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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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ビギマム祭に参加してきました。
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 11月16~17日の土日、
 大阪の帝国ホテルでおこなわれたビギマム祭にて。

 初日、
 イベントがはじまってほどなく、
 会場の入り口からすぐのところにある自分のブースで、
 数人のお客さんが取り囲むなか、
 このウエットフライを巻きながら、
 なんだかんだ解説していたときのこと。

 会場の奥に据えられたステージで、
 「サクラマス レストレーション」代表であらせられる安田龍司さんの講演がはじまった。
 銘川「九頭竜川」でのサクラマスをとりまく環境保全への取り組みや、
 資源保護と増殖への試行錯誤の過程のご報告などなど、
 たいへん意義のある興味深い話題を簡潔明瞭にまとめてお話しされていた。

 安田さんの快活なお話しぶりに聞き耳をたてながら、
 その一方でじぶんもフライの巻き方を解説していたのだが……、

 おりしも、
 フライの製作は、
 これからがクライマックスですよ、
 って工程にさしかかったところ。

 いかにして理想的なフォルムのクイルウイングをキレイに巻き止めるか、
 そして頑丈な極小ヘッドをどのように仕上げるかってとこ……、
 さあ、
 いよいよここからが最大の見どころ。

 ってところで、
 フライを巻く手をピタッと止めて、
 ワタシの手元を熱心に覗きこんでくださるお客さん数人のお顔を見渡して、
 「安田さん、さっきからずっとエエお話しされてはりますねえ」
 というと、
 皆さんうなずきながら笑った。

 そこで提案。

 「あの、フライはタイイング途中だけどここでいったん止めといて、
 安田さんの講演をぜんぶ聴き終わってから続きやりませんか」

 というと、
 皆さんおおいに賛同してくださって、
 ステージのほうに小走りに向かっていかれた。

 そしてワタシも、
 末席から安田さんの講演をじっくり拝聴した。

 安田さんの講演が終了してすぐ、
 ダダダッとお客さんたちがまたワタシのブースに駆け戻ってくると、
 元気いっぱい、
 「つづき、おねがいしま~す」
 
 「よっしゃ!ぼくの最新クイルウイング・テクご披露しちゃうよ~~~」

 超はりきった。

 今回のこのイベント、
 きっと楽しくなりそう……という予感は見事に的中した。
 
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 初日のイベント後に行われた懇親会にて。

 ご参加されたメーカーさんや、
 クラフトマンの方々のご厚意による、
 豪華景品の当たる「お楽しみ抽選会」が盛りあがった。

 その景品のひとつに、
 このワッペンがあった。

 アメリカのヴァーモント州にある「フライフィッシング博物館」が、
 今を去ることかれこれ20数年前に、
 なにかの記念に限定で配った公式ワッペン。

 当時のこの博物館は、
 フライフィッシングとフライタイイングの足跡と遺産と財産が凝縮されたかのような一大資料館だった。
 まさにフライフイッシングのおとぎの世界であり夢の国だった。

 そんなわけで、
 このワッペンはそれはそれは由緒正しい、
 知る人ぞ知るいわくつきの一品。
 同好諸氏には垂涎必至のレア物。

 といいつつ、
 このワッペン、
 かつてじぶんも所有していた。
 けど、
 いろいろあって、
 20数年前に捨ててしまったのだった。

 博物館にはなんの罪もないのに、
 申し訳なく胸が痛い。

 だもんで、
 このワッペンの出処もヨ~~~ク知ってる。
 この場にコレがでてきた経緯も聞かずともわかる。
 なんでもかんでもぜんぶ知ってる。

 いや、
 知っているというよりも、
 
 若かりしころの辛い記憶とともに、
 よ~く憶えている。

 じつはこのワッペンは、
 じぶんにとって長いあいだフタをして閉ざしていた苦い思い出を象徴する記憶の断片のひとつ。

 な・ん・だ・け・ど・

 ぶっちゃけ、
 も~こんなに年月が経ってしまえば、
 そんなこたあもはやどうでもいいことでしょ……、
 
 当時あれだけ苦しんだり恨んだり悔しかったりした記憶なんか、
 いまじゃ若気の至りの一言で笑い飛ばしちゃいますよ。

 そんなわけで、
 ものすごく久々にこのワッペンを見て……、

 20数年前にタイムスリップして落ち込むのではなく、
 現在たった今の充実したフライフィッシング・ライフの視線で独り勝手に盛りあがり、

 うわ~やっぱカッコエエな~コレ欲しいな~……、

 っていうか、

 ぜったい欲しい!

 っておもっちゃったワ・タ・シ。

 ところが、
 幸運にもこのワッペンを当てたのは、
 ことし38歳になられたピチピチの若者くん。

 しかし、
 そないなことでカンタンにあきらめるワイやおまへん。

 会場内の公衆の面前で、
 あろうことかマイクを握りしめ壇上から、
 恥も外聞もなく渾身の想いで叫びましたがな。

 「なんでも言うこと聞きますぅ~。お願い事あるならなんでもかなえます~。
 だから、このワッペンとぼくの持ってるなんかと、とりかえっこしてぇぇぇ~~~~」


 「じ、じゃあ、ビゼンさんのフライと交換していただけますか?」

 「え?うそっ?マジ?そんなんでエエの?」

 「いいです。っていうか、むしろボクにとってはそのほうが嬉しいです」

 「あ~~~りがと~~~~~!」

 この、
 自分勝手で有無を言わせない強引な取り引き。
 それを、
 なんでかほのぼのハートフルなやりとりと解釈して、
 ほほ笑みながら拍手までくださる公衆の皆々さまがおやさしい。

 あまりにうれしくって調子こいちゃってマイクにぎって……、

 「あんなあ、ボク、ほんまに欲しいとおもったもんはぜったい手に入れるし、
 ほんまに釣りたいとおもったニジマスはぜったい釣ったるねんで~メッチャねちゃこいんやで~」

 皆さんドン引き。

 でも、
 ほんとに釣りたいとおもってるニジマスはさておき、
 もはや、
 ほんとに欲しいもんって……なんだろう?
 パッと浮かんでこなくなってしまったお年ごろ。

 ほんの数年前までは、
 アレもほしいコレもほしいって、
 ひしめいていたのに……。

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 イベントでは、
 こんなハックルを持参して、
 ほんのちょこっとだけ紹介する時間もいただけた。

 元祖オリジナル・ヒーバートのコックネック。

 我が家にある何百枚かのハックルのなかでも、
 文句なしとびっきりの希少かつ貴重な珍品。
 でありながら、
 ドライフライの歴史を語るうえでけして避けては通れない、
 キャッツキル・ドライフライ・ハックルの最重要カラーのひとつ。

 20数年前、
 夢や希望に溢れながら、
 当時ミシガン州にあったヒーバート社の養鶏農場を訪問したとき、
 創始者のテッドさんがお土産にもたせてくださった思い出のハックル。

 あのとき、
 テッドさんはこのハックルを、
 「これをキミに託そう」
 というような表現で手渡してくれたのだった。

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 カリフォルニア・コンドルのセカンダリークイルをクイルボディに巻いた、
 名づけて「ブラックコンドル・クイル」 on the TMC900BL の10番。

 そして、
 我が敬愛するテッド・ヒーバート氏のサイン。

 こうしてみると一見、
 ナチュラル・ブラックなハックル。

 天然の真っ黒のヒーバートのコックハックルっていうのも、
 まあ珍しいっちゃ珍しいけれど……、

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 これ、
 おなじハックルだから。

 光を当てる角度をずらすと、
 こんな色合いになる。

 鉄が錆びたような色調。

 パッと見は濃厚な、
 ほとんど黒褐色のラスティダン。
 ところが、
 陽の光に透かすと茶褐色な鉄錆色が、
 すごく鮮明に浮かびあがってくる。

 このハックルをいただいたとき、
 「うわ~ナチュラルのブラックもろた~」
 なんつって無邪気に喜びながらも、
 内心では、
 ほかのもっと斬新な色柄色調のハックルもほしかった。

 どうしてわざわざコレを託されたのか、
 当時のじぶんにはその本当の意味がまったくわかっていなかった。

 あれから、
 見慣れた定番レギュラー・ハックルはもちろん、
 超レアとされるものから、
 最新ハイテク改良種から、
 往年の歴史上のものまで、
 世界のいろんなハックルをありったけ見たり触ったりするだけでなく、
 もはや数え切れないほど巻きたおして、
 そしてなによりもとにかく実践しまくって……、

 そんなこんなを飽きもせず、
 ず~っと繰り返しながら、
 
 そのうえで、
 20数年もかかって、
 ようやく、
 このハックルの本当の価値がわかった。

 身をもって実感として理解出来た。

 そんな、
 振り返ってみれば我知らず、
 いつのまにか積み重ねていた経験をこそ背景にした発見。
 
 そこのところにこそ深い喜びを見出すお年ごろ。

 その豊かな感動は何物にも代えがたい。

 歳月を重ねるのは、
 切ないことばかりでも、
 悪いことばかりでもない。

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 オスのエゾジカの背中の毛をスレッドでギュッと絞るように巻き止めたときの、
 ダウンウイングの拡がり方がたまらなく絶妙でカイカン……、

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 そんなわけで、
 簡素に巻いたヘアウイング・カディス熱はぜんぜんおさまらず……、

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 ビギマム祭で購入したトラウトお守り。

 住吉大社の「お清めのお塩」が封入してあるねんて。
 タイイング机のまえの壁の大事なもんお飾りコーナーにぶらさげました。

 御利益にまみれたいです。

 そしてカリフォルニア・コンドルのセカンダリークイル。
 お買い上げいただき本当にありがとうございました。

 みなさまのオフシーズンの手慰みのお供として、
 はたまた楽しかったイベントの思い出として、
 クイルとしてボディに巻いたり、
 スレッドに捩じってボディに巻いたりしてネ。

 来シーズン、
 水面に投じてみれば、
 きっとさらに愉しんでいただけるものとおもっております。

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 カリフォルニア・コンドルのセカンダリークイルのファイバーの長いほうをスレッドに捩じってボディを巻いて、
 オスのエゾジカの背中の毛をウイングに据えたウルフ・スタイルの8番。
 ハックルはさっきのダーク・ラスティダンとグリズリーのミックス。

 充実していた大阪出張、
 先週末に帰宅すると、
 エゾジカ・スキンのご新規のご注文やら追加のご注文とかいただいていて、
 ボクもうニッコニコで返信して梱包して発送。

 エゾジカ・スキンのご注文くださった皆々さま、
 どんなにかありがとうございました。

 そして、
 オスメスともにまだまだエエとこたくさん在庫しております。
 どうぞお気軽に、
 ご注文お待ちしております。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

 


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