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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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日陰のトロ場の超浅場のドラマ
200726 (1)1

 「当地でも明日から天気が崩れますよ」
 と天気予報が告げている連休まえの週明け。

 とはいえ今日も今日とて炎天下の真夏日。

 近所の有名河川の支流、
 ものすごく減水してしまっている流れを、
 汗を拭き拭きさまよい歩いておりました。

 しょぼいポイントはパスして、
 あるていど水深があって、
 かつ水通しがよくて流れに勢いがあるところだけは、

 小場所であっても、
 用心深く慎重に、
 なるべく遠くから、
 フライを流す筋を一投げごとに変え、
 ジリジリと立つ位置を変え、
 
 じっくり粘ってねちゃこくフライを流して……

200726 (2)2

 フックサイズはロングシャンクの6番。
 もともとはヒゲナガを意識しているフォルムではあるけれど、
 
 このような夏の渇水時期、
 あまり活性は高くないけど、
 エサ食う気はまあまあそこそこあって、
 なにかテキトーなの流れてくれば食ってもいいかも……、

 という姿勢で、
 流芯のいちばん良いところに定位しているような大物は、
 あるていどヴォリューム感はあるけれど、
 全体的に細長めのシルエットのフライに好反応を示してくれる
 ような感じが過去に何度かあってからというもの、

 本来ヒゲナガであったはずのこのテのフライたちは、
 むしろ渇水時期にこそ真価を発揮、
 そして多用されるドライフライになってしまっております。
 
200726 (3)3

 インジケーターとしてオーバーウイングに巻き止めた純白のエゾジカのお尻毛の下側に、
 ヒグマの金毛を薄くパラパラッと軽く左右に拡げて散らし、
 ヘッドは秋ヒグマの黒毛のアンダーファーをタッチダビングでボハッと毛羽立たせてダビング。

 これで充分ポカッと頼もしく浮いてくれる。

 ボディはミニオストリッチのファイバーを4~5本、
 スレッドに密に撚りつけておいて、
 それをさらに二重折りにして、
 さらにそれをギリギリ捩じって巻いてある。

 濡れるとメチャ萎むオストリッチなんだけど、
 このように処理するとヴォリューム感もあまり損なわれず、
 つかいはじめはまあまあ良い感じ。

 なんだけど、
 ファイバーのフリューが長いので、
 使いこんで濡れて乾いて…を繰り返すと、
 どうしたってフリューが萎んじゃって回復しなくなる。

 いつのまにか、
 風呂上がりの猫みたいな、
 なんかしょんぼりした風情になってしまうのが切ない素材。

 こうしたビッグサイズなドライフライのボディ材として、
 ミニオストリッチは質感や色調、
 そして見た目やソフト感、
 さらに使い勝手は素晴らしいだけに、
 捨ておくにはあまりに惜しい素材。

 再考の余地あり。

200726 (4)4

 という、
 勇ましく大物狙い一本、
 みたいなデカドライフライで、
 気を張って釣っていたけれど……、

 サイズ6番ロングシャンクのこのフライで、
 めぼしいポイントのなかの、
 そこでいちばん良い流れの特等席スポットから、
 こんなチビッコヤングががっぽりかぶりついてきちゃう。

 きっと、
 きょうはビッグなアダルトが不在なので、
 これ幸いにヤングたちが特等席に陣取ってはりきってんだね。

 しかしこのサイズのフライで、
 こんなチビッコが、
 フライを飲み込まんばかりにフッキングしちゃうって、
 あるいみこのフライすげえじゃん。

 などと感心はしたけれど……、

 そんな、
 チビッコいじめに心が痛い場面をず~っと延々繰り返しておりますと、

 たちまち集中力は途切れ、
 ものすごい雑な釣りになり果てて、

 砂利底のひろ~い浅場のトロ場の岸際の、
 木立が水面に覆いかぶさっている日陰のしたに避難して、
 流れに立ちこんだまんま、
 しばし涼をとっておりました。

 すると!

 立ち込んでいる場所からすこし上流の、
 チャラ瀬がトロ場に流れ込んでいる地点の、
 やはり木立が水面を覆っている岸際の日陰のところで、
 チャポッと一回ライズ発見。

 ライズの波紋からして、
 だいたい30センチほどのサカナかとおもわれた。

 本日いちばんの大物発見。

 ここは慎重に……、
 
 なにしろ水面はベッタベタの波ひとつないフラット。
 しかもジンクリア。

 じぶんの立ち込んでいる場所とさほど水深は変わらない様子。
 ということは、
 膝までもない超ドシャロー。

 いくらなんでも、
 4Xのティペットに結んだこのフライでは、
 なんぼなんでもアカンやろ……、

 と、
 ティペットを6Xに結び変えて、

200726 (5)5

 フライもコレに交換。

 16番のカーブドシャンクに巻いた、
 真っ黒のスペントウイングなパラシュート。

 デルタウイング・スタイルで左右後方V字型に拡げたスペントウイングは、
 秋ヒグマの黒毛のアンダーファーに、
 ちじれたガードヘアーを数本残したものを、
 スッカスカに巻き止めておいて、
 ヘアー先端をちょうど良い長さにカット。

 クリップルドダンやCDCスペントなんかを巻いたとき、
 CDC の先端をカットするのとまったくおなじ要領。

200726 (6)6

 シルエットで見るとこんなかんじ。

 ヘアー先端をカットしても、
 毛がちじれているので、
 とくに違和感はかんじさせない。

 そして、
 巻き止める毛の量は、
 スッカスカですよスッカスカ。

 さらにそして、
 ホワホワのアンダーファーとともに、
 剛毛のガードヘアーも混ざっているのが大事なポイント。

 このように巻いておくと、
 スペントウイングが水面にはりつくシルエットやフォルムが、
 ずっと良い感じにフワッとひろがって維持され、
 光を透過してくれるという寸法。
 
 酷使を重ねてピックアップを何度も繰り返し、
 ウイングが束状になって後方になびくようなシルエットに変化しても、
 フライが水面にのると、
 ヘアーの弾力でウイングが元通りフワッと拡がってくれるところもたいへん小気味よろしい。

 定番の化学繊維なスペントウイングをつかっていて、
 濡れて吸水するとたちまち束状にまとまって棒みたいになってしまうところや、
 繊維が吸水してフライが重くなってしまうところが、
 常々ものすごくジレンマだっただけに、
 ヒグマのスペントウイングの発見は自分のなかで超特大ホームラン。

 と、
 そんなこんなを思いながら、
 余裕綽々な気分で、
 ティペットに結んだフライを写真に撮ったり、
 フロータントを擦り込んだりして、
 視線を手元に落としているあいだにも、

 カポッ、
 カポッ、

 と不定期に聞こえる可愛らしいライズ音。

 …よしよし…もすこし待っててね~…

 なんつって、
 フライを投じるまえに、
 ヒグマのスペントウイングの量や、
 ガードヘアーとアンダーファーの分量がよくわかるようなシルエット写真が撮りたいなと、
 フライの写真撮影に四苦八苦していたとき……、

 いきなり、
 前方にて ゴボッ! と怪音。

 え?
 なに??

 おもわず頭をあげて視線を前方にむけると、
 なななんと!
 さきほどヤングなニジマスがライズしていた地点に、
 ムワワワワ~~ンと重量感ムンムンの波紋が重々しくユラユラと広がっているではないか!

 え?
 うそ?
 なに??

 たちまち響きはじめる心臓の鼓動。

 なにかがいる、
 あそこに、
 ものすごアダルトなの…いてる……かも……?。

 フライのシルエット写真がどうこうて、
 のんびりホノボノゆうてるばあいやあれへんでコレ。

 せめてもう一回、
 ライズを確認して、
 確信を得てからフライを投げたい……。

 水面凝視で待って待って待ちまくる。

 ところが、
 さっきまでけっこうな頻度でライズを繰り返していたヤングも、
 ピタッとライズしなくなっちゃって、
 水面はもうずっとシーンと静か。

 なんか、
 さっきのライズはまぼろし?
 幻覚?

 ……いっそもう投げちゃう?……、

 自問自答して葛藤してココロが揺れはじめたとき、

 いきなり、

 ゴボンッ! て、

 たしかに見ちゃった。

 いる、
 いてはる、
 アダルトいてる。

 しかも定位してはる。

 脳ぐるぐる回転フル回転。

 ……ヤツが定位しているのはまっすぐ上流10メートル先くらい…真下からのアプローチ苦手だな~。
 もうちょい斜めから投げたいな~。
 でも、
 ここからちょっとでも動いたら気づかれるの確実なジンクリアのドシャロー。

 ……せめてティペット5Xに変えたいな~…でもこのベッタベタの水面だしな~。

 揺れる揺れるココロ乱れまくり。

 おそらく、
 ライズの頻度と挙動から察するに、
 なにか特定のものを選食しているわけではなく、
 そしてなにかが安定的に流下しているわけでもなく、
 
 不定期に流下してきたものを、
 ヤング数匹とアダルトが半ば競い合うようにして食っている、
 という状況ではないか、
 と推察。

 こうした状況では、
 コレものすごく重要で、

 アダルトいっぴきがこの狭いピンスポットを独占して、
 余裕をもってライズしているのであれば、
 この状況だとフライなんかすぐ見破られて手も足も出ないだろうけど、
 数匹のサカナが並んでいて、
 たま~に流れてくる流下物を同時に虎視眈々と待っていて、
 そして我先に食おうとしていてくれると……、

 ややごまかしが効く…かも?
 というかなんというか。

 ええいもう、
 いちかばちか。

 フライは、
 まあまあ狙いどおり悪くない地点に着水、
 そしてわずかに流れた瞬間、

 ゴボンッ! やて。

 めっちゃめちゃ浅場でグワバッ!と激しく重い水飛沫。

 ギイイイーーーーンとリールが鳴って、
 鮮烈なオリーブ色と深紅に輝くサカナが激走。
 「ここで会ったが百年目」ぜったい逃がしたくないサカナが、
 透明な水中をひたすら一直線に走っていくのが丸見え。

 黄土色の砂利底の色と、
 魚体の鮮やかな色が鮮明なコントラストになって、
 まるでサカナが宙に浮いて疾走してるみたいだった。

 なんと美しい、
 けれど、
 なんとキケンな美しさ。

 こういうとき、
 糸は細いし、
 浅場やし、
 サカナどこまでも走るし、

 おもわずサカナ追いかけて行きたくなるやろ、

 でもな、
 それ、
 アカンねん、
 
 ザバザバ追いかけて、
 余計パニックに陥ったサカナが川底ズリズリしながら魚体を思い切りくねらすと、
 ちいさなフックはたちまち弾き飛ばされるし、
 ティペットだってひとたまりもない。

 そして、
 追いかけることでピーンとはったラインのテンションが緩んですぐバレる。

 ええことなし。

 いままでそれで何度痛恨のミスを重ねてきたことでしょう。

 なので、
 キケンでおそろしいけど、
 こういうばあいはもう、
 走りたいだけ走らせるねん。

 んで、
 かならず途中で休みよるから、
 そのときジワジワだましだまし寄せてくるねん。

 んでんで、
 手前に寄せてくるねんけど、
 じぶんはサカナからなるべく距離を置くというか、
 じぶんの姿を見られないように、
 岸にあがって一進一退で後退しながら水際に誘導しながらやりとりして、
 
 それでサカナがまんまと水際の浅場にのって魚体が横向きになったら、
 ここが勝負どき。
 おもいきって、
 そのまま魚体をズリッと岸にずりあげるかんじ。
 このとき、
 水から完全にあげる必要はなくて、
 アタマだけ岸にあがってる、
 くらいで充分。
 魚体が横向きになっているのが重要。
 ここで最後のあがきバタバタッとしても、
 プレッシャーかけながらもあんまり引っ張らず、
 ジッと耐えてたらたいがいすぐ静かになる。

 で、
 静かになったらなるべくそ~っと駆け寄って……勝負あり……みたいな。
 
 不測の衝撃やショックにはすごく弱いけど、
 こういうジワーッと力が加わるようなかんじのときは、
 6Xすごく強いなとおもう。

200726 (7)7

 よっしゃ!やったあ! 
 
 しゃくれアゴのコンディション抜群のギンギンのオス。

 16番のフックが口の皮一枚に引っ掛かっていた。

 サカナからフックを外して、
 サヨナラして、
 フライをつまんでバシャバシャッと洗って、
 フッと息を吹きかけて水気を飛ばしたら、
 ベタッとすぼまっていたヒグマのスペントウイングがフワッとひろがった。

 余はおおいに満たされて満足じゃ。

200726 (8)8

 夏の川面には、
 人知れず、
 黒っぽくて、
 こんなカタチをした小さなムシたちがアレコレ種種雑多、
 いつも流れておりますぞ。

 半透明の翅を水面にペタッと張りつかせて……。
  


 

 
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