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BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
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インチワーム狂想曲
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 2Xロング・ストレートシャンクの8番に巻いたロングボディなパラシュート。

 吸水性に富んだレーヨン素材各色を、
 モンカゲの羽化直前のニンフの色調にブレンドしたものをほっそ~くボディにダビング。
 ソラックスはツキノワグマのアンダーファーをちょい毛羽立たせ…これがまたモンカゲのニンフの透明感のあるくすんだ色にそっくりで…、
 ハックルはファーネス…ハックル中央部の黒い部分でモンカゲのウイングケースを表現して…、
 テイルはヘン・コック・デ・レオンのチカブーのファイバー数本。

 んで、
 これにジェル状のフロータントをゴシゴシ擦り込むと、
 テイルの部分も水面膜に貼りつくように浮く。
 そのため、
 ボディが水面下に完全に没してぶら下がるように浮くのではなく、
 なんていうかボディ部分だけ水に浸って、
 まっすぐキョーツケしているようなカッコで浮く。

 羽化直前のモンカゲロウのイマージャーを暗示したパラシュート・スタイル。

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 転じて、
 やはりロングシャンク8番に巻いた、
 クリンクル・ジーロンをデルタウイング状に巻き止めたスペントウイング付きパラシュート。

 ポストの位置をボディ前方ギリギリに立てて、
 テイルはオミット…これくらいのサイズのパラシュートだと、
 このほうが着水時のバランスが良い気がする。

 やはり、
 ロングボディがまっすぐキョーツケして軽くななめ姿勢で水に浸る構造。

 モンカゲのスピナーを暗示したスペントウイングなパラシュート。

 と、
 どちらも元々はモンカゲの羽化にあわせてつかうつもりだったんだけど……、

 むしろ、
 モンカゲの集中羽化がひと段落して本格的な夏になって……、
 長雨による河川氾濫もようやくおちついて、
 かとおもったら連日の酷暑でもはや川は渇水気味、
 サカナたちはすでにハルゼミやチェルノやビートルなどなど見飽きちゃって、
 バルキーでプッシーでビッチな極太巨大テレストリアル系にスレッスレな状況になってから、
 そうしたフライを完全に見切ってしまうマスたちに、
 これらのフライがなんでか妙に好評だった場面が何回かあって……、

 「細長いボディがまっすぐ姿勢でかろうじて水面膜の下で浮いている」
 という状態が効いているのだな、
 と実感するようになって……、

 その明確な理由が知りたい、
 という課題を掲げて、
 連日ひたすら釣り呆けておるわけですが……、

 なんていうか、
 いつかきっとバチが当たるんじゃなかろうかと不安になるような、
 濃厚かつ濃密な至福釣り体験の日々。

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 海千山千の愛しき彼らとの丁々発止な捕りモノ駆け引きの日々。
 悔し涙に頬濡らした日もありました。
 己の未熟に歯ぎしりした日もありました。
 はたまた、
 勝利の雄たけびをあげた日もありました。

 そしてワタシ、
 おもったんですわかったんです。

 「なんでもっと早くからこの虫と真剣に向き合わなかったのか?」

 こうしたロングボディ以外はなんの変哲もないフツ~のパラシュートが、
 我知らず、
 ひねくれまくった巨マスに気に入っていただけた原因のひとつは……、

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 コイツとちゃうん?


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 コレは先週までのヴァージョン。

 今週はコレの反省点あるいは改良点をふまえたニューヴァージョン試作フライ多数持参して、
 目下連日集中お試し中。

 ワックワクするような課題や疑問や考察を掲げて釣りに行くと、
 もうたまらんくらい愉しいです。

 
 そしてもっちろん!

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 マドラーミノー毛虫化計画も目下着々と進行中。

 もっぱらクイルボディにつかっているワシミミズクのセカンダリークイルの先端部分の余りのところ、
 クイルボディにつかうには肉厚でファイバーが短すぎてつかえないけど、
 捨てるには余りにキレイでもったいないフェザーの先端部分をウイングにつかった、
 4Xロング4番の爆裂サイズ・ヒグマのガードヘアーこってり盛り盛りマドラーミノー。

 ワシミミズクの毛深くファッサ~とした質感とヒグマの金色があいまって、
 毛虫度数グッと高めのゴージャス仕様。

 ボディは金のティンセルのうえに橙色のオストリッチを乱れ巻き。
 ボッサボサ。

 なんちゅうてもこのサイズのフライが、
 ポッカ~ンと水面に浮いてるわけやから、
 ドバンッ!と水面蹴散らして喰いつくとおもうやろ?

 ちゃうねん、
 たいていグボッとかジュボッとか音たててフライが水面下に引きずり込まれるかんじ。
 
 たまらんで。
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 んで、
 ひと呼吸おいてグイィィッと合わせると……、

 たまらんで。

 イモムシ毛虫語りたいことはもう山ほどあれど……、
 スイマセン、
 いまはそのような駄文を連ねる時間も気持ちの余裕もなく……、

 今日も今日とて、
 出かけずにはいられない脳内イモムシくねくね。 

 それじゃーまたね。

 
ハッピー・マドラーミノー・ハイ
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 水面に浮かぶでっかい毛虫。

 その気にならなければまったく気付かないけれど、
 その気になって注意していれば、
 おどろくほど頻繁に水面に浮いて流れている毛虫。

 流れに揉まれて沈んで流れているだろう毛虫も含めれば、
 きっと想像以上の量が流下しているのだろう。

 落水して間がないのか、
 水面のうえにポカッと浮いて、
 ノロノロと緩慢に身体をくねらせているやつ。

 力尽きて水没寸前、
 水面膜の下にぶらさがるように、
 かろうじて浮いて流れのままに漂っているやつ。

 その浮き方はさまざま千差万別。

 そんな水面に浮かぶ毛虫を仔細観察してみれば、
 体節のあいだから無数に生えているトゲトゲのあいだに気泡が溜まっている。
 サカナの視線で水面下から眺めれば、
 それはきっとティンセルなどのヒカリモノのようにキラキラ輝いて見えることでしょう。
 そしてまた、
 毛虫のモジャモジャした外観とあいまって、
 全体のパッと見の印象は茫洋として捉えどころのないファジーな印象に映ることでしょう。

 そのくせ、
 毛虫の特徴的な紡錘形のシルエットはとても印象的。
 いったんサカナの脳にインプットされれば、
 おいしい御馳走として鮮烈に記憶されることでしょう。

 喰われてないわ~けがない。
 ちゅ~か、
 なんでこんなにも重要なエサにこれまで注目していなかったのか……。

 とはいえ、
 そんな毛虫でキョーレツな釣り体験をしたのは今シーズンが初めてではない。
 30年以上もまえの学生のころのフライフイッシング駆け出し時代、
 岩手の三陸地方の山岳渓流にて、
 禁漁間近の初秋のころ、
 どでかいヤマメやイワナはみんな毛虫を飽食していることをつきとめて、
 ウーリーワーム的なベタなフライで信じられないような釣りをしたことがあった。

 いまにしておもえば、
 ある時期のサカナたちがその季節に集中して流下する特定の昆虫を喰っていて、
 それを模したフライがものすごい効果を発揮する、
 という、
 これぞフライフイッシングの醍醐味!的な釣りを経験したはじめてのできごとだった。

 とはいえ、
 その当時これは特定の川の特殊な例なのだと勝手に納得して、
 そのまんま半分忘れていた。

 そして……、
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 2Xロング6番のフックに巻いたマイルドな常用マドラーミノー・ドライフライ仕様。

 ここ北海道の各釣り場にて、
 ドライフライ・シーズンを通してず~っと、
 また場所を選ばずたいていどこでも、
 なんでこないにマドラーミノーが効くのか?

 それはなんでか?
 
 よく言われるようにバッタやヒゲナガのイミテーションとして効くのか?
 それも間違いではないけれど、
 正しくもない。
 だって羽化期や発生時期や場所が限られるじゃん。

 「マドラーはマドラーだから効くのだ」
 という名言をのべられた大先輩のお言葉は、
 サカナをその気にさせるアトラクターフライとしてのマドラーミノーならば、
 「信じる者は救われる」的フライを称賛する言葉として秀逸だとおもう。

 が、
 もうちょっとこう、
 その効力に対しての自然科学的かつ論理的な解釈もほしいわけで……、

 ながらくそのクエスチョンを胸中に抱きながら、
 マドラーミノーを流れに投じておったわけですが……、

 今季、
 ようやく自分的にものすごく納得する考察を得た。

 ひょっとしてひょっとしたら、
 マドラーミノーって、
 晩春から盛夏を経て初秋にいたるまで、
 ず~っと日常的に流下している大型の毛虫を暗示するフライとして、
 我知らず絶大な効果を発揮していたのではないのかないのかないのかど~なのか? 

 マドラーミノーのモジャッとした体裁と透過光に影響を受けるファジーな印象。
 それでいながら特徴的なヘッドがかもしだすボリューム感と明確なシルエット。
 そして全体として細長い流線形のフォルム。
 さ~らに!
 水面に乗るようにポカッと浮いたり、
 はたまたヘッドの浮力でかろうじて水面直下に浮くようなサスペンド・バランス。

 毛虫のイミテーションとしてマドラーミノーを再度見てみれば、
 もうなにもかもがものすごくしっくりストンと納得できる。

 そんなわけで、
 そのような視点でマドラーミノーを見直すと、
 もうこのフライが毛虫にしか見えなくなってしまった。
 そしてな~により、
 古い付き合いだったこのスタンダードフライの超名作が、
 あらためてものすごく新鮮で新しいフライに映るのでございました。

 のだが……、
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 つい二日前、
 友人とふたりして山奥の渓流にでかけた。

 朝、
 川におりてすぐ、
 ドン深のおおきな淵があって、
 その淵の真ん中に何本もの枝をひろげた巨大な倒木がドーンと横たわっていた。

 ぜったいに潜んでいるだろうけど、
 深すぎてドライフライではパスするような場所。
 といって、
 沈めて流せばたちどころに倒木に引っ掛かりそう。

 「まあ、いちおう投げてみるわ」
 なんつって、
 マイルドサイズ6番のマドラーを倒木の横に浮かべてみたけれど、
 案の定なにも反応はなく、
 ピックアップするついでにマドラーをブルブルふるわせながら水面を引っ張ってみたわけです。

 するとどうでしょう、
 倒木の下からこのプールの主っぽいのがヌ~~~ッとあらわれて、
 マドラーを追っかけてくるではないですか。
 
 ところが、
 喰い気はあるけど水面のエサに襲いかかるまでの気分ではない、
 みたいなかんじでフライを追うのをやめちゃって……、
 そのまま倒木脇の川底にベタッとはりつくように定位しちゃって……、
 なにしろ水が透明なので、
 その様子が丸見え。

 なので、
 すかさずウエイトをがっつり巻いたニンフに変えて、
 川底にドボーンと沈めてみれば……、
 フライをサカナの目の前に誘導するず~っとまえにサカナがフライに気がついて、
 自らス~~ッとフライに近寄るとパフッと喰ってくれちゃって、

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 ズンズン倒木に突進しようとするのをガツンと強引に竿で受け止めて、
 深場からひっぱりあげて会心のイッピキ。

 まずはマドラーミノーで倒木の下の深場から誘い出しておいて、
 まんまとニンフで喰わせたという、
 釣れるまでの過程にいたくご満悦。
 釣りはじめてすぐいきなりハイな気分。

 きょうも良い一日になりそう、

 さあ、
 はりきってまいりましょ~~~。

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 なんせサカナがごつくて厳ついので、
 疑いもなくアメマスアメマスと連呼していたけれど、
 こうして記念写真を見てみれば、
 アメマスというよりもエゾイワナちっくな斑点と魚体。

 それはいいとしても、
 ふたりでキャッキャと釣りあがりながら、
 ちょっと妙なことに気がついたのでございました。

 良いサイズのサカナがバッコーンと水面を割るときは、
 必ずといっていいくらい、
 ドラッグがかかりまくって水面あるいは水面直下をビューンと流れ下るマドラーに、
 川底からものすごい勢いで浮かび上がってきてフライを激しくチェイスすると、
 グワバッ!と魚体を翻してフライに飛びかかってくるのだった。

 技を駆使してフライをナチュラルに流すと、
 でっかいのが出るまえにヤング・サイズがバチャッと出ちゃう。

 なんでやねん?

 この日は、
 いつもの毛虫マドラーとしてではなく、
 完全アトラクターフライとしてマドラーミノー大活躍ひとり舞台。

 「マドラーはマドラーだから効くのだ」

 アトラクターとしてもイミテーションとしても、
 マドラーミノーはいろんな意味で毛鉤の本質に迫るフライだとおもう。

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 ここはぜったいいるでしょ~、
 と気合いのはいるポイントにさしかかり、
 友人に「ここはぜひとも釣っちゃってよ」
 というと、
 「じゃ、フライ交換します」
 と言った。

 そして、
 おなかのポケットに仕舞ったフライボックスからマドラーミノーを摘まみだすと、
 友人はなにをおもったのか、
 いきなり唐突に脈絡もなく、
 マドラーミノーを頭上に掲げて、
 「マァドゥラーミィノ~~~」と、
 ドラエモンの声真似をした。

 ぼく爆笑。

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 そしてまた絶好のポイントにさしかかり、
 「こんどはビゼンさんやってください」
 と友人が言った。
 「マジ?いいの?」
 「もちろんです。マドラーでぶっ叩いてやってください!」
 「いや、アメマスの心の扉をソッとノックしてみるわ」

 友人爆笑。

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 ほんまにもう、
 どいつもこいつもシャクレちゃってガラ悪そうで、
 ほんとにカッコイイ面構え。

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 午後おそく、
 川からあがるとき、
 「コレ、食えんのかな?」
 「旨いのかな?」
 「なんかヤバイ成分の幻覚キノコかも」

 「これ食ったらさあ、このハッピーでハイな気分のまま一生ず~っとトリップできたらええのにな」
 「ウハハハハハそれはそれで日常生活に支障がでますね」
 「べつにそれでもええんやけどなウハハハハハハハ」

 そして我々は、
 背丈くらいもあるクマザサの密林をバッサバッサなぎ倒しながら、
 藪を漕いで川からあがって林道にでて、
 くっだらないおしゃべりを延々愉しみながらクルマに戻ったのだった。

 みなさま、
 炎暑お見舞い申し上げます。




近況フライズ
 我が家には、
 まだハサミも入れていない、
 いろんなトリの羽根がまだまだたくさんある。
 すでにさんざんつかった羽根についても、
 脳内でずっとくすぶっているイメージやアイディアなどなど、
 やりたいことの半分もできていない有様。
 そのくせ、
 やればやっただけ、
 つかえばつかうだけ、
 あとからあとから新しい課題や試したいアイディアがどんどんどんどん湧いてくる。

 どないせえっちゅうねん?
 
 と、
 そんな焦燥感のまま、
 年月だけが無情にも早瀬のごとく流れていく。

 作業場のそこらじゅうに転がっている羽根や、
 大切に仕舞いこんでいる羽根たちを眺めるたび、
 「はよつかってよ」と日々責められているようだ。

 そんなわけで、
 ちょいまえの当ブログにて、
 フルドレスサーモンフライ・タイイングにつかうような希少な羽根を収集するのは、
 じぶんはこれでひと段落させたい、
 というようなことを書きました。

 すべてを使い尽くすのはもはや不可能だとしても、
 せめて、
 ご縁があって我が家に来てくれた羽根たちは、
 責任もってなんとか納得のいくようにカタチにしていきたい。

 もはやアレヤコレヤ収集に走り回っているばあいではない。
 アレもコレもソレも我が家にたくさんあって、
 つかわれるときを待ってくれているのだ。

 急がねば……。

 と、
 そのような心境になるたびに、
 いつもどういうわけだか、
 どこからともなく、
 ある日いきなり、
 予期せずして、
 ワタシの羽根気分をグラグラ沸騰させるような最高のブツが、
 まるで我が家に舞い降りてくるかのように集まってくるのは……なんでなのか?

 この、
 自分の想いとは相反するけど「夢なら覚めるなラッキー現象」は、
 なにか法則でもあるのだろうか?

 「なにごとも追えば逃げる」の反対なのか?

 いつもいつも不思議で不思議でしかたがない。

 そんなわけで、
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 この羽根を、



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 光のあたる角度をすこし変えてみると……、

 ね、
 まるで手品みたいでしょう?
 Swinhoe's Pheasant ←Youtube

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 キジ羽根ワールドのブラック・ダイヤモンドやで~。

 大切に慈しみながら、
 しかし大胆に、
 ズッコンバッコン使わせていただきます。

 本当にありがとうございました。

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 はなしはガラリとかわって、
 コレがワイの2018年シーズン最新スレスレ大物キラー・フライのひとつやで~。
 
 といってもお馴染みのキャッツキル・スタイルそのまんま。

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 ロングシャンク・ヘビーワイヤの8番以上のフックサイズに、
 ほんとにパラッとコックハックルをハックリングしているだけ。

 そしてボディは「ミニオストリッチ」をダビング?

 フロータントはつけません。
 
 そのため、
 着水後ほんのしばらくは表面張力で水面膜に引っ掛かるようなかんじでどうにか浮くけれど、
 すぐに流れに揉まれて水面直下にフワ~ッと沈んでいく。
 これがミソ。
 ものすごくミソ。

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 そしてビーズヘッド・アダムス?

 オストリッチやトンビをワイヤーで捩じって巻いたボディに、
 グリズリーと茶色のチカブーをパラッとハックリングしたソフト(過ぎる)ハックル仕様です。
 
 冬の夜長、
 なにか目的があって巻いたわけではなく、
 手慰みのお戯れに巻いたお遊びフライ。
 サカナを釣るというよりも、
 むしろ同行者を笑わせてやろうというウケ狙いだった。

 のに、
 「流れをニンフやウエットフライで探って歩く」釣りの場面で、
 ボックスをあけて「さて、なにをつかおうかな?」と迷ったとき、
 どうしてだか、
 ついついコレを摘まんでしまうのは、
 なんでか?

 ワタシ、
 つくづくおもったんですけど、
 アダムスの配色って、
 もちろん実際に効くことにいまさら異論はないけれど、
 それ以上に、
 このいかにもな配色のアダムス・カラーは、
 使う側の人間の心理や気持ちにこそ効果があるんじゃなかろうか?

 だからこそ釣れるんとちゃうの?アダムス。

 アダムスは「信じる者は救われる」を地で行くフライやなと、
 あらためてつくづく思いました。
 
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 おっとろしい迫力のマグナムサイズ。
 4Xロングシャンクの4番とか6番とかのヘビーウエイテッド・アダムス?。

 もちろん大物狙いなんだけど、
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 こんなフライにチャイルド・サイズもガンガン喰ってくる。

 で、
 それが難点といえば難点。

 ドライフライならヤングが飛び出してきても合わせないでやり過ごしたり、
 フライがでかいとフッキングしにくくなるのであまり目立たないけれど、
 ニンフだとどんなアタリでもビシーッと合わせちゃうので、
 チビッ子も頻繁に掛ってしまう。

 フックサイズがでかいのと、
 シャンクが長くて、
 かつヘビーウエイトなので、
 サカナにフッキングしたとき、
 フックの掛りどころによっては傷が深くひろがってしまいがち。

 ときどきとても痛々しい。
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 なので、
 このようなフライこそバーブレス必須というか最低限の礼儀だ。

 と、
 言い切りたい。

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 おとつい、
 このオレノ・チェルノを荒瀬にブッ込みながら釣りをしていて、

 「どんなフライで釣っちぇるの?」
 「いま、チェルノつかっちぇるの」

 というダジャレをとつじょ思いつき、
 ひょっとしてじぶん、
 天才とちゃうか?と勇み立ち、
 コレぜったいブログに書こうとおもって、

 いざ書いてみたら……ものすごく寒いばかりで……北風ビュービューで……、

 ちょっと、
 納涼になりましたか?

 それはさておき、
 あの震災と原発事故があったとき、
 仲良くしている釣り雑誌の編集者と話していて、
 「これからはチェルノブイリ・アントなんて不謹慎な名前はもうつかえないですよね」
 という話しをしてドヨ~ンと沈んでいたけれど、
 
 いまは逆にガンガン不謹慎ネーミングつかったほうがいいと思ってる。
 だって、
 風化防止にうってつけじゃん。

 不謹慎だなんだと正義ぶって封印して、
 そして忘れてしまうことのほうがよっぽどナニじゃん。

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 アンニュイな昼下がりのチェルノブイリ・アントがある風景。

 しかもコレ、
 ロイヤルなチェルノやねん。

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 純白のウイングをブワッとひろげて、
 紅いボディの両端はピーコックハール仕様です。

 モチーフはもちろんロイヤル・コーチマン。

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 触角がかいらしくて大変お気に入り。

 なので、
 最近のワイのフォーム製フライのほとんどは触角つき。

 といって、
 触角があってもなくても効果にまったく変わりはない。

 んだけど、
 触角が付いているだけで、
 無機質なフォームに表情がでてくる。
 水辺でフライをティペットに結びつけながら「かわええな~」とおもってニマッとしちゃう。

 この萌え気分だいじやで。

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 ロイヤル・チェルノばっくり丸飲みの午後。

 口元から黒いゴム紐をのぞかせなびかせて、
 透明な流れを元気いっぱい走り回る午後。

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 アンタ、
 いまさらあらたまってなにゆうてるねん?て話しやけど、

 フライフイッシングて、
 ほんまにおもろいなあ。

 ホンマつくづくそない思わざるを得ない今シーズンの釣りの日々です。

 
エネルギッシュ婚姻色は「性」の目覚め
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 いぶし銀のウグイ。
 いつものウグイ。
 キミはウグイ。
 どうしてもウグイ。

 いかにもな素晴らしい渓相に惹かれてはいったはじめての川。
 「ここはいるでしょ~!」
 などとおおいに盛り上がって期待して、
 いかにもなポイントをワクワクで釣りはじめてみれば、
 そこはウグイの魔境だった。

 すこし下流で釣っていた吉田さんがあがってきたので、
 「ここ、ウグイすごいっすね」
 と気が抜けたかんじで言うと、
 「いや~、ウグイに罪はないけれど、萎えますね~」
 と脱力した口調で言った。

 けして憎んでるわけやないけれど……、

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 6月のはじめ、
 うららかな陽の光のした、
 くるぶしくらいの深さしかない砂利で埋まったチャラ瀬に、
 数百数千数万のウグイが集結して、
 さかんに水飛沫をあげながら、
 いまを盛りに産卵していた。

 「ウグイの瀬づき」

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 どぎつい橙色の婚姻色がクッキリ浮き出たウグイ。

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 頭から背中にかけて、
 白いボツボツがびっしり鳥肌のようにひろがっている。

 発情の証し。

 イカ臭い思春期真っ盛りの子供のころ、
 ウグイやオイカワの婚姻色を指して、
 「もし人間にも婚姻色があったらどないする?」
 という、
 子供らしい素朴な議題で、
 アホの子たちみんなでよってたかって真剣に議論した。

 「かんがえてみ?ちょっとでもエロい気分になったら、
 身体にオレンジ色の線がうきあがって、顔中にブワ~ッてボツボツがでてくるんやで」

 「プールとか行ってエッチ気分になって婚姻色でてしもたら、
 うっわ、アイツこんなとこで婚姻色だしてるやんけ、とかヒソヒソされるんやで」

 それはとても困る、
 と、
 アホの子たちはみんなおもったものだった。

 
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 時は流れて、
 大人になってかんがえてみれば、
 もし人間に婚姻色があったら、
 陰口どころか、
 人間社会のありようは、
 なにもかもすべて根底からちがっているだろうな、
 といろいろ想像してしまう。

 ていうか、
 大人になってもそんなことばっか夢想している。

 嗚呼婚姻色。

 婚姻色といえば、
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 7月にはいってすぐのこと。

 この場所はエサを探しているビッグが定位する超A級必殺トップシークレット・ゴージャス・ミラクル絶好ポイント。
 なので、
 ここを釣るときはものすごい気合いがはいる。

 この日、
 このポイントに行ってみると、
 胸くらいの水深の川底の岩盤の切れ目のところに、
 真っ赤なビニールのようなゴミが引っ掛かっているのが、
 波間を通してチラチラ見え隠れ。

 「無粋だな~、あとで回収でけへんやろか」
 などとおもいながら、
 ぶ厚く重い流れの底にヘビーなニンフをドスンと沈めて流しはじめて数投目。

 水中に突き刺さって流れているラインを通してグッと感じる微かな生命感。
 バシッとあわせたつぎの瞬間、
 さっきからず~っと川底で微動だにせずユラユラしていた真っ赤なビニールが、
 いきなりスイッチははいって電流が流れたみたいに暴力的にガガガガガーッと上流に突っ走って、
 そこでダッパーンッドッバーンッと真っ赤な魚体をくねらせながら飛び上がって、
 ドッボーンッと水飛沫けちらして水面をたたきながら力まかせに落下した。
 そしてこんどは下流にギイイーーーーーンと激走した。

 なんだなんだと一瞬パニくったけど、
 あまりに強引で金属的かつ直線的な走りに、
 きっと遡上魚的な何者かの魚体の背中らへんにフライがスレて引っ掛かってしもたんやな…とおもった。

 正体が見たいけど、
 この激しい荒瀬の川底で有無を言わせない重量級の走りっぷり。
 
 じきに外れるか、
 もう永遠にあがってこない感じかも……、

 ところがいつまで経っても外れないし、
 しばらくの攻防戦で、
 なんとなくサカナの動きがコントロールできてきてるかんじで……、

 意を決して、
 ダーッと下流の澱んだところまで走っていって、
 おそるおそるそこに誘導して、
 グワングワン魚体をくねらせる正体不明を至近からチラッとみてみれば、
 なんとフライがちゃんと口に掛ってるっていうか、
 フライがっぽり飲み込まれてんじゃん。

 こ~れはイケルかも!

 ぜひとも正体が見たい!





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 ヒイヒイハアハアでようやく無事に謎の遡上魚的な何者かをめしとって眺めてみれば……、

 頭のてっぺんからクエスチョンマークがスーパーハッチ。

 これって……ソッカイ・サーモン?……紅鮭??????
 なんでこんなところに?? 
 どういうわけ???
 え?
 どういうこと?????

 ここ、
 海からかるく数十キロは上流なんだけど??????
 今年はまだサクラマスもここまでのぼって来てないんですけど???

 っていうか、
 ソッカイサーモンて、
 そもそも日本の川に遡上するの??????

 聞いたことないけど……、

 ていうかこのばあい、
 このサカナは法律的にどういう扱いなん?
 アキアジやカラフトやサクラマス的待遇なん?

 なんかボク、
 いけないことしちゃった?

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 だれか詳しい方おられたら教えてほしいです。

 たくさんのハテナを残したまま、
 孤独な遡上魚はたちまち回復して態勢を立て直すと、
 なんとも力強く荒瀬のなかに消えていった。

 蛍光色のような真っ赤な婚姻色の魚体と、
 抹茶にミルクを混ぜたような暖色オリーヴなアタマの色のコントラストが、
 鮮烈な鮮やかさで美しいなとおもった。

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 そしてなにより不思議なのは、
 このサカナがコレをがっぽり飲み込んだこと。
 
 ロングシャンク4番に巻いた超ヘビー・特大ウエイテッドニンフ。

 川底に定位した魚体をまったくうごかすことなく、
 ニジマスの大物がいつもやるような「居食い」で、
 上流から流しこまれたこのニンフを静かにフッと吸い込んだのだった。



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 このようなヘビーウエイトなニンフを轟々流れる荒瀬の底にうまく誘導して、
 まんまと喰わせて、
 あの微妙で微かなアタリをバシッとドスンッ!と掛けたときの電撃の「してやったり感」はたまらないものがある。
 
 そして、
 こんなフライが必殺キラー・パターンになることも多々ある当地の釣り場。
 しかもそこは人跡稀な秘境でもなんでもなく、
 人の生活の隣を流れている川。
 それって、
 あるいみ世界でも稀有で特殊な環境とちゃうのかと、
 誇らしくおもっている。


  
オショロコマのナブラ
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 ここは静謐と畏怖が同居しているところだ。

 どこでもたいがい覚悟決めて単独でグイグイいきまっけど、
 ここはさすがに川通しは独りでよう歩けん。
 
 そこかしこヒシヒシビシビシ感じる野性の気配にビクビクおののきながら、
 沢にかかっているいくつかの橋のところだけチャチャと釣る。

 でもぶっちゃけ、
 ここでの釣りはそれで充分。

 目のまえの林道にクルマをとめて、
 橋の上から小さなフライをヒョイと落として釣る。

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 シルキータッチな6フィート3インチ2番がギュギューンと橋の下に突っ込まれて、

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 橋のうえから記念に撮ったクソショボイ写真。

 これでたぶん40センチくらいのアメマス。
 それぞれの橋のたもとの一番良いところに、
 必ずといっていいくらいこういうのがイッピキづついる。

 そしていちばん最初にフライに出る。

 どの橋の親分格も掛けたとおもうが、
 まだイッピキも取り込んだことはない。
 橋のうえから釣っているので、
 この道具だてでは引っ張り上げられない。
 そして16番くらいのファインワイヤなバーブレスフックを、
 わざわざチビッチビに砥いでつかっているので、
 グイグイ暴れまわっているとじきに外れるかフックがのびてバレる。

 でもそれでいいの。

 目的は、
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 こまっしゃくれたコマっちゃん。

 おちょぼぐちのコマっちゃん。

 フックをチビッチビに砥ぐのはこのため。

 さいしょに橋の下をところせましとアメマスが走り回って、
 いばっていた親分が隠れ家に逃げ込んでからしばし待つと……、

 橋の下はなんだかたちまち賑やかな生命感。

 怖ろしい親分不在となった流れのどこからともなく、
 このときを待ってましたとばかりにワラワラワラワラとオショロコマが湧くようにでてきて、
 フライの奪い合いが始まるのだった。

 そんな様子仔細が、
 澄んだ流れを通して橋のうえから丸見え。

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 コマっちゃんええなあ。

 巨ニジマス恋慕の日々でグラグラ煮えたぎりすぎた釣り気分を、
 ときにコマッちゃんいじめでいったんリセットしてクールダウン。

 コマッちゃんいつもおおきに。

 
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