにせずユラユラしていた真っ赤なビニールが、
 いきなりスイッチははいって電流が流れたみたいに暴力的にガガガガガーッと上流に突っ走って、
 そこでダッパーンッドッバーンッと真っ赤な魚体をくねらせながら飛び上がって、
 ドッボーンッと水飛沫けちらして水面をたたきながら力まかせに落下した。
 そしてこんどは下流にギイイーーーーーンと激走した。

 なんだなんだと一瞬パニくったけど、
 あまりに強引で金属的かつ直線的な走りに、
 きっと遡上魚的な何者かの魚体の背中らへんにフライがスレて引っ掛かってしもたんやな…とおもった。

 正体が見たいけど、
 この激しい荒瀬の川底で有無を言わせない重量級の走りっぷり。
 
 じきに外れるか、
 もう永遠にあがってこない感じかも……、

 ところがいつまで経っても外れないし、
 しばらくの攻防戦で、
 なんとなくサカナの動きがコントロールできてきてるかんじで……、

 意を決して、
 ダーッと下流の澱んだところまで走っていって、
 おそるおそるそこに誘導して、
 グワングワン魚体をくねらせる正体不明を至近からチラッとみてみれば、
 なんとフライがちゃんと口に掛ってるっていうか、
 フライがっぽり飲み込まれてんじゃん。

 こ~れはイケルかも!

 ぜひとも正体が見たい!





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 ヒイヒイハアハアでようやく無事に謎の遡上魚的な何者かをめしとって眺めてみれば……、

 頭のてっぺんからクエスチョンマークがスーパーハッチ。

 これって……ソッカイ・サーモン?……紅鮭??????
 なんでこんなところに?? 
 どういうわけ???
 え?
 どういうこと?????

 ここ、
 海からかるく数十キロは上流なんだけど??????
 今年はまだサクラマスもここまでのぼって来てないんですけど???

 っていうか、
 ソッカイサーモンて、
 そもそも日本の川に遡上するの??????

 聞いたことないけど……、

 ていうかこのばあい、
 このサカナは法律的にどういう扱いなん?
 アキアジやカラフトやサクラマス的待遇なん?

 なんかボク、
 いけないことしちゃった?

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 だれか詳しい方おられたら教えてほしいです。

 たくさんのハテナを残したまま、
 孤独な遡上魚はたちまち回復して態勢を立て直すと、
 なんとも力強く荒瀬のなかに消えていった。

 蛍光色のような真っ赤な婚姻色の魚体と、
 抹茶にミルクを混ぜたような暖色オリーヴなアタマの色のコントラストが、
 鮮烈な鮮やかさで美しいなとおもった。

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 そしてなにより不思議なのは、
 このサカナがコレをがっぽり飲み込んだこと。
 
 ロングシャンク4番に巻いた超ヘビー・特大ウエイテッドニンフ。

 川底に定位した魚体をまったくうごかすことなく、
 ニジマスの大物がいつもやるような「居食い」で、
 上流から流しこまれたこのニンフを静かにフッと吸い込んだのだった。



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 このようなヘビーウエイトなニンフを轟々流れる荒瀬の底にうまく誘導して、
 まんまと喰わせて、
 あの微妙で微かなアタリをバシッとドスンッ!と掛けたときの電撃の「してやったり感」はたまらないものがある。
 
 そして、
 こんなフライが必殺キラー・パターンになることも多々ある当地の釣り場。
 しかもそこは人跡稀な秘境でもなんでもなく、
 人の生活の隣を流れている川。
 それって、
 あるいみ世界でも稀有で特殊な環境とちゃうのかと、
 誇らしくおもっている。


  
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