FC2ブログ
BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
201812<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201902
五勝手屋羊羹 from 函館
180919(1)1.jpg
 まだ雪代水がガンガン流れていた春のころ、
 ヘビーウエイトなニンフの釣り中心だった季節に、
 あくまでも手駒のひとつとして、
 ヒジョーに気楽に「お戯れ」に巻いたフライのひとつ。

 が、
 フト思い返してみれば、
 本流でも渓流でもダム湖でも湖でも、
 今年の春から現在までに釣りあげた、
 大物と呼べるニジマスのおそらく半数以上は、
 このフライで釣りあげることになった。

 ぶっちぎりなのでございました。

180919(2)2.jpg

 もちろんヤングなチャイルドもズコバコいじめたった。

 そんなわけで、
 このフライの目的であった
 「沈没して水面下を流下するビートルを模したナニソレ」という当初のスタート地点からも遠く離れて、
 現在では、
 なにを模したというわけでもないけれど、
 サイズやウエイトやバランスなどをマッチさせれば、
 当地オホーツク地方の各釣り場で季節や条件環境問わず、
 たいていどこでも良く釣れる、
 ときにメチャ効きの水面下ファジー系アトラクター・フライとして急成長急発展したのだった。

180919(10)10.jpg
 ちなみにコチラは、
 初夏のころからダム湖や湖でつかっているヴァリエイションのひとつ。

 もともとコガネムシの類を表現していたはずのフライが、
 ところ変われば湖底を蠢くヒルや水生昆虫やカジカ的イメージに変身するとはコレいかに?

 これをさあ、
 湖流を読んで湖底の変化を把握しながら、
 ポチャッと水面に落としてフワ~ッと狙ったピンポイント目指して沈めていくわけ。
 沈むフライに引っ張られるカタチで、
 水面に張り付いているリーダーがジワジワッと沈んでいく。
 んで、
 読みとイメージが的中す・る・と・・・・・、
 水面をジワジワしていたリーダーがいきなり「ツーンッ」と鋭く引きずり込まれて・・・・・・・、
 このアタリをビシッとあわせてドンッ!とくるの…もう最高に快感。

 が、
 ヒジョーに悩ましい問題がひとつあって、
 ジーロン系のヤーン素材をつかったフワトロ・ボディなソフト質感は、
 あまりに口当たりが良すぎるのかツルッと飲み込めちゃうのか、
 とかくフライが口中奥深くに飲み込まれてしまいがち。

 リーダーでアタリをとるスタイルならまだマシだけど、
 インジケをつけたルースニング的アプローチだと、
 かなり頻繁にガッポリやられちゃう。
 なのでときどき後味がとても悪いこともある。

 それにくわえて、
 いろんなヴァリエイションをせっせと作って、
 いろんな釣り場でさまざまなアプローチでつかっているとはいえ、
 このフライにばかり頼っているとマンネリ感も漂ってきて……、

 そんなこんなで、
 このフライはここ最近ちょっと封印気味。

 だったのだが……、

180919(3)3.jpg

 おそらく、
 数日まえにこの場所を歩いたのであろう、
 足跡の大きさから察するにまだ若いヒグマの足跡の横を通り過ぎて、
 上流へと歩くいつもの函館の吉田さん。

 話しはガラッと変わるけど、
 オレ、
 さいきん常々ひそかに思ってたんスよ。

 ウェーダーとウェーディングシューズの「早脱ぎ早着替え世界選手権チャンピオンシップ」ぜったい出場したいなって。
 オレ、
 誰にも負けねえぞと、
 「世界のてっぺん、獲ったるデ!」なんて、
 内心めっちゃ自負してたんスよ。

 でもスイマセン調子こいてました。

 函館にいたころ、
 吉田さんとはあんなにあちこち釣りにご一緒させてもろたというのに、
 コチラに越してきてから一緒に行くのひさしぶりだったもんで、
 このお方の超早技、
 すっかり忘れてました。
 
 釣り場に到着して、
 クルマを降りたとおもうと、
 アレと気がついたときには、
 もはやすでにお着替え身支度完了の吉田さん。
 悠々と釣りざおのガイドにラインを通して、
 さっさとティペットにフライを結んでおられます。

 しかも、
 バタバタ急いでいる様子なんか微塵もなし。
 むしろのんびり。
 
 このヒトにはかなわねえ……。

 常日頃、
 どんな世界でも、
 どんな分野でも「上には上が必ずいる」
 そう確信していたつもりなのに……。

 井戸の中のカエルと厚顔無恥を晒すほどイタイタしいものはないって、
 いつもつくづくおもっていたのに、
 調子こいて思いあがっていた自分がトテモハズカシイ。

180919(4)4.jpg

 ちょっと来ないあいだに、
 川はすっかり初秋の様相。

 森のたたずまいも、
 川の流れも、
 夏から秋へと移り変わろうとしていた。

 川面には、
 水面にも水中にも落ち葉が絶え間なく延々と流れており、
 それが浅瀬に堆積しつつあった。

 「このポイント、見た目はショボイけど、ヒラキのところにいつもやる気満々のおっきいのが定位してます。
 ソ~ッと近寄って、あそこらへんにバーンと大胆にフライ投げ込んで果敢に流してみてください」

 「わかりました。フライはコレでもいいですか?」
 と、
 シマシマ模様なラバーレッグ搭載のタランチュラ的パラシュート8番くらいのを差し出された笹尾さん。

 「バッチリです!ここのサカナ、ラバーレッグ大好きですから。それ、ぜったいイケます!」
 自信を持って太鼓判を押した。

 ものすごい期待して、
 三人して固唾をのんで水面を流れるフライを凝視。

 その殺気が伝わってしまったのか、
 何度も狙ってみたけれど、
 水面を流れる枯れ葉のあいだを漂い流れたフライには、
 残念ながら反応はなかった。

 そんなわけで、
 このピンスポットをあきらめて、
 上流に向かおうとしたのだけれど、
 いちおう念のために……、

 まったくおなじポイントに、
 しばらく封印していた例のフライをジワ~ッと沈めてフワ~ッと流し込んでみた。

 すると、
 水中に沈んで流れていたリーダーが「ブルンッ」と震えて……、


180919(6)6.jpg

 まるで翼のような胸鰭をめいっぱいひろげてカンカンに怒っている美人さん。

180919(5)5.jpg

 すべてのヒレがスラリと伸びてシュッとした凛々しいモデル体型。
 この川のニジマスの特徴でもあるゴマ模様をビッシリ全身に散らしてお肌ツヤツヤ傷ひとつなし。

 釣りあげられちゃってプリプリ怒っているところ申し訳ないけれど、
 ほんのちょいの間辛抱してもらって、
 落ち葉のベッドに横たわっていただいてポーズ決めてもらって、
 我が最愛のキュートで小悪魔な6フィート3インチ4番の竹竿とともにツーショット萌え写。

 大満足なイッピキとなった。

180919(7)7.jpg

 良き友ありて
 遠方より来たる。


 函館に住んでいたころ、
 筆舌に尽くしがたいほどにお世話になった。
 仲良くしていただいている友人でもあり、
 じぶんにとっては人生の大先輩でもあり、
 そのくせ腹を割って素顔で付き合っていただいている悪友、
 でもあるお二人が、
 連れだって遠路はるばる我が家に遊びに来てくださり、
 この連休を三人でめいっぱい愉しんだ。

 睡眠不足のまま一日中釣り巡ってもうヘロヘロ。

 なんだけど、

 積もる話しと愉しい話題が汲めど尽きない泉のごとく湧いてきた。
 そして川の流れのように、
 あとからあとから言葉が流れ流れて終始ペチャクチャおしゃべりは止まらず、
 軽やかな瀬音のように気持ちが弾んだ。
 そしてなにより、
 小春日和の日の陽だまりのように心がポカポカしていた。

180919(8)8.jpg

 フライフイッシングがとりもってくれた大切なご縁。
 
 年齢も、
 環境も、
 社会的立場も、
 なんなら考え方も、
 なにもかもがちがう。

 なにもかもがちがうのに、
 どうしてこんなにも近しい気持ちなんだろう?

 「類は友を呼ぶ」っていうのは、
 つくづく真理だと自分はおもう。

180919(9)9.jpg

 なんでも、
 吉田さんが小学生だったころにも、
 道内で記録的な大地震があったのだそうだ。

 そしてその地震がおきたとき、
 おりしも学校で授業中だったのだそうだ。

 「あのとき、先生がイの一番にスッとんで逃げちゃったんだよなあ、生徒全員そのままにして……」
 と吉田さんが言った。

 「そうですかあ、それじゃあ吉田少年はそのとき、大人の身勝手や社会の不条理を学んだんですね?」

 「そういうことだね……」

 釣りを終えて公衆浴場にむかう道すがら、
 そんな話しをした。

 風呂上がりのソフトクリームが、
 たまらなくおいしかった。

 
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.