BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
201705<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201707
気分
 たとえばタイイングデモなんかで、
 昔から使っているような定番的スタンダードフライとか巻いたとするでしょ。

 すると、
 参加してくださった方から、
 以前の雑誌記事やDVDではこのように巻いていたのに、
 今回はぜんぜんちがう方法になってますね、
 というご指摘をいただくことがたま~にある。

 ときにはそれを揶揄するような響きでおっしゃる方もいるけれど、
 気を悪くするどころかむしろメッチャクチャうれしい。

 とりもなおさず、
 熱心に読んだり観たりしてくださっただけでなく、
 それを実践してくださっているということだから。

 どんだけありがたいことか。
 (……んも~~アナタめちゃくちゃヒイキしちゃうZO……)

 で、
 そういうときには、
 「より良い方法やより機能的なスタイル目指して日々邁進しながら進化させていくことこそが、
 職人としてのあるべき姿なのではないでしょうか」
 などと、
 カッコエエことをしたり顔してもっともらしくエラそうにこいちゃったりするわけですが……、

 あとでものごっつハズカシイわけですが……、

 161105(3)3.jpg
 オリジナル・レシピで巻いたクイル・ゴードン。
 フックはTMC5210の10番。
 
 クイルボディにご注目を。
 本来ならば20番以下のミッジピューパなんかのボディに巻くような、
 ほっそ~いストリップド・ピーコック・クイルを、
 10番のフックにびっちり巻いてある。

 なので、
 ピーコックのクイルボディ独特の縞模様がものすごく密に浮き出ていて、
 いつもの見慣れたクイルゴードンとはどこか印象が違って見える。

 とうぜん、
 極細のクイルは全体の長さも短いので、
 10番のフック全体に巻くことはできない。
 なので、
 都合2本のクイル材を継ぎ足して巻いてある。

 わざとその継ぎ足した部分が見えるように写真に撮ってみたけどわかるかな?

 というわけで今夜は「縞々模様のフォーマルダンディなクイルゴードン」

161105(4)4.jpg
 パートリッジのバックフェザーをフロント・ハックルに巻いたイングリッシュ・マーチブラウンの12番。

 パートリッジの腰付近のひょろ長くて細いファイバーを、
 ハックルセパレーター処理したのちに、
 ダイレクトハックリングで巻き止めた。

 ので、
 若干カールしたパートリッジのファイバー先端があっちこっちバラバラに向きつつ、
 テンカラ逆さ毛針のように前方を向いている。

 水面に浮かべれば、
 ボディに巻いたワシミミズクのケバケバ質感と相まって、
 翅をひろげてジタバタもがくフラッタリング状態のシマトビケラ的ファジー感。

 というわけで今夜は「ボサボサファジーな着崩しマーチブラウン」

161105(1)1.jpg
 淡~いピンクのシルクでほんのりほてった湯上りボディ色に巻いた、
 ロイヤル・コーチマンならぬヒト肌艶色コーチマンの12番。

 ハックルも濃厚なコーチマン・ブラウンをいつものスタイルで厚めにハックリングするのではなく、
 小麦色ジンジャーを狭い範囲にキリリと密にハックリング。

 というわけで今夜は「ツンとおすまし小粋なお洒落女子コーチマン」

 161105(2)2.jpg
 JUNIOR BYLES & THE UPSETTERS - The Thanks We Get [1974]

 というように、
 たとえスタンダードフライであっても、
 いや、
 スタンダードフライだからこそ、
 (……きょうはこんな感じで巻いてみようかな~ウフフ……)的な、
 そのときの「巻き気分」や「イタズラ心」こそがとても重要。

 変化は進化……なのか?
メモリアル・デイズ2016
 夏の終わりから初秋にかけての爆裂台風あとの、
 ちいさな決闘の物語。
161102(4)4.jpg
 えげつない下あご。
 しゃくれるにも程があるっていうか、

 これまでにも、
 道内各地にて下顎が異様に突き出た爬虫類系のオスと闘わせてもらえる幸運が何度かあって、
 そのたびにメチャクチャ感動してきたけれど、

 厳つい顔つき、
 狡猾さ、
 孤高のたたずまい、
 高貴なオーラ、
 アナタぶっちぎりでシャクレ・チャンピオン。

 ヤツはホンマモンのサムライだった。

 こんなのが、
 物音ひとつしない深い森のなかのちいさな山上湖で、
 波ひとつない静まり返った湖面の片隅で、
 コプンッ、
 コプンッと、
 胸がキュッとなるようなライズ波紋を微かに響かせながら、
 密かに隠れるように、
 水面に浮かぶちっちゃなちっちゃな甲虫を吸いこんでいたんですよ。

161102(2)2.jpg
 私家版ブラック・ビートルの16番tied on TMC9300。
 こうしてみると、
 とってもありがち月並みなビートルなんだけど、
 ひとひねりもふたひねりも細工してある。

 なんといってもテントウムシ型のコロンと円形フォルムで、
 かつ水平姿勢を保つバランスかつシンプル構造などなど、
 
 おいしいですよ!

 と、
 このフライでこのサカナとはじめて対峙したときの模様と、
 このフライのタイイングの話題は、
 釣りたてホヤホヤのアドレナリンだばだば状態で、
 先月号のフライフイッシャー誌に書き殴らせていただいたわけですが、

 じつはまだこのサカナとの物語にはつづきがあって……、


 さいしょにこのサカナを釣りあげた日からかぞえて五日後くらいだったか、
 また同じ釣り場に行って、
 ヤツがライズしていたポイントに行ってみたら、

 午後遅く、
 湖面をなでていた微風がピターッと止まってしばらくしたら、
 またもやコプンッコプンッとはじまった。
 しかも、
 最初の遭遇のときよりもはるかに高活性。

 さ~らに、
 その日は朝から釣り場全体が高活性。
 オレ様特製コロコロ・ビートル大活躍ぼくノリノリ……。

 で、
 このときはよもや前回と同じサカナだとはおもわず、
 もう釣れる気満々自信満々でフライを投じたわけですよ、

 それでさあ、
 聞いてくれる?

 ゆ~っくりクルージングしながらコプコプいわせてるサカナの回遊コース予想して、
 何投目かにタイミングもサカナとの距離もドンピシャ!
 とおもわれる地点にフライが浮かんで……、

 こ~れはイッちゃうでしょ~気持ちがビーーーンとはりつめて心臓バクバク。

 が、
 が、
 が、
 フライの真下まで来たサカナが、
 「おっとヤバイヤバイ…」みたいな態度で反転してUターンしたときの残り波がユララ~ンとたって、

 フライが水面でフワッと揺れて、
 それでおしまい。

 「え?ウソ?見切られた?なんで??????」

 あとは、
 いくら待っても水面はシーンと静まり返っちゃってサカナの気配も消えて……、

 (ひょっとしてアレ、このまえのシャクレ・サムライやったんか?)

 もはや、
 チンピラを相手にする気にはなれず、
 水面に浮いてるムシ探しに没頭し……、

 ショートシャンクの18番かでかめの20番くらいの、
 極小ハムシ的甲虫の仲間が点々と水面に浮いているのを確認。

 シビアなライズ攻略のキモは、
 なんちゅうてもまずフライのサイズと確信しているワタシとしては、
 161102(5)5.jpg
 アジトに帰宅して、
 アンデス・コンドルのブラッククイルをねじって巻いて、
 ソッコーこんなん拵えて、
 出撃の機会を待ったのですが、

 翌日から雨風ビュービューで……、
 仕事も溜めちゃってハラハラで……、

 ようやく出かけられたのは一週間後くらいだったかそのくらい。

 で、
 他のポイントでも釣りながらも、
 このサカナが陣取っているであろうピンスポットが気になって気になって……、

 で、
 また微風がとまって湖面がビターーッとなるやいなや、
 そのピンスポットに行ってず~~っと一点見つめながらヒマ過ぎてタバコ何本吸ったやら。
 吸い過ぎてえずいてしもたがな。

 で!
 まるで周囲の森があらゆる音を吸いこんでしまったかのような、
 シーーーンと静まり返ったなかで、
 午後おそくコプンッて微かな音が響いてドッキーン。

 さいしょは、
 写真左側の小さいほうのフライをドッキドキで投げたわけですよ。
 先週観察した極小ハムシのぴったりサイズ。
 しかも倒木だらけのこのポイントではデンジャラスな6Xのティペットに結んで。
 
 もうとにかくまずは掛けたい一心下心丸出しですね。

 ところがさあ、
 クルージングコースにフライを浮かべると、
 サカナのやつ、
 ライズはやめないけどスーッと回遊コース変えちゃうの。

 そしてまた、
 予想外のところに浮上してコプンッコプンッ。

 (ダメだこりゃ……)

 そのころにはなんか根負けしてしまい、
 負け戦ならいっそ実験してみたろと、

 ティペットを5Xに変えて、
 フライも写真右のおおきいほうに変えて、
 濡れた指先でフライのボディだけグリグリ揉み倒して濡らして、
 目の前の水面に浮かべてみれば……、

 フックのシャンク中央に立てたCDCだけが水面に突き出て、
 ボディもヘッドも水面膜の直下に張り付くような姿勢。
 そして、
 ヘッド部分が水面下に突き刺さっているので、
 とうぜん結び目から数センチくらいだけ、
 ティペットも水面下に沈んでいる。
 で、
 そのうえでフライは水面直下にぶら下がるのではなく、
 水平姿勢を保って水面直下にはりつくように浮いている(←ビートルのバランスこれすっごい重要だとおもう)

 先につかった小さいほうは、
 フライのサイズが小さすぎるのと、
 構造上どうしてもティペットがフライの結び目から水面に張りつくように浮いてしまう。

 フライのサイズが異なるだけでなく、
 この浮き方が両方のフライの一番大きな違い。

 で!

 サカナが立て続けにライズするたびに、
 投げたくなる気持ちをグッと抑えながら、
 もっともアプローチしやすい地点に回遊して来るまで待ちに待って……、

 一投入魂。

 コプンッ

 奇跡だとおもった。

 掛った瞬間、
 前回はダバダバダバッと水面ではげしく身をよじらせてからギューンと走ったので、
 こちらもなんとか冷静に態勢を整えられたんだけど、
 今回はフッキングするやいなや、
 ギュギュギュギュギューーーンッと倒木めがけて爆走して、
 そのままズズズッとティペットが倒木にスレている感触があって、
 口から心臓を半分出しながらヒイヒイハアハアで強引にいなした。

 6Xのままやったら、
 ひとたまりもなかったんとちゃうやろか?

 この一幕で、
 ティペットの影にこそ警戒していたのだと結論付けるのはナニやけど、
 これほどあからさまにサカナの態度が変わるとは……。

161102(3)3.jpg
 おもったとおり、
 前回釣りあげたのと同じニジマス。

 このお顔ですもの、
 見間違いようがない。

 うえから見てもすんごい下アゴ。

 じつに挑戦しがいのあるイッピキのサカナと長い時間をかけてじっくり対峙させてもらって、
 フライフイッシングのエッセンスここに極めり的な至福で至高の濃厚な時間を、
 なんと三日間にわたって堪能させてくれたニジマス。

 フライフイッシングの神様が、
 ぼくに遣わしてくれた最高のイッピキ。

 って、
 言っちゃってもいいですか?
 
一期一会のお買いもの
161025(1)1.jpg
 先日ネットサーフィン(これって死語スか?)をしていて、
 むかしむかし買い物したことのある、
 とある異国の田舎の釣り道具屋さんのHPを久々に再訪して、
 懐かしいなとヴィンテージ用品を見てみれば、

 歴代の著名人お手巻きフライ特別販売のコーナーにて、
 アート・フリックやロイ・スティーンロッドにリー・ウルフそしてハーマン・クリスチャンなどなど、
 キャッツキル・ドライフライの重鎮お手製フライや当時のお手紙などと共に、

 なななんと!

 あのエドワード・ヒューイット御自身が巻かれたブラウン・バイビジブルが2本も!販売されていたらしく、
 フライの写真のところに嗚呼無情…ソールドアウトの文字。

 あたしゃハンケチの隅っこ噛んでキキキキキキキくちおしゅーてくちおしゅーて。

 それスッゴイほしかったのにぃ…………

 ほんま、
 こういうのは一期一会の巡り合いやから、
 ま、
 グダグダゆうてもしゃあないですわ。
 161025(2)2.jpg
 でもなあ、
 ヒューイットが、
 どんなハックルをつかっていたのか、
 どうやってハックリングしていたのか、
 ハックルの密度はどのくらいにしていたのか、
 ファイバーの長さはどうなのか、
 フィニッシュはどうやってんのか、

 とかとかとか、
 ホンマモンをナマで仔細観察したかった。

 そしてなによりも、
 フライというものは、
 巻いた人のスキルや経験だけでなく、
 その人となりをも、
 隠しようもなく映し出す鏡のようだ、
 と、
 つくづくおもっている自分としては、

 深く敬愛し尊敬して止まないヒューイットの代表作となるバイビジブル、
 写真でなくホンマモンを手にとって、
 フライから滲み出るお人柄をこそ嗅ぎたかった。

 と、
 グダグダグダグダ未練たらしいんですけど、

 
161025(3)3.jpg
 6フィート3インチ4番。
 ロクサンのヨン。
 ショートロッド好きにとってこの数字の響きはトキメキの合言葉。

 なぜなら、
 ポールHヤングの「ミッジ」のスペックだから。

 ちょいまえにご近所のアサマ・ロッドワークスのアサマさんちに遊びに行ったとき、
 「最近ノッててさあ、興がのったんで、戯れにこんなのも作ってみたんだ」
 なんつって、
 アサマさんが乾燥室からまだブランク状態の「ヒジョ~に個人的な趣味の竿」を出してきて、
 4本継ぎをつないで見せてくれたんだけど、
 手にとってビュンビュンって数回素振りしただけで、
 ビビビビビビビ……ってきちゃったんだよね。

 レッツ・フォーリン・ラブ…。

 ほどなく完成後、
 「売りに出すけど、どないしますか?」
 との御連絡をいただいて、

 「ボク買います買います買いますすぐ行きます!!!!!」
 途中のセブンイレブンで小遣いおろしてソレ握りしめてドキドキで……、

161025(4)4.jpg
 ヤングのミッジのテーパーをベースにしてはいるけれど、
 アサマさんの色と個性と、
 なによりこの竿を製作した時のアサマさんの気分に染め上げられた、
 いわば2016年度版アサマ・ミッジの一本。

 なんちゅうても転がる石のように日々変化進化が止まらない頑固ビルダーの気まぐれ作(スイマセンスイマセン口が過ぎました)
 まさに唯一無二、
 そして一期一会の幸運の出会いでした。

 本家ミッジってさあ、
 ヤングのもサマーズのも、
 こうフォルスキャストしてラインを伸ばしていって、
 ある距離まではスカスカしたかんじなんだけど、
 その距離を超えるといきなりラインの荷重がグーーーンと竿にのってブッ飛ぶような、
 短いけど頼もしく男らしい印象があるねんけど、

 この竿はもっと、
 そのテイストのまま、
 なんていうかもっと滑らかなシルキータッチ。
 大げさに表現すると、
 あるていど出したラインの荷重が竿に乗ると、
 手の平のなかで竿が曲がって、
 なんかラインを直接にぎって投げているようなダイレクト感というか一体感。

 非常にカイカン。

 このときは、
 8番のマシュマロ・ビートル(ラバーレッグ付き)と11番のアダムス・パラシュートを交互に4Xのティペットに結んで、
 終日たのしく過ごしました。 

 まだたったの2回しかつかってないので、
 性能云々は控えるけど、

 なんちゅうかこう、
 ほんと久々に「アンタに一目惚れ」的衝動買い。

 後悔もないけど小遣いもない。

 それにしても、
 おもうように釣りに行けない日々が続くと、
 物欲がスーパーハッチするのはなんででしょうか?

 
Pink Lady
161013(1)1.jpg
 この写真を見て、
 どうしようもなくロイヤルコーチマンが思い浮かんだ貴方が好きです。

 ちょっと、
 ムシがたかってますけど、
 道南の北檜山ってところのプチトマト。

 お口の中でプチンと弾けると、
 鮮烈な酸味と楚々とした甘みが、
 口中でせめぎあい香り立ちながら可憐に炸裂します。

 往く夏を惜しみつつ夏の滋養をいただくような、
 そんな一品。

 たいへんけっこうでございました。

 ところで遠い昔のランドセル時代、
 ルパン三世をテレビでみて、
 ふ~じこちゃんガリガリやのにオッパイでっか!それはもう衝撃的で。

 なんか、
 現実にあんなボインおったら、
 日常生活に支障が出はるんとちゃうんやろか?

 と、
 子ども心に性の芽生えと並行しながら心配した幼き思い出があるのですが、

 長い歳月を経てわかった。

 ふ~じこちゃんのオッパイは、
 したたかでお色気ムンムンの悪女のイメージを、
 ストレートなエロ込みで視覚的に誇張表現するための重要なパーツなのではないか?

161013(5)5.jpg

 そんなわけでキャッツキル・トラディショナルから「ピンクレディ」

 ピンクのシルクで巻いた極細スローテーパー・ボディをビチーッと締めて巻き、
 極細極薄のフラット・メタルティンセルをリビング。

 そ・し・て・

 そんなキュッとしたスリムバディとは対照的な、
 シャンクからこぼれ落ちんばかりの豊満なクイルウイング。

161013(8)8.jpg

 で、
 じっさいにこのピンクレディをつかうとしたら、
 フロロの3Xに結んでさえもヒト投げでティペットはチリッチリ……、
 華奢なボディは一撃でこっぱみじん必至。
 限界までふくらませたクイルウイングは数投のうちにバラッバラ、
 という事態になるでしょう。

161013(7)7.jpg

 でもそれでいいの、

 このフライは釣りにつかうつもりで巻いたのではなく、
 「クイルウイングのドライフライらしさ」を最大限誇張して愛でるためにこそ、
 という目的で巻いたもの。

 いつか完成させたい「ドライフライ曼荼羅」の一齣として。

161013(4)4.jpg

 ホワイティング・ヒストリックのジンジャー系でハックリングしてみた。
 黄色味のつよい小麦色のタイプ。
 
 まさに、
 枯れた味わいの透明感ですね。

 18番とか20番にパラッとハックリングしてみ、
 残照の陽に照らされ透過したフタバコカゲロウの翅のかんじそのものやねんで。

161013(6)6.jpg

 で、
 まことに僭越ながら、
 またほのかな自己顕示欲垣間見せコッパズカシながら、
 「クイルウイングこんな風にも巻いちゃいますヨ」という無言の主張でもあるわけです。
 
 かわいいもんですよ。
つれづれ
160620(1)1.jpg
 指でつまむとクシャッとつぶれそうなムクドリのちいさな翼をウイングにあしらった、
 リードウイング・コーチマンとかゴールドリブド・ヘアーズイヤーとか……、

 クリンクル・ジーロンでボディや背中をクルンと包んだ、
 スパークル・ピューパとかアイリス・カディスとか……、

 和洋折衷ならぬ、
 新旧折衷で。

160620(2)2.jpg
 22番のクリンクハマーから8/0 のフルドレスサーモンフライまで、
 各種各サイズ巻き乱れたうえで、
 つくづくおもったので言うけど、
 「カスケイド・ナノシルクスレッド」すばらしいですね。

 切れにくい、
 っていうかまず切れない、
 こうした単繊維スレッドにありがちな「ほつれ」もおこりにくく、
 シルキー・タッチな手触りで平たく巻くにも捩じって巻くにも自在感あり。

 固形ワックスのノリもよく、
 接着剤の染みもよく、
 ワックスを効かせるべき箇所ではガッツリ塗布して巻いて、
 ヘッドやクリップボディなど、
 あとで接着剤を染み込ませるところではそのままで巻いて……、

 160630(1)1.jpg
 ハレンチ学園。

 こうして見ると太陽光がモロにあたって色が若干薄く見えるけど、
 なななんと、
 蛍光どっ派手オレンジに染められたホワイティング・ハイ&ドライのネックハックル。 

 つかうのが恥ずかしいほどに良く見えたい、
 100メートル先の水面に浮かべてもバッチリ見えちゃう?
 なんとしても見えてほしい視認性120%?
 というコンセプトに基づいたのであろうことは明白のブランニューなサンプルだそうです。

 ほかにショッキング・ドッピンクとか、
 ブナムシも真っ青の目の覚めるような鮮烈チャートリュースとか、
 あります。

 賛否あるでしょうけど、
 なんかかわいい。
160630(2)2.jpg

160630(3)3.jpg
 アイリス・カディス……だっけ?
 クリンクル・ジーロンによるクリンクル・ジーロンのためのカディス。
 アメリカ西部生まれのガイドご用達フライ悪く言うと 「味もそっけもない釣れりゃあそれでいい的化学なイージー現代フライ」 の筆頭格。

 こんな、
 こんな、
 こんなあざとい、
 素材の特性に頼りきったような、
 あまりにストレートな下心剥きだしの可愛げのない化学繊維の束フライを、
 よもやこのオレ様がティペットに結ぶなんて……クゥゥゥゥ~~~~そこに愛はあるのか?

 そのようにおもっていた時期もありました。

 が、
 いまごろナニゆうてるねんてセンスのなさですけど、
 チリチリに縮れたクリンクル・ジーロンて、
 透明感、
 光の反射、
 吸水性、
 繊維の太さ硬さ質感などなど、
 つかえばつかうほどに興味深くなっちゃって……、

160630(4)4.jpg
 ご存じゲイリー・ラフォンテーンの「スパークル・ピューパ」

 これねえ、
 インナーボディにワシミミズクのプライマリーのクイルを太めのコッパーワイヤでねじって巻いてあんの。
 で、
 そのうえを、
 淡いオリーヴ・グリーンのクリンクル・ジーロンをスッカスカに、
 ボッサボサにフワッとくるんでいます。

160630(5)5.jpg
 とくに、
 そのような色合いとサイズのカディスが羽化しているわけではない状況。
 むしろテレストリアルな状況。

 でも効いちゃうんだよ。
 ときどきものすごく……。

 そのワケは、
 このフライのヴォリューム感と、
 写真でもわかるジーロンとインナーボディのあいだにたっぷり含まれた水分。
 この濡れ雑巾フライがジワ~ッと水流に揉まれ流れる、
 その水馴染みの様子とヌメ~ッと抵抗を感じさせる流れ方は……、

 そしてまた、
 わずかな陽の光をも吸収しながら、
 鈍いキラメキとして放出するようなクリンクル・ジーロンの輝きは……、

160630(6)6.jpg
 木陰で一服しながら、
 何気なく撮った一枚に、
 ワタシの言いたいことが写っておりました。

 フライのハックルもボディも、
 エアロドライなインジケさえも、
 風景のなかに馴染んでいるなかで、

 デルタウイング状に巻きとめたクリンクル・ジーロンの数束だけが、
 かすかな陽の光を受けて、
 そこだけ浮きあがって見えませんか?
 ちじれた繊維が、
 まるで虫の翅の翅脈のような印象で……、

160630(7)7.jpg
 ミッシング・リンク風の11番。

 こうした、
 むかしっからたっくさんの人がフツーにおもいついて、
 アントだスペント・ダンだデルタウイング・カディスだと、
 多くのパターンやスタイルにアレンジして取り入れながらも、
 従来のスタイルのヴァリエイションだからというわけで、
 とくに名前もつけることなくフツーに巻いていたスタイルに、

 シレ~ッともっともらしいネーミングをして、
 いいとこどりして最新オリジナルを名のる風習ってプライドとしてどうやねん?

 と、
 悪態つきながらもその一方で、

 そのネーミングがまたカッコエエやんけ。
 センス満点。
 ジクジたるものを感じながらも、
 おもわずつかいたなるやんけ。

 という内心複雑なスタイルの筆頭格。

 もちろん、
 こういうのはそっくりそのままレシピをなぞるわけがなく、
 私家版アレンジしまくりの方向で……、

 コレはねえ、
 TMC102Yの11番に、
 ダークダン色(ボディに巻くとチョコレート・ダン色になる)のカイト(トンビ)のセカンダリーを5本くらいと、
 金色のフラッシャブーを一緒にねじって、
 チョコレート・ダンのボディの隙間から金色のキラキラがチラチラッと覗いている特製ボディに、

 ジンジャー色のクリンクル・ジーロンをデルタウイング状のスペントに巻き止めて、

 ハックルの芯が黒くなっているファーネスのハックルを短めにハックリングして、
 ヘッドのところに黒いアクセントをつけた。

 地バチちっくな一本です。

 陽の光がサンサンと降り注ぐチャラ瀬の水面に浮かべてみると……、
 チョコレート色の地に金色がチラチラッとキラメクいかにもな色合いのボディが軽く水面下に浸っており、
 そんなボディを透明感バツグンの縮れたジーロンのウイングが水面膜にヒタ~ッとはりつきながら支えており……、

 くやしいけど、
 くやしいけど、
 メッッチャ釣れそうやんけドキッとするほど虫やんけ~~~。

160630(8)8.jpg
 そしてなんでか、
 フッキングめちゃエエ気がするやんけ~。

 そう、
 ワタシのマイブームはいま、
 猛禽類のクイルボディと縮れたジーロン……これだよねってかんじで。

 ちなみに、
 マイブームという言葉に、
 これまではものすごく抵抗があった。
 のですが、
 最近ユーチューブで視聴しまくっている「タモリ倶楽部」をとおして、
 これまた最近大好きになった「みうらじゅん」さんの造語だったと判明してからというもの、
 バンバン率先してつかっています^^。

160630(9)9.jpg
 とまあ、
 クリンクル・ジーロンをキッカケにして、
 これまで毛嫌いしていたような下心剥きだし系の安易なフライも、
 「毒を食らわば皿までも……」と巻き倒してつかい倒してから論じたろやないかと、
 そのような方向でいってるわけですが……、

 フツーのアダムス・パラシュートにホッとする。

 といいつつ、
160630(10)10.jpg
 ひっくりかえすと、
 ボディはこんなかんじ。

 カイト(トンビ)のライトダン色のクイルに、
 ソルトウォーター系ストリーマーにはお馴染みの素材「エンジェル・ヘアー」のホロ・パールや金や緑や紫の繊維を、
 一本づつ一緒くたにしてねじってボディに巻いてみた。

 フラッシャブーよりもキラメキ感を抑えつつ、
 カイト(トンビ)のフワッとした繊毛のあいだから、
 いろんな色合いのキラキラがかすかにチラッと透け見えて……、

 濡れるとさあ、
 カイト(トンビ)の繊毛がテロッとボディを覆ってさらにエロエロです。

160630(11)11.jpg

160630(12)12.jpg

160630(13)13.jpg
 フロータントはジェル状のをさいしょに擦り込んだだけ、
 そしてもうナンビキ釣ったやら……、

 丸半日、
 ず~っとコレだけつかっていたけれど、
 さいごまで軽やかなバランスと浮き具合ヒジョ~に快適でした。

 そんなわけで、
 今夜もまたトンビにミミズクにコンドル猛禽類御三家のクイルをネジネジしながら、
 縮れたジーロンをシッポや抜け殻やウイングに巻き止めるのじゃ。

 あ、
 ナニを巻くにせよジーロン繊維の束は少なめスッカスカでね、
 コレ大事なコツですよ。

copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.