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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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Fall Season 2
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 天高く
  釣りゴコロあせる秋

 秋深し
  マスの荒食い期待する


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 陽のあたる角度によっては鈍い赤紫色にかがやく、
 赤いエナメル線で巻いたフェザント・テイル。

 ショートシャンク・ワイドゲイプ12番のドライフックに巻いているので、
 通常のフックシャンクに見当するとだいたい14番くらい。

 ほとんど目立たないけれど、
 ワイヤーの滑り止めとして下巻きにつかった6Xティペットくらいの太さのモノスレッドを、
 タグとしてテイルのしたにチョロッと覗かせている。
 この部分の、
 控えめで自然な印象のナイロンの反射で、
 ユスリカやコカゲロウなどなにがしかの羽化寸前イマージャーっぽい空気膜的キラメキ効果を期待して……。

 ワイヤー自体はあまりたくさん巻き込まず、
 ソラックス部分をかるく盛りあげるくらいにとどめた。
 フェザントテイルのファイバーを5本、
 ボディとソラックスそしてウイングケースにしっかり巻き込んで、
 ワイヤーはそれを軽く巻き止めただけ。
 かなり軽めの重量に仕上げた。

 これを止水のバンク際ギリギリに投げ込みたい。
 のだが、
 インジケーターの類はつかわないし、
 またドライフライとちがって着水した位置が視認できない。

 なので、
 フライが水面に着水したときにたてる小さな波紋をたよりにして、
 フライのだいたいの位置の目安にする。

 ほんとうはコレよりもワンサイズちいさいのをつかいたいけれど、
 あえて大きめのフックに巻いたヤツをつかうのはこのため。

 で、
 この軽めフェザントテイルを5Xのティペットに結んだ。
 そして、
 フライが沈むときに糸の抵抗もかなりかかるようにして、
 なるべくゆっくりフワ~ッと沈めて、
 水面下50センチくらいまでの表層を重点的に探りたい思惑。

 強風ではないけれど、
 常に風が吹いていて水面は波立っている。
 そのうえで、
 狙う距離もけっこう離れている。

 アタリをとるために水面に浮かせているリーダーは、
 波にまぎれ、
 かつ逆光なので、
 あるていど投げるとほぼ見えない。

 その状況で、
 岸際にフライを投げ込んでフライを沈めて、
 ひと呼吸おいてアタリを感じなければゆっくり竿を立てる。
 ここでもアタリがなければ即ピックアップして別のスポットに打ち込む。

 アタリがくるのはたいていフライが沈んでいる最中、
 そのつぎに確率が高いのは、
 まるで様子をうかがうように竿を立てながら沈んだフライをソ~ッと浮かび上がらせた瞬間。

 なので、
 手返しもよく釣りのテンポはけっこう早い。

 フライを水面にかるく叩きつけるように投げ込んで、
 わざと強めに着水させる。
 狙いをつけた湖岸ギリギリの岩のキワでチャポッとちいさな着水波紋。
 「お、いいとこ落ちた」
 と悦に入って、
 しずかにゆっくりフライが沈んでいって数秒後……、

 水面に浮いているリーダーはぜんぜん見えない。
 湖流にのってゆっくり流されるラインもまったくうごいていない。
 どういうふうにアタリを察知したのか自分でもまったくわからない。

 でも、
 ある瞬間とつぜん 「あ、来たかも……」 ビビッと第六感にきた。
 そして、
 かるく竿を立てラインを張って様子をうかがうような……、
 すると!
 かすかだけど微妙な生命の重量感をたしかにかんじた。

 よっしゃ!!

 グイッと力強く竿を立てるとズンッときて、
 グイグイグイッと水中で激しくイヤイヤしながら首をふる感触。

 「やったー!」

 この釣りで、
 みごとにアタリをとったこの瞬間、
 サカナのサイズを問わず背筋がゾクゾクッとする。

 カイカンの突き抜け方が他の釣りとはちょっとちがう。
 声に出さずにいられない。

 そして、
 サカナの大中小はまったく問わない姿勢だけど、
 この釣りだと、
 なぜだか選んだように良いサカナが掛かる。
 
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 厳つい顔つきをしたオス。
 外海の回遊魚をおもわせるギランギランに輝く肌のオスはとても珍しい。
 パンッパンにはりつめた逞しい筋肉質な魚体がなんともいえず眩しい。

 ホッペゆるゆる。
 にやけるわあ……。

 こんなのが湖岸の岩や倒木のしたをひっそりと巡回しながら、
 密かに静かに隠れるようにちいさな昆虫たちをついばんでいる。

 そのくせ、 
 ハリに掛ったつぎの瞬間、
 まったく躊躇することなく、
 ためらいも感じさせず、
 ただの一度も止まらずバッキングまで一気に走って、
 それでもなお止まらず……。

 ンギャギャギャギャーーーーと悲鳴というより雄たけびをあげるリールの逆転音が、
 静かな湖面に響き渡る。

 ボク昇天。

 プレゼンテーションも絶妙にうまくいった。
 なによりアタリを察知した瞬間のあの言葉にできない不思議な感覚も堪能した。
 そしてこのサカナ。

 有終の美を飾るにふさわしい、
 素晴らしいイケメン強面ニジマスだった。

 5Xのティペットだし、
 フックは12番だし、
 大丈夫かなとおもって、
 立ち込んだままティペットを手に持って水中のサカナを手早くパシャッと一枚撮らせてもらって、
 …もう一枚おねがいもうチョイ我慢してね…
 と再度カメラを構えたら、
 「おまえなあ、調子こくのもええかげんにせえよ」
 とばかりに、
 オトコマエがブンッと首をひと振り。
 口許にチョンと掛ったフライをかる~く弾き飛ばすと、
 力強く深みに走り去っていかれました。

 あれだけエンドレスで激走突進しておいて、
 ぜんっぜんお疲れのそぶりもなく……。

 まことにたのもしい後ろ姿ホレボレうっとり。

 ああんもう…ダカレテモイイカモ……。

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 転じてこのフェザント・テイルは16番のヘビーワイヤ・ノーマルシャンクに巻いた。

 先のライトウエイト・フェザントテイルとは逆に、
 銅色のコッパーワイヤをグルグル巻けるだけ巻きまくり。
 ソラックスをグッと盛り上げ膨らませ、
 ボディもフェザントテイルのファイバーは三本シャンクのうえに添えただけで、
 あとはワイヤーのみでグリグリ三重巻き。

 サイズはちいさいけれど、
 かなりの重量級。

 チャポッと着水してストーーンと沈んでいく。

 これを、
 こんどは6Xのティペットに結んで水の抵抗を軽減させ、
 ちいさなニンフをなるべくスムーズに手早く水中深く沈めようという算段。

 つまり、
 この釣りのばあい、
 ティペットの太さは狙うサカナの都合よりも、
 むしろティペットにかかる微妙な水圧や抵抗によってチョイスしている傾向。
 コレすごく大事。

 そして、
 このリトル・ヘビーなフェザントテイルを、
 急深の切り立った崖のようになっている湖岸のバンク際に投げて、
 時間をかけてどっぷり沈める。

 で、
 完全に沈みきったら、
 ゆっくりゆっくり…、
 スローにスローに…、
 デレデレデレデレ一本調子でストレートに、
 ジワ~ッと竿を立てながらフライを浮上させつつ様子をうかがうと……、

 ヌーン…というかんじで、
 水中深くでなにかがフライに触れたような感触……、
 でもそれは障害物に引っ掛かったとか、
 湖底に沈んだ落ち葉を引っ掛けたとか、
 そういうのとは似てるけどぜんぜんちがう、
 たしかに伝わる生命感。

 そのまま竿をギューッと横にあおりながら、
 片手に持ったラインにもグーッとテンションをくわえてアワセる。
 バシッと竿を立てるのではなく、
 竿のバットに荷重をかけるかんじ。

 す・る・と・
 湖底でグングングングン首振ってますがなヤッタゼかいかん。

 フライをうごかしているとき、
 手元にグググと直接かんじたり、
 ラインがビュッと走るアタリはわかりやすいけどバレ多発。

 が、
 このような微妙なアタリを掛けると、
 けっこうガッチリいってることが多い。

 ので、
 6Xといえどもすこし余裕をもってやりとりできる。

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 グッネグネ魚体をよじらせながら水面に浮上してきた。

 おもったとおり、
 小さなニンフでもバレようがないところにガッチリ掛ってる。

 ので、
 グネグネを心ゆくまで堪能させていただいた。

 会心のイッパツふたたび。

 この二匹のサカナのおかげで、
 本日はこれ以上ないほど濃い時間を過ごすことができた。

 バンク際のちいさな変化を観察して、
 自分なりに判断して、
 目に見えない水中の様子を想像しながらズッポリ没頭して。
 手を変え品を変え自問自答しながらじっくり探って狙って釣って。

 そして良いサカナ。

 ゴージャスな釣りの一日。

 いつもたくさん釣りたいし、
 おおきいのだって釣りたい。

 なんだけど、
 どうせ釣るなら、
 釣る愉しみをもっと濃いものにしたい。
 釣れた感動をもっと味わい深いものにしたい。
 あえて、
 イッピキの釣果をずっと忘れない方法と道具でこそ釣りたい。

 そのように望むなら、
 この釣りは最高に面白くて奥が深い。
 シンプルだからだ。

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 満たされました抜けました。

 とかなんとか、
 なんかこのごろ「オレさまハッピー釣りトーク」ばっかしてるけど、
 
 涙チョチョ切れの痛恨失敗談やアホバカ笑い話しは、
 成功談のかるく数十倍ほどあるねんで。
 そういうの、
 もはや枚挙にいとまがないほど、
 いっくらでもあるねんけど……そういうのも……おいおい聞いてくれはる?


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 オマケの必殺フライもういっちょ。

 紅葉に映えるブラッシー。
 真っ赤なルージュのワイヤーにムッチャ釣りたい欲が見え隠れ。

 が、
 こう見えてフェザントテイルとともに、
 繊細な湖岸バンク際の落とし込みニンフィングの必須フライのひとつ。

 なんだけど、
 初夏のころから晩夏にかけて、
 まさに破竹の勢いだった真っ赤ブラッシー。

 ところが、
 本格的な秋シーズンを迎えてから、
 釣れなくもないけどあまりパッとしなくなったのは何故なのか?

 その真相究明にも、
 「効くニンフ・フライ」を探るヒントが隠されていそうだ。

 シンプルなものほど奥が深い。

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