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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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ヒメヒラタ郷愁初秋
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 16番バター色のフローティングイマージャーにて。

 この釣り場のアベレージサイズのニジマス。

 全身筋肉の塊りは、
 秋を迎えてさらにパワーアップ。
 掛けるやいなや、
 跳んで跳んで跳んで跳びまくり、
 そして走る走る走る走るどこまでも。

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 現在たったいまのフライパッチの中身と、
 我がタイイング机の様子。

 当地オホーツク産のCDCと、
 黄褐色や淡い黄色のレーヨン製極細の私家ダビング材、
 同系色のジーロン繊維、
 ダン色やスペックルドバジャー系のコックネック・ハックルなどが散乱している。

 そして、
 ここ数日つかっているフライが並んだパッチには、
 それらの素材をつかって巻いた16番前後のフライばかりが並んでいる。

 ほんのつい一週間まえまでは、
 サイズ6番や8番に巻いたテレストリアルや、
 12番前後の翅アリ、
 あるいはウエイテッドニンフ、
 さらにはファジーなウエットフライなどなどが、
 パッチのなかで乱雑にひしめきあって並んでおり、
 それらをとっかえひっかえ使っていた。

 この、
 いきなりの変わりようはなんなのだ?

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 その原因はこのカゲロウ。

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 ほんのわずか、
 陽の光が当たる角度を変えただけで、
 ウイングの質感がガラリと変化して見えるのが、
 いつも不思議で不思議でしかたがない。
 そしてそんな不思議は、
 光の透過や屈折をフライに取り入れるうえでの、
 またとないイマジネーションの源になる。

 という戯言はさておき、
 この釣り場で初めてこのカゲロウを見たとき、
 おもわず胸がドキリと高鳴った。

 コレ…ヒメヒラタカゲロウちゃうん?

 厳密にいえば、
 ソレにちかい近似種なのかもしれない。

 だが、
 このカゲロウが羽化しているときのサカナの反応、
 サカナに喰われているステージ、
 そして「効くフライ」などなど
 そのほか、
 言葉にしにくい釣りの呼吸や感覚的なところが、
 ヒメヒラタの羽化の釣りとそっくりそのまままったく同じ、
 というところこそが肝心。

 かつて、
 17年前から11年前まで富士山の麓の湧水地帯にすんでいたころ、
 このカゲロウの羽化と流下に反応している尺アマゴの釣りにドップリ首まで浸っていた。
 浸りすぎて、
 生活が破綻しかけたのは甘酸っぱく良い思い出だ。

 あのころ、
 水辺で流した悔し涙はもはや数知れず。
 反面、
 苦労が報われたと歓喜にむせび泣いた嬉し涙はほんの数えるほど。

 厳しい釣りだった。

 銀の延べ棒のような本流尺アマゴたちに、
 徹底的に完膚なきまでに打ちのめされ、
 そしてとことん鍛えてもらった。

 このカゲロウの釣りは、
 じぶんのフライフイッシング生活にとって、
 大げさにいえば象徴的な存在のひとつ。

 あのころ、
 いつも連れだってこの釣りに没頭していたヒデオやリョーノスケに、
 「ビゼンさんのせいでこの川のサカナ、す~ぐスレちゃうんだもんな~」
 シーズンがはじまるたびに嫌味を言われていた。

 先週、
 「この釣り場のニジマスももうすっかりスレッスレですね」
 と近所のコムロさんにいうと、
 「な~にいってんの、それってビゼンさんのせいだよ」
 と言われた。

 そんなところまで同じだ。

 懐かしの麗しの富士山麓時代の近所の釣り場から、
 はるか遠く遠く離れた現在のオホーツク地方の近所の釣り場にて、
 またもこのカゲロウに釣り心かきむしられるとは夢にも思わなかった。

 「縁」があるんだねえ。

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 サーフェイス・フィルムの息詰まる攻防戦。

 「ダニーマ・デビーマ」17番の逆襲。
 十数年ぶりにこのシンプル・ハッチマッチャー・パターンとマジ真剣に向き合っている。

 濡れたボディに張り付いてしまって目立たないけれど、
 富士山麓のあのころ最後の手段だったフィルム・ウイングももちろん搭載。
 水面下にボディがはいると、
 脆弱そのものの短いウイングがフワ~ッとスペント状にひらくのだイヤラシイのだ。

 このフライがあのころとちがうのは、
 現在つかっているCDCがオホーツク産のカモから採った現地もの、
 というだけ。
 ご近所のキムラさんに超スペシャル・サンクス。

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 そして、
 富士山麓の時代に捏造した私家版CDCダンのヴァリエイション「ダン・デ・ライオン」16番、
 ジーロンとモルフォファイバーの特製ミックス・シャックのスパークルダン仕様にて大復活…現在大活躍。

 どうも、
 当地の海千山千のスレッスレ・ニジマスたちは、
 ちじれたジーロン素材の屈折しまくる独特のキラメキと透過光に、
 どうかした瞬間コロッとその気になってしまうようだ。

 これはちょっとした発見だった。

 このへんのところ、
 もっともっと密に時間をかけて実践をかさねて、
 さらなる検証の必要がありそうだ。

 と、
 ワタシの生活はまたも破綻にむかってひた走るのだった。

 ホンマ、
 罪な虫やでヒメヒラタ~。

 あ、
 富士山麓の時代と今とでは決定的にちがうことがひとつあった。
 あのころは、
 もうとにかく寝ても覚めても尺アマゴ釣りと~て釣りと~て狂おしかった。

 しかしいまは、
 寝ても覚めても……、

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 このイケメン、
 きのうの夕方釣りたてホヤホヤですねん。

 時系列や季節感なぞまるで無視、
 じぶんの気の向くまま、
 そのとき書きたいことを垂れ流す……、
 のがモットーの当ブログにおいて、
 この速報っぷりは異例です。

 立てつづけに二度三度カポッカポッとライズして、
 そのあとしばらく水面はシーンとなって、
 またとつぜん立てつづけにカポカポッとなって、
 またしばらくシーンと静まる……。

 このライズ・サイクルって、
 サカナがヒメヒラタの流下に反応しているときの特徴なのか?

 サカナかわれどライズの様子はまったくおなじ。
 まるで尺アマゴに翻弄され続けたあのころにタイムスリップしてしまったかのようだ。

 ひたすら深~く自分と向き合い問答しながらライズと対峙する極上の瞑想タイム。

 何度も何度もフライを流すタイミングをはかって、
 ピタッとハマった瞬間、
 「カプンッ」 なんつって……。

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 5Xのフロロのティペットに結んだ16番の「ダン・デ・ライオン」を口許にちょこんとブッ刺して、
 まずはダッバンドッバン跳ねまわり、
 そして激走また激走。

 毎回毎回、
 我がリール鳴り響くたびに興奮のルツボ。
 髪の毛が逆立ちそう。

 ああ、
 エエなあ。

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 ちなみに、
 このイケメンはこのバンク際でライズしていた。

 画面中央に、
 灰色と白の水鳥らしき物体が浮いているけれど、
 これはアタマを水面下にもぐらせてヒメヒラタを貪り食っている最中のカワアイサというカモの仲間。

 このニジマスは、
 まさにコイツが浮いているところでライズしていた。

 このカワアイサ、
 まだ晩春のころ、
 お母さんの後ろをチョコチョコ泳ぎで必死に追いすがっていた雛のころからヨ~ク知ってる。
 付き合いは長い。

 ……すっかりおおきく立派になっちゃって……と感慨にふける関係。

 そしてくしくも、
 ヒメヒラタの集中羽化とライズを発見させてもらったのは、
 コイツのおかげでもある。
 めっちゃお世話になったんですわ。
 感謝しとるんですわ。

 なので、
 息をつめて集中に集中をかさねて、
 シビアなライズを狙っている、
 まさにその渦中に、
 しかもよりにもよってライズ地点の真上で、
 毎回毎回このように間抜け面でのんびりウロチョロされても……、

 なんかねえ、
 心境的に文句言えんのです。

 困ったもんです。

 といいつつ、
 じつはぜんぜん困ってないねんけど……ホンマかわいいてしゃあないねんけど。

 さ、
 それでは本日もこれから、
 題して「ヒメヒラタとニジマスとカワアイサとワタシ」な至宝の時間を過ごしてまいります。

 ごめんなさい、
 釣りばっかしていて……、
 いましばらく……、

 かしこ

 
 
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