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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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いや~なんていうかほんと……
 

 ことし観まくったユーチューブの動画。

 タイの田舎の盆踊り?的なお祭りの様子のようだ。 
 荒んでささくれだった気持ちを何度も穏やかにしてもらった動画。

 ステージで熱演する竹笛の兄ちゃんが腰をクイクイさせる股間を、
 「オオウ…オオウ…」萌えながら遠慮なしにガン見する司会のパッツン・ボディコンお姉さん、
 そして、
 ステージ下からお兄さんの股間めがけて本気モードで手を伸ばす爆笑ママさんたち、
 かとおもえば、
 竹笛のリズムにあわせてお兄さんの股間を満面の笑みで撫でまわすオカマさん、
 さらに、
 その様子を見ておおよろこびのステージ縁にズラッと並んで座ってるガキンチョども。

 お兄さんの股間は大人気。

 健全だな~。
 
 このシーンが面白くていつも繰り返して観る。

 老若男女入り乱れてエラヤッチャと人々が踊りまくる土くれ大地の野外フロア、
 その場を華やかに彩るセクシー衣装?のダンシング・ギャルズたちは、
 あざとさを微塵も感じさせずリズムに合わせてひたすら一心不乱に踊ってる。
 なので、
 ずこしもエロく映らない。
 それがまたすばらしい!

 そして、
 なによりすばらしいのは兄ちゃんの竹笛の演奏。
 ロックン・グルーヴでタイトでソリッド。

 でも、
 素朴であたたかい伝統歌謡?

 琴線にも腰にも響くで~。
 勝手に身体がゆれうごく。

 お兄さんもお姉さんも、
 ママもパパも、
 おじいちゃんからおばあちゃん、
 オカマもオナベも、
 ちびっこたちも、
 み~んなみんな兄ちゃんの竹笛にのって心底楽しそうに踊っとるど~。

 その様子を眺めていると、
 石のように固まって冷えたココロが、
 たちまちほどけて溶けていく。

 気に入りまくりました。

 これはタイのエサン地方の大衆音楽らしいことはわかったけど、
 兄ちゃんの名前はおろかこの音楽のジャンルもなにもかも詳細不明。

 このご時世にあって、
 なんにもわからない。
 神秘のベールの向こう側。

 そこがまたよい。

 今年の2月のハンドクラフト展の際、
 海外フライフイッシング・ツアー旅行会社の老舗中の信頼と実績の老舗の社長さんと立ち話ししたとき、
 すかさずこの動画の話しをして、
 「このイベント、ぜひとも見物しに行きたいんですよ~」
 というと社長さん、
 「お、ビゼンさんレゲエの次はアジア系インディーズっすか?」
 なんておっしゃるので、
 「これ、私がこよなく敬愛してやまない80年代はじめのジャマイカのサウンドシステムの雰囲気そのまんまなんだよね」
 などと熱く語った。

 と、
 そんな戯言に笑っていたのと時を同じくして、
 あれよというまに世界は新型ウイルスでこんなんなって……、

 いったいぜんたいこの先どないなるんやろか、
 と、
 オホーツク地方の片隅のそのまた隅の田舎にいてさえ、
 胸中穏やかざる春のころ。

 ある晴れた日のことでした。

 すこしまえから、
 なんだかどうもおかしいぞ…というかんじはあったんだけど……、

 まだまだ真っ白く雪に埋もれている山々に陽の光が反射していて、
 「眩しいな」
 と右目を閉じて片目で山を見あげて愕然。

 おもわず、
 膝から力が抜けるような、
 血の気がスーッと全身から抜けていくような……、

 左眼の全体に白い膜がかかっているような感覚、
 すべてが霞んでしか見えない。
 むしろ、
 もうなんにも見えない。

 ああ、
 おわったなあ……なんておもいましたよ。
  
201018 (2)2

 すぐにでも眼科へGO

 しかし、
 ときはいま、
 この最果ての田舎町にあってさえも、
 眼科のある総合病院はしばらく閉鎖。

 そして、
 どんどん霞んでいく左眼。

 もはやな~んも見えない。

 しかし、
 それを口に出してしまうと、
 すべてが終わってしまいそうで……、

201018 (1)1

 世の中がすこしだだけ落ち着いて、
 ようやく眼科で検診を受けることができたのが夏のころ。

 白内障との診断。

 「手術すれば治ります。また見えますよ」

 気楽なかんじでそのように診断してくださった先生のお声は天の声。

 うれしかった。

 安心したとたん、
 身近な友人知人たちに、
 「オレ白内障でさあ、いま片目がなんも見えないんやでドヤすごいやろ?」
 なんて、
 まあ聞いてくれよと言いふらしまくる。

 しかし、
 これもコロナの影響で、
 おなじような症状で手術の日を待ちわびておられる方々が多数おられるご様子。

 すぐに手術できるわけではなく、
 なんと半年後まで順番待ち。

 そっかあ、
 でもまあいずれ完治するのなら、
 気持ちの持ちようはなにもかもがちがいます。
 
 こうなったら「転んでもただでは起きへんで~」な~んつって。

201018 (3)3

 つい先日、
 今月に発売される季刊フライフィッシャー誌の連載記事をつくって編集長に提出。

 白内障で片目が見えなくなって、
 もっとも困るというかイラッと情けなくなるのは、
 視界がままならない不自由なこともさることながら、
 近くを見ても遠くを見ても、
 遠近感がおかしくなることだった。

 そのため、
 いつもフライが狙ったとこの手前に着水するんですわ~もうイッライラ。

 なので、
 必然的に水面に落ちたフライを見失う場面が多々あってもうイッライラ。

 これまで、
 過度におおきなインジケーターの類をあまり好まない傾向にあったんだけど、
 背に腹は代えられないというか、

 これをチャンスというか良い機会と捉えて、
 このような状況でも気持ちよく見えてくれる、
 使い勝手と視認性最優先のドライフライ……、

 これを課題に据えて過ごした今シーズンの釣り総まとめ記事を目論んだわけだが……、
 
 原稿と写真を送付してすぐ、
 編集長から電話がかかってきた。

 「ビゼンさん!白内障にまつわる釣りとタイイングの記事なんて、
 そんなのこれまでなかったでしょ。
 これ、
 高齢化が進む我が業界にあって勇気づけられる方たくさんいますよ!」

 「それやったらどんなにかええねんけどな、
 今回もまたフライのタイイングのところまで書いたらスペースいっぱいでページ埋まってしもてん。
 書きくわえたかった片目の実釣編まで書かれへんかってん」

 「なので、いっそタイイング編ばっさり削って原稿の空いたスペースに釣りの話しを無理やり挿入しよか?」

 「いや、これはこれでぜんぶ必要です。これ、次号でも続編いきましょう!」

 一生懸命とりくんだ記事作りに、
 編集長が弾んだお声でガッポリ喰いついてくれると、
 とてもがんばりがいがある。

 一見、
 なんの変哲もないロングファイバーなスパイダー・スタイル。
 なんだけど、
 このポストの量と高さでもバランスすこぶる良好。
 着水時にひっくり返らない。
 水面に浮いたフライが斜めに倒れたりしない。
 オレンジ色のポストが水面高く屹立して大変頼もしい。
 しかも、
 うれしいことにポストに重量があるので、
 そのぶんハックルの接水面積と密度があがり、
 流水の抵抗を増して、
 従来のバランスよりもフライがてきめんに流しやすくなってるではないか。

 じぶんにとって発見だった。

 キモはハイビズ・ヤーンのポストの量と長さと、
 レオンのサドルのハックリング方法と、
 ボディ末端にコブ状に巻き止めたエゾリス・ファーのダビングボール。
 これらのパーツが絶妙なシーソーバランスになって水面に浮く。

 着水と同時にスッとボディのみ水面下に没して、
 フライが瞬時に水面で安定するところも絶妙なり。
 
 コレいいよ!

 

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 今シーズン、
 山岳渓流に足しげく通っていたのには、
 このようなワケがあったのです。

201018 (6)6

 しかしキレイな生き物。

 オショロコマの美しさは、
 ド派手な色彩配色であるにもかかわらず、
 和のテイストがただよう品の良さというか、
 奥ゆかしさとか、
 清楚とか……、

 ブルックやゴールデントラウトとか、
 なんならオショロコマの従兄のドリーバーデンとか、
 舶来のもそりゃ~美しいけれど、
 そんな異国の鱒たちの押せ押せムードな美しさとは対極の、

 むしろ「引き」をかんじさせる極彩色デザイン。

 釣っても釣ってもキュンとくる。

201018 (7)7

 フェザーポルノでえ~す。

 フルドレスサーモンフライのタイイングは狭い世界。
 そこに情報弱者なりの姿勢で末端に連なっていると、
 この数年なんだかとみに心に棘がグサッと刺さるような場面があったり見聞したりとか……。

 で、
 そのトドメが、
 このまえ紹介したショッキングすぎる本だった。

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 「怒り」よりも「落胆」で、
 萎えるなあとヘコむ瞬間もあってんけど、
 
 そもそも、
 この世界って、
 独りで愉しむ自己満足な世界にこそ楽しみを見出したはず。

 そやのに、
 なんでワザワザ見なくてもいい外の世界を覗いて気持ちをかき乱されなアカンのや?

 そんなん本末転倒じゃ。

 「群れない媚びない属さない」

 器のちっちゃなじぶんは、
 駆け出し時代の初心を半分忘れかけていた。

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 決意も新たに、
 いまいちど初心に立ち返るべく、
 まずは伝統のクラシック・パターンをあれこれイロイロ巻きはじめたら……、

 もうどうにも止まらなくなった。

 やっぱもうどうしようもなく、
 フルドレスサーモンフライのタイイングはじぶんにとって最高峰にたのしくて、
 そしてチャレンジャブル。

 目下、
 大のお気に入りになっているのが、
 このサンダー&ライトニング。

 邦題に訳すと「雷鳴一閃」

 かっこええやんけワレ~。

 シンプル・スプリットウイングのフルドレス入門編パターンとして知られておりますが、
 なににつけ、
 最初の第一歩で初歩ほど奥が深いものはありません。

 オレンジのハックルとブルージェイのスロートの色彩の対比の妙、
 そして黒のボディとこげ茶のウイング、
 ロウ・プロファイルなウイング設定。

 エッセンスがこの一本にギュッと凝縮されてる。

 んで、
 まずコチラは現在普通にサンダー&ライトニングといえばこのようなフォルム、
 的な見慣れた標準スタイルで巻いているけれど、

 各色のスワンとバスタードをミックスしたアンダーウイングのうえに、
 このフライの核となるブロンズマラードをドサアッとかぶせて、
 ウイング末端部分のみ、
 ファイバーをバラけさせアンダーウイングを露出させて配色のアクセントにしてみたスタイル。

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 転じてコチラのサンダー&ライトニング。
 フリーファイバーなケルソン・スタイルで巻いてあるけれど、
 ウイングはレオンのルースタークイルとブロンズマラードのフリーファイバー・ミックスドウイング。

 そして、
 ボディハックルやスロートハックルは、
 最初の標準スタイルの倍のファイバー量で盛りまくりビッシリがっつり巻いた。

 おとこらしいサンダー&ライトニング。

 まえもゆうたかもしらんけど、
 ぼく、
 ニジマスとフルドレスサーモンフライは断然デブ専やから。
 麗しき美はポッチャリにこそあり。

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 さらにコチラ、
 ロングシャンクに巻いたサンダー&ライトニング。

 ハックルもスロートももちろん、
 テイルもトッピングも二倍も三倍もこってり盛りまくりング。

 コレ巻いていてつくづくおもったけど、
 サンダー&ライトニングって、
 ジャングルコックをこそ映えさせるためのフライだね。

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 コレ、
 2006年に巻いたフライ。

 ニジキジの羽根をはじめてつかった、
 じぶんにとって記念碑的なフライ。

 なんだけど、
 とあるクラシック・パターンをこのフックに巻きたくなってどうしようもなくなり、
 逡巡の末エエイままよと分解しちゃったのだった。

 カスタムメイドなサーモンフックの元祖であらせられる、
 故ユージン・サンディのいまや超貴重なフック。

 バラバラになってしまった各パーツの羽根は、
 接着剤などをつかっていないので、
 解いたあともまったく問題なくつかえる。
 もちろんまたほかのフライに活用する。

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 右がエゾリスのみのボディとヘッドにレオンの羽根でエラをつけたスカルピン。
 
 左がエゾジカ・ヘアーをフレアさせたマドラー・ヘッドなスカルピン。

 どちらも、
 このタイプな大型サイズであっても、
 あれよという間に巻ける超シンプル構造。

 うごきもニョロニョロユレユレたまらんデ。

 スカルピンなハゼ型フライでありながら、
 大型ニンフとして、
 はたまたテレストリアルとして、
 さらにはマドラーヘッドのやつはフッキング抜群のスケーターとして、
 ハゼ以外のところで大活躍。

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 サイズ4番のヒゲナガ・ピューパ風味でもあり、
 クラシック・ムードなウエットフライの作例。
 
 さっきのスカルピンのボディ同様、
 エゾリスのファーをボテッとループダビング。
 ボディ全体がゾンカーのウイングのように巻いてある。
 ウイングには、
 レオンのルースタークイルをディーウイングに巻き止めた、

 スーッと水に馴染んでとろけるように流水になびくエゾリスのボディと、
 ブルンブルン水を掻くように震えるレオン・サドルのファイバーの相性ばつぐん。

 エゾリスのファーの水馴染みの良さ、
 シルキーでソフトになびく質感を最大限利用したフライのひとつ。

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 さっきのウエットフライのボディの造作とまったくおなじ作りのストーンフライ型ファジー系ニンフ。

 襟巻き状のハックルはヒグマの金毛をループダビング。

 硬質で光をばんばん透過しながら反射するキラメキの存在感の半透明なヒグマの毛と、
 陽の光を吸い込むようにマットな質感だけどフワッフワトロトロのエゾリスのファーの組み合わせ。

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 水中に沈むとたちまちこんなかんじになるねんで。

 直立させてハックル状に巻いたエゾリスのファーが、
 ボディの下地に巻いたティンセルをくっきり透かしながら、
 まるで呼吸しているかのように小刻みに常に揺れている。

 モンカゲロウやフタオカゲロウなんかのエラ呼吸を連想しちゃう。

 これはエロイで~。
 釣りたい下心ムンムンムラムラのあざとさです。

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 サイズ6番のロングシャンクに巻いたエゾリス・ニンフにて、
 水中深くに沈んで流れるリーダーが一瞬トンッと弾むように震えて止まった…ような気がして…、
 すかさずバシッとあわせてみれば……。

 当地の巨鱒たちは、
 シーズン初めの初心なころは、
 寝ていても目が覚めるようなアタリがガツーンと伝わるけれど、

 どうしたわけだか、
 お盆を過ぎるころには、
 同じ魚とは思えないような微かなアタリになる。

 でっかいやつほど、
 その傾向が濃厚な気がする。

 手のひらサイズのオショロコマのアタリのほうがよほど明確。

 サイトフィッシングで観察していても、
 いったんくわえたフライを、
 水中で微動だにせずプッと瞬時に吐き出してしまう。

 こういう百戦錬磨の真っ赤なホッぺの巨鱒を、
 いかにして掛けるか。

 本物の水生昆虫などの食感よりも口当たりが柔らかくて、
 なんならさらにソフトな質感で、
 サカナが用心深くスッとフライを吸い込んだ瞬間、
 水流とともにスポーンと口中深くに吸い込まれちゃうような大型サイズのニンフ。

 このニンフ、
 なかなかいいセンいってるかんじ。

 ヒグマとエゾリスの良いとこどりのコラボってところもまた、
 ヒジョ~に満足度数が高い。

 まっだまだたまらん魅力と可能性を秘めているエゾリスのファー。

 試したいことや、
 コレで釣ってみたい場所や、
 新しいアイディアなどなどどっさりあったけど……、

 どうやら今シーズンはこのような諸事情にて、
 課題をたくさん残すことになりそう。

 で、
 いよいよ来週、
 待ち望んでいる白内障の手術が受けられます。

 視界が戻ったら、
 情けなくなるほどもどかしかった片目の今シーズンの知見を今後に活かしまくるべく、
 もはや溢れんばかりになっている脳内イメージを、
 冬のあいだに次から次へとカタチにしていきたいところ。

 北海道産の素材をフル活用して、
 この素材だからこその実戦先鋭フライズの捏造、
 そして、
 フルドレスサーモンフライの創作タイイング、
 この、
 夢想と喜びが無限に広がる豪華二本立てで……。

 で!

 こんなにエゾリスエゾリス連呼するからには……、

 まずなにより最初にじぶんがワクワクドキドキの、
 すっっっばらしいクオリティのエゾリスのスキン、
 多数入荷してます。

 しかも!
 今年の当社の一大トピックス。
 「エゾリスのええやつ、どこかにないやろか」とあんまりにもしつこいワタシ。
 なのでこの夏、
 秘蔵の貴重なスキンをドーンとまとめて数百匹!
 こんなにいいのばっか大量にまとめて見れるの最初で最後ちゃうやろか?
 という状況で、
 しかも落ち着いていっぴきいっぴき手にとってじっくり仔細観察しながら、
 「これはいい!」
 とおもえるのを好きなように選別して欲しいだけ仕入れさせていただけるという、
 まことに「夢なら醒めないで」
 破格のご厚意とご配慮までいただいたのでした。
 冥利に尽きます。

 どれもこれもたまらんクオリティのエゾリスのスキン、
 あらかた整理と準備も整ったので、
 ちょい待っててくださいね。



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