BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
201707<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201709
Thank you for choosing my soul fly.
161028(3)3.jpg
 まずはコチラをクリックしていただけますでしょうか→ Evening Star 
 当ブログの過去記事…2013年の我がフルドレス三昧の日々を象徴する一本。

 このフルドレス・サーモンフライの写真を、
 まことに僭越ウレシハズカシながら、
 オーストラリアの老舗中の老舗フライフイッシング専門誌「Fly Life」冬号の表紙にしていただいたのが2年前のこと。

 当雑誌編集長の格別の計らいで、
 おそらく販促用のポスターまで送っていただいて、
 大変ありがたく無邪気に喜んでおったわけですが……、

 つい先日、
 まったく見ず知らずのオーストラリア在住の方から送られてきたメールを開いて、
 おもわず絶句というか、
 感動のあまり、
 しばし時間が止まってしまったというかなんというか……、




161028(1)1.jpg
 What an honor thing.

 おうおうおうおう!
 この羽根吹雪をとくと見やがれい!
by 遠山の金さんならぬ豪州のトニーさん。


 いわく、
 …貴方のフライがとても気に入ったので「カラクリ紋々」彫りました。
 とうとう完成しましたので写真を送ります…との由。

161028(2)2.jpg
 Really really cool & artisitic tattoo of Mr, Tony in Darwin,Australia.

 ムチャクチャかっこええ。
 こんな風に彫れるんだねえ、
 これはもうアートだね。

 羽根のファイバーの質感、
 ティンセルボディの輝き、
 タグやソラックスのシルクの艶めかしさ、
 そして全体の鮮やかな発色、
 さらに、
 ぼくが世界で一番気に入っているスペシャル・フックのベンドカーブの柔らかい曲線、

 製作者として、
 どれをとってもただただ魅入るばかりだ。 

 そして、
 なんと光栄なことであろうか。


 と、
 そんなトニーさんは、
 アンティックな釣り道具の熱烈なコレクターでもあるんだけど、
 いくつか送っていただいたヴィンテージ・フライ・コレクション写真のなかから、
 ちょっとおもしろいのを御紹介。
161028(5)5.jpg
 From Mr,Tony's Collection.
 
 ハーディの刻印が眩しいコレ、
 なんだかわかりますか?

161028(4)4.jpg
 なんと、
 スピンヘッドを搭載したハーディ社製フルドレス・サーモンフライ。
 流水のなかで、
 このブレイドがグルグル回転しながら、
 フライがブルブル震えるという寸法。
 そしてきっと、
 ビーズヘッド的なオモリの役目も果たしていたことでしょう。

 当たっているかどうかはわからないけれど、
 間違いを恐れず自由にこのフライをプロファイリングしてみると、

 つかわれているフックのポイントや、
 羽根の経年劣化の具合から推察するに、
 おそらく1920年?もしくは30年?頃の作ではあるまいか?

 また、
 各種フェザー素材を束ねて、
 ヘッド部からフェザーを放射状にひろげつつ、
 やや鋭角的に立て気味になっているビルト・ウイングのスタイルは、
 この当時のハーディ製コマーシャル・サーモンフライの特徴のひとつではなかろうか?

 さらに、
 ティンセルのボディに急激なテーパーがかかっているのが意外なのだが、
 これはボディにスピンヘッドが溶接?されているためのものだろう。
 またさらに、
 ウイングの欠損とティンセルのくすみから、
 当時じっさいに使用された痕跡がうかがえるが、
 リビングがズレていない、
 スロートハックルのファイバーの抜け落ちがほぼない、
 というところから、
 このフライを製作した職人の高度なスキルがうかがえる。

 そして、
 肝心のフライのパターン名は、
 ウイングにつかわれている各種フェザー、
 シルバーティンセルのボディ、
 二色のスロートハックル、
 なによりも真っ赤なベルリン・ウールのバットなどなど、
 あきらかに当時の定番中の定番「ドクター・シリーズ」

 ただし、
 全体につかわれた素材から察するに既成のスタンダードではなく、
 おそらくハーディ社もしくは職人のアレンジによるドクター・シリーズのヴァリエイション。
 特筆すべきはバットの赤いベルリン・ウールとテイルのインディアンクロウ。
 他のパーツは経年劣化によって色褪せが著しいにも関わらず、
 これらの素材の色の鮮やかさがとても印象的だ。

 こうしたヴィンテージのフルドレス・サーモンフライを仔細観察するたびにおもうんだけど、
 意外なことにケルソンやタナットらが提唱した正統レシピに忠実に従ったものを僕はほとんど見たことがない。
 ジョックスコットにしろドクター・シリーズにしろグリーン・ハイランダーにしろなんにしろ、
 どれも微妙につかわれている素材が異なっているのが非常に面白く興味深い。
 むしろ、
 そうした純正レシピにこだわっているのは現在の好事家のほうがよほど厳密な気がする。
 このへん、
 示唆するものが多く、
 また想像が膨らむところでもある。

 とまあ、
 そんなかんじ?
 おそまつでした。

161028(6)6.jpg

 以上、
 今夜は遠い異国の異人さんとある意味「兄弟仁義の杯」を交わしましたよ、
 というお話でございました。

 
額装フルドレス・サーモンフライ販売の御案内
 SOLD OUT
 本当にありがとうございました。
160523(1)1.jpg
 鈍い金色に塗装されたウッドフレームに、
 濃厚なブルーと黒のラインをあしらったカスタムな額縁。

 重厚感溢れるこの額は、
 規格ものではなく、
 額縁職人さんがほとんど趣味で、
 自由に自分の創りたいように製作された「一点もの」の額なのだそうです。

 と、
 そんなとっておきスペシャルな額縁に、
 自分もまた「ひと巻き入魂」のフリースタイルな作品を、
 自由にはじけてディスプレイしてみました。

 僭越ながらタイトルは 「カケス美人」 です。

 手漉きの和紙をあしらった台紙に、
 ブルージェイことカケスの羽根をこそ映えるように、
 また「和のテイスト」をかんじさせるフライを並べてみました。

 今回はこの「額装フライズ」販売の御案内をさせていただきます。

160523(2)2.jpg

 巨大なサーモンフライを取り囲む3本のウエットフライのスロートハックルには、
 ブルージェイの肩羽根を分厚くハックリング。
 またいずれもギニアフォウルのセカンダリークイルをウイングにあしらって、
 落ち着いたモノトーンの雰囲気にまとめています。

 そして主役となるフリースタイルのフルドレス・サーモンフライ……、
160523(3)3.jpg
 濃厚な深緑、
 クラレット、
 群青色、
 淡い橙色、
 などなど「和をかんじさせるパステル・カラー」を真っ黒なラインで仕切りながら、
 各色のメリハリを強調したマリッドウイングの下側には、
 墨の黒と雪の白をイメージさせるアンデス・コンドルのセカンダリー・クイルをあしらってみました。

 また、
 リマリックベンドのフックの柔らかな曲線のうえに、
 各色のシルクを豊満に、
 しかしシミやクボミひとつない艶やかな色香漂う絹のボディに巻きあげました。
 ここんとこ、
 ものすごく重要。

 サイドウイングにはニジキジの背中の羽根をあしらっています。
 照明を当てると見事な玉虫色に輝きながら反射して、
 まるでフライに生命が宿ったかのように映えるところも見どころかとおもいます。

 さらに、
 テイルにはヴァルチェリン・ギニアのクイル、
 そしてチークにはパープルスローテッド・コティンガのネック・フェザーを巻きとめています。
 両方とも天然の紫色が印象的な羽根。
 これら奇跡のような美しい羽根をフライ末端とヘッド部にセットすることで、
 フライ全体の印象が、
 より深い詫び寂びの和の雰囲気に映るよう目論んでみました。

 そして、
 ボディ下側に並べた3枚のカケスの肩羽根、
 通常の左右二枚を重ねて平たく巻きとめる方法ではなく、
 この羽根の絶妙な曲線と色っぽい丸みを活かしきるために、
 ちょっとした細工を施しています。
 本来なら硬いはずのこの羽根が、
 やわらか~くボディに寄り添うように、
 またしなだれかかるように並んでいるのはそのためです。

 とまあ、
 このように「夢見る夢子さん」全開で、
 自分の脳内イメージを具現化するべく製作いたしました。

 
Couple of Topping flies
160408(1)1.jpg

 合計8本のクレストフェザーをブワッとひろげて巻き終えたところ。

 トッピングを束ねたウイングでいちばんイタダケナイのは、
 ウイングを巻き止める長さの見当がズレたり、
 はたまた立てたはずのウイングが倒れてきて、
 テイルを押し下げてしまってるやつ。

 そうではなくて、
 ツンと突き立ったテイルにクレストフェザーの先端が触れるか触れないかくらいのところで、
 全てのフェザーが整然と一列に並んで、
 まるで宙に浮いているかのようにフワ~ッと膨らんだまま完全に固定してウイングを巻き止めるには……いかにして……、

 これねえ、
 ゴールデンフェザントのクレストフェザーにも十鳥十色の個性というかクセがあるように、
 それぞれのフェザーのクセにあわせて、
 「これが正解」というマニュアル的解説ができにくい感覚頼りのところが多々あるんだけど、

 ここんきて最近チラホラ見かけるようになった(うれしいっス!)同好諸氏の奮闘ぶりを見聞して、
 僭越ながらちょっとしたヒントをチラ見せです。

 まず、
 うえの写真を見てみる。
 すべてのクレストフェザーを積み重ねつつ巻き終え、
 これからホーンを巻き止めてヘッドの処理をするところ。
 よく見ると、
 ウイングにつかったクレストフェザー総数8本に対して、
 これからカットする余りのフェザーの根元が、
 ウイング最上部につかった2本しか残っていない。

 つまり、
 先に巻き止めた6本のフェザーの余りは、
 最上部のウイングを巻き止めるまえに、
 すでにカットしていることになる。

 さらにいうと、
 先にカットしたウイング下側のフェザーを巻き止めたスペースよりも、
 ウイング上側のフェザーを巻き止めたスペースのほうが、
 スレッドひと巻き分見当で長めに巻いている。

 わかる?
 ということは、
 先に巻き止めたフェザーの巻きシロのほうが短いということ。

 巻き終わったあとにウイングが倒れたり、
 フェザーの先端がチグハグにならないために、
 そしてさらに、
 クレストフェザーの分厚いストークを何本もかさねてヘッドに巻き止めながらも、
 そうは思わせない小さなヘッドに仕上げるためにも、
 これがものすごいヒント。

 んで、
 こんどはスロートハックルにご注目を、
 オリジナル・レシピとなるコック・オヴ・ザ・・ロックの代用として、
 オレンジのシェラッペンをハックリングしたあと、
 少量のハックル・セパレーターをつけた指先でハックルを撫でながらひっぱり、
 ここはそのままにしておいて、
 こんどはウイングの巻き止め作業をして……、

 最終仕上げのホーンも巻き止めて、
 ヘッドの処理もして、

 フライが完成したら、
 さあ、
 いよいよさいこうのお楽しみタ~イム、

160408(2)2.jpg

 ガビガビに固まって見えるスロートハックルをば、
 クシでひと梳きしてみれば……、

 うっひょ~~ウイングもスロートもフワッフワのパラッパラに膨らんどるやんけ~~。

 濃厚な橙色に縁取られた、
 黄金色に輝くムチムチプリンの妖精が完成いたしました。

 トッピング・スタイルなフライの古典スタンダードのひとつ、

 Golden Canary #6/0

160408(3)3.jpg

 いつものお馴染みのキャナリーらしい、
 スレンダーでスマートでキュッと引き締まった金色フラットティンセルのスリムバディの清楚なウブさもたまりまへん。

 んが、

 いま、
 ぼくがムラッとするのんは、
 「いや~、ちょっと見んまにエライぽっちゃりしはって~」
 ムンムンムレムレに熟しきってパッツンパッツン、
 これぞゴージャスはちきれ寸前豊満バディ。

 ちなみに、
 そんなボディのフォルム形状は、
 マジなはなし「ヒゲナガの羽化寸前のピューパ」をモチーフにした。

160408(4)4.jpg

 そして、
 このムチムチ・バディを、
 トウキャンの胸羽根をつかって、
 惜しげもなく上から下から横から二枚重ねで、
 フワワ~~ッと包み込むように巻き止めてみました。

 ね、
 羽化寸前の脱皮殻に包まれたヒゲナガのピューパでしょ。

 ところで、
 そんなトウキャンに関するオモシロ話題を見つけたのでリンク。
         ↓
 こんな鳥がこの世に存在するなんて…「オオハシ」の骨格が普通じゃないと注目を集める



160408(5)5.jpg

 と、
 そのような極太ボディの存在感をさらに強調するために、
 スロートハックルもまた、
 鳩胸のようにブワッと膨らませて、
 限界ギリギリまでぶ厚くハックリングしたい。

 もちろんコレのおかげ、
 ハックル・セパレーター略して「羽根セパ」

 今後は、
 「このハックル、セパッてるね~ん」
 てかんじで。



160408(6)6.jpg

 もういっちょ。

 このエキゾチック・ナンバーワンに艶めきかがやく、
 神秘のメタリック・ブルーの小羽根一輪、
 この羽根のためだけに飾りたてたフリースタイルです。

 極楽鳥の里パプアニューギニアのはばたく宝石「リッフル・バード・オヴ・パラダイス」
 のちいさな胸羽根の妖艶な深いブルーを眺めていると、
 いつも吸い込まれていきそうな錯覚がする。

 そのブラックホールな感覚を誇大表現しているようなフライを作ってみようと腐心しました。

160408(7)7.jpg

 ドクター・ブルーのシェラッペンをセパッてファイバーの先端をビシッと揃えてハックリングして、
 そのうえにセパっておいたヴァルチェリン・ギニアの背羽根を、
 ドクターブルーよりもほんのすこしだけ長めにハックリング。
 すると、
 ヴァルチェリのファイバー先端の微細な白点が浮き出て、
 スロートハックルのさきっちょから白い粉がフワッとふいているように見える。

 セパ・テクいろいろ開発しよおもって、
 アレコレおもいつくかぎりやってるねんけど、
 このスロートハックル・スタイルものごっつ気に入りました。

 フライの名前は、
 Run Chuu #6/0 free style

 漢字で、
 「蘭宙」ランチューって読みま~す。

 ちょっとキラキラ・ネームですね。

 ボディ・ヴェイリングにつかったマコウの胸羽根の色合いと、
 なによりもボッテ~とアドバルーンのようにふくらんだヴォリュームありすぎフォルムと、
 赤く染められたクレストフェザーの羽衣状のヒレ、
 そんなこんな、
 金魚界の天女「ランチュウ」をモチーフにしてみました。


Napoleon , Lee blue & gray
160405(1)1.jpg
 
 種類を問わず、
 こうしたサドルスキン後方に生えている、
 ウェヴがハックル先端まで入っているシェラッペン状のハックル。

 このウェヴ・ハックルのファイバーをパラッパラにバラけさせてハックリングできるって……、
 それがどれだけ革命的なことか、
 君知るや?

 ハックル・セパレーターの登場は、
 ぼくにとってフルドレス・サーモンフライ・タイイングの分野でも、
 というよりも、
 むしろこの分野でこその秘密兵器になった。

160405(2)2.jpg

 これはグリズリー・パルドのシェラッペン。
 サドルスキンをひっくりかえしてスキンの後方を見れば、
 色の濃いのや薄いのや、
 いろんなシェラッペン状ハックルがわんさと生えている。

 で、

 それをハックル・セパレーター処理して、
 かつダブリングしたもの。

 こうしてみると、
 黒っぽいスペイハックルといったかんじなんだけど、

 ナマでみると、
 グリズリーの名残りのような黒い縞模様が、
 まるで崩れて白地に溶けだしているようにグラデーションがかって、
 明るいダン色や鉄錆色に変化してテカッている。

 この色合い、
 まんまケルソンの時代に持て囃されたハックル、
 いまや幻ですよと聞いていたハックル、
 あの、
 「アイリッシュ・グレイ」そのものではなかろうか?

 このそそられまくりのハックルの発見と、
 ことしの干支となるエテコの毛を組みあわせて、
 2016年にこそ巻きたい古典フライを、
 自分の色に染めまくって巻いてみました。

160405(3).jpg

 NAPOLEON Variation #6/0

 なにゆえに、
 このモッサリしたフライが「ナポレオン」と命名されたのでしょうか?

160405(4).jpg

 LEE BLUE & GRAY Variation #6/0

 このフライもナポレオン皇帝も、
 さいしょ見たときは「えっらいモッサリした垢抜けんフライやな~」
 とおもって、
 まったく食指はうごかなかった。

 やっぱ駆け出しの頃はさあ、
 ビッとしてシュッとしたフォルムで極彩色ムンムン煌びやか、
 っていうフライにこそ魅かれ憧れてこの世界に飛び込んだわけだし。

 キレイなウイングを苦労して巻き止める土台になるべきボディが、
 なんでこないに地味でモッサイねん?

 タグなんかキリッと引き締まったいつものシルクちゃうねんで、
 わざわざ豚の毛をモジャッとダビングするねんで。
 モッサイでソレ。

 ほんで、
 このボディにダビングされたエテコの毛、
 シルバーモンキーとスクイレルテイル、
 ダビングしたらどっちがどっちか全然わからんやんけ。
 
 それでもシルバーモンキーなんですね?
 なんで?

 しかも、
 そんなエテコの毛のあいだに、
 アイリッシュ・グレイなるハックルを5回転て……、
 モッサイくせに難しい注文しはるやんけ、
 そこ、
 グリズリーでええんちゃうの?
 
 アカンの?

 っていうよりも、
 このナチュラル・グレイなボディ、
 モッサイねんソレ。

 などとおもっておりました、

160405(5).jpg

160405(6).jpg
 
 が、

 下手の横好きなんとやら、
 経験の蓄積は、
 ヒトの嗜好をガラッと変えますね。

 そしてなにより年月を積み重ねれば
、知らず知らず審美眼が磨かれる。

 磨かれるのはけっこうなことやけど、
 無駄に磨き過ぎて、
 てめえのいま現在のスキルよりも、
 理想はいつも常に遥か先にあって、
 もどかしいときも多々ある。

 まあそれはおいといて、
 毛羽立たせたシルバーモンキーのボディから、
 さっきのグリパルのシェラッペンの縞々がチラ見え。
 これ、
 ナマでみるとボディにパーマークが浮いてるように見える。
 モダン・クラシック度数がグッと増してウレシイ。
 そして、
 そんなおサルのオケケに柳の枝のようにしなだれかかっている、
 黄色やクラレットや水色のスロートハックルは、
 ホワイティング社フラットウイング・サドルのスキン後方から採ったシェラッペン・セパーレート処理ハックル。
 
160405(7).jpg

 アンダーウイングとして、
 水玉模様のアーガスのセカンダリーをぶ厚めに巻き止め、
 そのうえに、
 星屑のように斑点散らしまくったド派手なマリッドウイングをドッサ~とのせた。
 本来、
 この部分にはゴールデンフェザントの尾羽根をつかうのが正しい作法なんだけど、
 それだと、
 「洗練」されすぎちゃう。
 カッコよすぎるの……。
 そうじゃなくて、
 あえてバタ臭くイモっぽく、
 あつくるしいかんじにしたかった、

 そうじゃないと、
 まるでフックから毛が生えているかのように、
 モッサ~~~と巻いたおサルのボディの重量感と存在感に負けて、
 ウイングの印象が霞んでしまう。

 古典に忠実に巻くべきか、
 それとも我が脳内イメージを具現化するべきか……、

 この葛藤、
 わかっていただける方は、

 あ~~ビゼンさんおもいきって冒険しはってんな~~と、
 微笑んでいただけるかしら?

 たかが羽根ひとつ、
 あっちにするかこっちにするかで、
 ここまでウジウジ愉し悩めるのって、
 シアワセだよね。
 
 160405(8).jpg

 カラーワイヤをねじってつくったアイと、
 タグの部分の対比にも注目してネ。

 目指したのは、
 モッサモサの本毛皮のコートのしたから、
 ド派手なパステルじゃらじゃらぶらさげて、
 きっつい豹柄のセーターのぞかせた、

 海千山千の浪速の厚塗りのベッタベタのお姉さん。
 もちろん場末系。

 コッテコテに盛りたくってまっけど、
 うちのココロはいつも乙女ですねん。


 
フウキンチョウの夕べ
160306(3)3.jpg

 THE CAPTAIN #4/0 (Geo.M.Kelson)

 ケルソンのランド&ウォーター図譜より「ザ・チャンピオン」
 1800年代半ばのクラシック。

 ウイングの素材が特徴的で、
 キンケイの尾羽根やバスタードなど当時の定番素材にくわえて、
 アムハーストの尾羽根や濃淡のオレンジ、
 それにクラレット色と濃い青をブレンドして、
 さらにそんなウイングのうえにピンテイルやティール、
 それにギニア・フォウルのマダラ模様のファイバーを散らせなさいよ、
 と指定してある。

 ここでは、
 これら色とりどりテンコ盛りのファイバー素材をすべて均等にブレンドして、
 ウイング全体に色んな色と模様がブワ~ッと散りばめられた、
 フリーファイバーのミックスド・ウイング仕様に巻いた。

 と、
 そんな写真の古典フライなんですが、
 素材もすべてレシピ指定に添ってこしらえてはあるんですが、
 にもかかわらず、
 パッと見どことな~くポップでモダンなハイカラさんムードに映るのは……、

160306(1)1.jpg

 各色のシールズファーのダビングのあいだを縫うようにハックリングした、
 ボディハックルの色合いがミソ。

 オリジナル指定は、
 シルバーバジャーを赤っぽいクラレット色に染めたハックル。

 赤色がかったクラレットのバジャーなあ……どないしよかなあ……、
 ハタとおもいついて、
 これだ!
 と勇んでつかってみたのが、
 もうずいぶん昔に購入したホワイティングのアメリカン・サドル・ブラックレースの「マジェンタ」

 ヴィヴィッドな蛍光色をした、
 こうしてスキン全体で見るとなんともヤンキーなド派手サドルハックルですが……、

 このハックルの、
 ファイバー先端が黒くなっている部分が、
 ちょうどフライのスロート付近にくるようにハックリングすると……、

160306(2)2.jpg

 ああんエエ感じやんかチョーウレシイ。

 ボディのシールズファー各色のなかに、
 ハックルが紛れ込んでしまうことなく、
 たまらんかんじに調和して映ってる。

 そしてなによりも!

 ハックルファイバー先端の黒い部分が素晴らしい隠しアクセントになって、
 スロートハックルにつかったブルーのハックルと、
 ナチュラルのギニアフォウルのハックルの発色がドドンと全面に押し出され、
 すっげえ立体的に見える。

 たいへん満足です。

160306(4)4.jpg

 そんなわけで、
 昨日のスズメにつづいて、
 今回もまた我が家のちっちゃな小鳥羽根の宝物のご紹介です。

 パラダイス・タナガー和名「ナナイロフウキンチョウ」のサドル・スキン。
 Paradise tanager←ウィキペディア

 

 
 おもわず見入ってしまう大胆な配色の小鳥。
 この小鳥の色合いを見ても、
 各色のパステルカラーを黒色ではさむと、
 実際よりも色が際だって鮮やかに映るのがわかるよね。

 で、
 こんな人差し指のさきっちょにのっけられるようなミニミニなスキンに、

160306(5)5.jpg

 こ~んな羽根がびっしりミッチミチに生えている自然の神秘です。

 この羽根かわってんの、
 真っ白でフワフワなウェヴの部分よりも先端のオレンジ色のところが、
 まるでガラスのように硬質で半透明、
 光を受けるとギラッギラに反射して輝く摩訶不思議な小羽根。
 
 インディアンクロウなどとは似て非なる質感。

 この羽根をやねえ、

160306(6)6.jpg

 まずはもちろんチークにつかってみる。

160306(7)7.jpg

 そして蛍光灯の光に当ててみる。

 じつはこのフリースタイルのフライ、
 テイル末端とボディヴェイリングにゴールデン・フェザントのクレストフェザーを赤く染めたモノをつかっている。
 この素材もまた透過性に優れたガラス質な半透明ファイバー、

 なので、
 光を当てると、
 テイル末端からヘッドまで並べた赤い羽根だけが、
 おなじような雰囲気でクリスタルにギラギラッと光を反射するようになってんだよね。

160306(8)8.jpg

 そしてこのフライ、
 こうしたタイプのマリッドウイング・スタイルとしては、
 ものごっついでっかい。

 サイズ#8/0 のフックに、
 ウイングもハックルもトッピングも、
 こぼれおちんばかりにブワッとのびのび巻いてある。

 とくに、
 これでもかと積み上げたマリッドウイングのうえに、
 のびやかに、
 フワ~ッと、
 包み込むようなかんじで自然にファイバーをひろげている2本!のトッピングにご注目を……。

 ちなみに、
 このトッピングの全長は約11センチ強ってところ。

 実際に巻いておられる方ならば、
 切ないほどにわかっていただけるかとおもいますが、
 このトッピングの長さと、
 サイズ8/0 に巻いてこのトッピングのカーブ形状、
 ちょっとありえへんでしょ?ヌハハハハハ

 なんか、
 このサイズのフライに、
 こんなフォルムでブワ~ッとトッピングがのっていると、
 もうそれだけでトキメキが溢れちゃいそうです。
 どことなく非現実的なかんじさえしてくるぞ。

 とはいっても、
 このトッピングはけして特別なものをつかっているわけではなく、
 むしろそこらにあるフツ~の長さのフツ~のクオリティのフツ~のやつ。
 プレミアム・グレードでもなんでもありません。

 それを発想の逆転でチョコッと細工して加工した。
 んで、
 年末からこっち、
 どこかに出張するとき以外は、
 もうず~っと引きこもってこんなことばっかやっていたら、
 こんな感じに巻けるようになりました。

 この細工や加工を、
 正統派サーモンフライ・タイイングにあるまじきインチキととらえるか、
 羽根そのもののクセや特徴をうまく利用した細工とみるか、
 それは各自の裁量と嗜好のもんだい。

 160306(9)9.jpg
 
 そして完成図。
 白と黒のツートーンなマダラ模様に、
 ラベンダーとブルーをあしらったマリッドウイングの根元が、
 アンダーソン・フェザントのショルダーをつかったサイドウイングから透けているところも思惑通り。

 ボク大満足。

 で!
 そんなマキシマム・サイズな巨大フライのスロートハックルにも、
 ぜひぜひぜひご注目を……。

 ウイングの色調に調和させて、
 ラベンダー色に染められたギニアフォウルをスロートハックルに巻いたんだけど、

 その色合いもさることながら、
 なによりもこのファイバーの長さとフワッとした質感、
 そしてこのヴォリューム!

 くりかえすけど、
 コレ、
 サイズ8/0 でっせ。
 それでありながらこのハックルの存在感。

 良質なスロートハックル素材を渇望して、
 ここのところがいつも悩みの種だった自分にとって、
 このギニアとの出会いは、
 ちょっとしたギニアフォウル革命だった。

 その仕掛け人はもちろん!ホワイティング博士。
 ということは、
 このアンビリーバブルなギニアの羽根が一期一会のレアな出会いではなく、
 きわめて安定供給……ということを意味するわけだ。
 震えるで……。

 同好諸氏の皆さま、
 しばし待たれよ。
 えげつないギニアのハックルを、
 湯水のように使い倒せる時代がやってまいりました。

copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.