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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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レッドタグ
 当地オホーツク地方の4月からゴールデンウィークころにかけて、 
 冬のあいだふりつもっていた雪がすこしづつ溶けて、
 ようやく春の兆しが……、
 という今シーズンのはじめ。

 所用を兼ねて、
 まるで里帰りのような気分ででかけた函館にて、
 いつもの吉田さんといっしょに、
 道南の小渓流でニンフをつかってイワナを釣ったりした。
 はたまた、
 我が家のご近所の木村さんと連れだって、
 カンジキを履いてまだ雪に埋もれた釣り場に偵察に出かけたりもした。

 そうやって、
 早春のころも、
 ちょこちょこたま~に釣りには出かけていた。

 けれど、
 それはどちらかというと「サカナが釣りたくて」というよりは、
 たまにはお外に出かけて気分転換、
 気心の知れた友人と「ペチャクチャしゃべりたくて」というかんじ。

 そうこうするうちに春になって、
 近所の川が雪代水で溢れる直前、
 シーズン最初のチャンスとなる季節の到来。
 にもかかわらず、
 さして釣り気分はうずくこともなく、
 ず~っと家にこもって、
 ひたすらフルドレス・サーモンフライの製作に没頭していた。

 おかげで、
 何日もかけてようやく一本完成、
 というようなエグイのがズラッと机のうえに並んで壮観。
 満足だった。
 そのうちの何本かは、
 額装してオーダーをくださった方の元にお嫁入りした。
 どんなにかありがたかった。
 ますます創作意欲が高まり、
 製作にもさらに熱がこもった。
 
 今年は釣りよりも、
 いっそ修行のような気分でコッチに集中しよう、
 という気分だった。

 この時点までは……、

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 もはや春というより晩春のころ、
 ことしの5月終わりの週に釣りあげた、
 じぶんの釣り気分的に今シーズンの初物。

 ネットのフレームでザクッと計って50センチにすこし足りないニジマス。
 まだまだ痩せているサカナが目立つこの季節にしては珍しく、
 すでにもうはち切れんばかりに丸々太ったムチムチプリンの豊満なメス。

 すこぶるベッピンさん。
 
 文句なしにモロ好み。
 すごくタイプ。

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 こんな浅場にいた。
 いつもならバシャバシャ水飛沫を蹴散らして素通りしてしまうようなチャラ瀬。

 川通しに下流からここまで釣り歩いてきて、
 なんとな~く気配を感じたので、
 枯れ草のバンク際を注視しながらソ~ッと静かに歩いていたら、
 ほんとにいたので逆にビックリした。

 岸際のエグレにぴったり寄り添って川底に定位していた。
 そして、
 ひんぱんにスッとうごいては流れに出てくると、
 水中を流下するなにかをしきりと食っていた。

 澄んだ水を通して、
 その様子が一目瞭然。

 ちょっと近寄りすぎたかもとおもったけれど、
 サカナは食事に夢中で、
 ワタシの存在には全く気付いていないようだ。

 まだそれほど釣り人の往来は頻繁ではないだろうこの季節、
 しかも誰もが無視するようなこんな浅場、
 さらにしかも、
 サカナはなんだかものすごくやる気満々高活性。

 きっと彼女はまだ、
 とってもウブな世間知らず。

 ティペットが太かろうとドラッグがかかろうと、
 適当なフライを目のまえに流し込めば疑うことなくパクッと……ウッシッシ。

 大橋 巨泉もドン引きするんとちゃうかとおもわれる、
 オッサン助平根性丸出しで、
 下品にニッタアとほくそ笑みつつ、
 はやる気持ちをおさえて、
 「これからこのフライであのサカナを釣りますよ~」的な記念撮影までしちゃって。

 余裕ぶっこいちゃった。

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 さっきからずっと使い続けていて、
 イイかんじに水を吸って水馴染みの良くなったレッドタグの8番。
 
 ファーネスのヘンハックルをパーマハックル状にボディに巻いた、
 マイブーム的にお気に入りのやつ。

 しとどに濡れそぼっているのに、
 ピーコックハールのボディが萎んでペタンコになっていないところにご注目いただきたい。

 このフライでこそ釣りたい。
 っていうか、
 このフライで釣るのにピッタリのエモノじゃん。

 な~んつって、

 ワックワクで、
 それこそ一発で食っちゃうかも、
 などと舐めてかかって楽勝気分でフライを流してみたけれど、

 水面下にちょい沈んだだけのフライは、
 まったく気付かれることもなく、
 水中深くにいるサカナの頭上を空しく通過するばかり。

 その間も、
 サカナは右に左に踊るように軽快にうごいては、
 真っ白な口をひらいてパクッパクッと……。

 ここで、
 フライを簡単に手早く深くストンと沈められる、
 重めのウエイテッドニンフに変えようかとおもったけれど……、

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 やっぱシーズン最初のこのサカナは、
 ぜひともこのフライで釣りたい。

 そこで、
 水中での抵抗をすこしでも減らすために、
 ボディに巻いたハックルをバッサリ刈り込んで、
 さらにフロントハックルのファイバーも間引いてスカスカにした。

 そして、
 定位しているサカナのはるか上流にフライを投げて、
 フライがすこしでも深く沈んでいく時間をかせぐ算段。

 フライを遠くに投げれば投げるほどにコントロールは難しく、
 なかなかおもうようにいかない。
 けれど、
 何投目かのアプローチで、
 フライが流れているであろう地点にむかって、
 サカナがスーッとうごいてきてフワッと鰭をひろげてパフッと口が開いて……、

 ビシッ!とあわせて、
 ドスンッときて、
 クリアな水中でサカナがグネグネッと魚体をよじって、
 ギューンと走って、
 グワーンと竿が曲がって、
 グイグイ手ごたえが伝わって、

 してやったり。

 想いのこもった気に入っているフライで、
 思い描いたようにフライを操作して、
 まんまと食わせた嬉しいイッピキ。

 このイッピキでスコーンッと頭の中が抜けちゃった。

 釣り気分がメラメラよみがえった。

 でも、
 もしこのサカナがいとも簡単にあっけなく釣れてしまっていたり、
 あるいは本意ではないフライで釣っていたりしたら、
 きっとおそらく、
 まだまだず~っとフルドレスサーモンフライ・タイイング気分のまま、
 自宅にこもって過ごしていたことでしょう。

 しかし……、
 
 つかったフライも釣れ方も理想と思惑通りだったけれど、
 それよりもなによりも、
 釣れてくれたニジマスはつくづく罪つくりな美魔女でございました。
 ウブなのはアタイのほうだった。
 ほんの一瞬の逢瀬を交わしただけで、
 ワタシの恋心はアナタの色に染められました。

 ココロに虹がかかってしまいました。
 パァ~~ってかんじで。

 そんなわけで、
 あの晩春のよく晴れた日、
 なにからなにまでパーフェクトに満たされたこの良き日の翌日から、
 ひたすらず~~っと釣り呆けて、
 アレと気がついてみれば半年ほどが経ちました。

 昨夜、
 今シーズンの釣行をナニした釣り日記というか釣りメモをひもといてみますと、
 5月終わりのこの日から10月半ばころまでの正味5カ月たらずのあいだで
 釣りに出かけた日数は、
 朝夕だけのチョイ釣りも含めると、
 かるく90日を越えておりました。

 まさにフライロッドをにぎったキリギリス野郎の面目躍如というところ?

 にもかかわらず、
 「やり抜いたったぜ」達成感からはほど遠く、
 むしろ、
 それじゃあ釣りに行かなかった日はオレはなにをやっていたんだろう?
 というか、
 これだけ出かけても、
 やれることなんかたかがしれてる、
 っていうか、
 ああすりゃよかったこうすりゃよかった、
 アレもやりたかったコレも試したかった、
 アソコに行けばよかったアッチもコッチも行きたかった……、

 釣りに行ったら行っただけ、
 いろいろものすごくやり残した感ひとしお。

 ゆえに来シーズンへの課題山積み。

 そんなわけでたったいま、
 本格的な雪の季節を待たずして、
 もはやすでに釣り気分は来年の春からのシーズンに向いております。
 青鬼も赤鬼も苦笑してはります。

 今シーズン活躍したフライたちの進化形とかヴァリエイションとか、
 来シーズン試したいフライとか、
 はたまた私家版スタンダード2019年ヴァージョンとか、
 とかとかとか、
 巻く手は止まらず、
 夢想と妄想ひろがるタイイング・モードなきょうこのごろ。

 そして、
 冬のあいだあれほどズッポリ浸りきっておきながら、
 釣り気分が全開バリバリになったとたん、
 きれいさっぱり忘れてしまったかのように顧みることもなくなっていたフルドレスサーモンフライのタイイング。

 な・ん・だ・け・ど、
 
 さいきんとみに、
 フルドレス用のレア羽根素材を収納している引き出しとか戸棚とか、
 なんかしょっちゅう開けたり閉めたり整理したりとかしちゃったり、
 ムダな創作意欲がムラムラッときちゃったりとかもしちゃったりして。

 そんな、
 じぶんのタイイング気分の移り変わりをかんじて、
 ああ…また冬がやって来たんだなあ……なんて。

 この冬もまた時間足りねえな~なんつって、
 
 冬の到来もまた、
 いろいろと愉し切ないッス。



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