BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
201707<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201709
Little Yellow Sally
 すでにもはや、
 2017年の個人的2大ハイライトと掲げても良いのではないか、
 そんな予感がする私的特選トピックスを、
 レゲエとフライそれぞれひとつづつお話させてください。

 レゲエのほうは、
 わかる人しかわからない用語隠語俗語人名など連呼いたします。
 なんか感じ悪くてスイマセン。
 飛ばしてね。

170630(1)1.jpg
 グレゴリー・アイザックスのベスト・ヒット編集盤の豪華2枚組CD。
 版元はTAD's・レーベル。
 2014年のリリース。
 ここで、
 「え?タッズまだやってはったんやスゲエな」とおもったアナタと語りたい。

 レコード収集が生活の中心だった80年代。
 情報はほとんどなく暗中模索だった時代、
 タッズ・レーベルの12インチは信頼の証だった。
 タッズのデニス・ブラウンにハズレなし。
 
 現在は御大タッド・ドウキンスとともに、
 息子さんが商売を引き継いでいるよう。

 やはり、
 気持ちのはいった仕事をブレずに地道に続けて次世代に引き継ぐって 、
 すばらしいことですね。
 
 そしてこのCD、
 熱烈なグレゴリー・ファンとしては収録されている曲はほぼすべて知っているというよりも、
 脳髄に染みているすでにお馴染みの名曲ばかり。
 おもわず一緒に口ずさんでしまう…いわば愛唱歌。
 
 なので、
 グレゴリー熱が再燃している現在、
 釣りに行く車中でエエ音でおなじみのん聴こうとおもって、
 とくに目新しいものは期待せず、
 通販サイトで数あるグレゴリーの似たようなベスト盤のなかから、
 これタッズだし選曲もいいしという軽い気持ちで購入したんだけど……、

 しょっぱなからブッとんだがな。

 コレはすごい!もんくなし全曲必殺!

 ただしジャケットのデザインとアルバム・タイトルはぶっちゃけちょびっとビミョウ?
 もったいないな~……上から目線でスイマセン。
 
 それはいいとして、
170630(2)2.jpg
 全曲エクステンデッド・ヴァージョンで曲の後半はダブになっている。
 
 なんだけど、
 当時リリースされていたプリ・シングルや12インチ・ディスコ盤のダブとはほとんどの曲でミックスがちがう。
 で、
 そのダブが際立っている。

 各曲それぞれの趣向が凝らされてたのしい。
 たとえば、
 70年代初期のGG’sとの名曲中の名曲「Once Ago」なんかは、
 あきらかにプリ・シングルの音源つかってるんだけど、
 ヴォーカル面はエコーかけまくり?オーバーダブ処理で、
 B面のダブはあえてオリジナルそのまま…という一見暴挙?のような荒技構成だがすごくいい。
 繋ぎも絶妙。
 音質もすこぶる良好。

 このベスト盤、
 誰がやったのかいつやったのかわからんけど、
 あとから手を加えたオーバーダブ感あるんやけど、
 それがすごくツボにはまっていて、
 さすがはタッズやることがオシャレ。

 そして、
 このCDを聴いたあと、
 すかさず「Slum in dub」のジャミーのミックスと聴き較べちゃうマニアなカワイイぼく。
 わかってくれる?このきもち。

 たんなる盤おこしのお手軽リイシューとは次元がちがうで。

 さらに!
 82年ごろ当時グルーチョのニューウェ-ヴ的前衛ダブミックスが斬新だった12インチDisco盤の
 「Cool down the pace」や「Night Nurse」なんかの80年頭の至宝曲群は、
 ミックスはもちろんテイクもちがっていて、
 これがまたすっげえソリッドでゾクゾク酔う。

 青春時代から現在にいたるまで、
 すでにさんざん聴き倒しまくったアイランドの一連のシングル群とはまた一味ふた味ちがう、
 肌に馴染んだお馴染みの曲がゾワッとするほど新鮮だ。

 レゲエに興味があるけどどれから聴けばいいのか、
 とレゲエの泥沼のほとりでウロウロしてはるシロートさんから、
 海千山千のナッティ・ドレッドなうるさいクロートまで、
 すべての方々にひとしく大推薦。

 gregory issacs dub versions

 そして、
 そんなCDのうえに載せたフライが、
 ロシア産ヒグマの細金毛各色をつかった「リトル・イエロー・サリー」ことミドリカワゲラのアダルト・フライ。

 このフライで今夜はひとつ、
 ご機嫌伺いです、
 ちゅ~か自慢タラタラです。

170630(3)3.jpg
 と、
 そのようなCDを聴きながら、
 今月の半ばころにせっせと通っていたのがこの溜まり。

 水深は最深部となる対岸の岩盤のところでも自分の胸くらい。
 全面砂利底のコチラ岸は腰くらい。
 めっちゃ浅い砂利で埋まったショボイ溜まり。

 これぞフラット…鏡のような水面、
 川底すべてが見渡せる透明な流れは、
 油でも流したかのように粘っこくトロ~リゆるやか。

 そんな流れが200メートルほどつづいている。

 春から何度かこの場所を歩いたけれど、
 サカナの気配はまるでなかった。
 というよりもポイントとしてさいしょから想定外。

 その日もいつものように下流から流れのなかをザバザバ歩いてエッサエッサ上流を目指していた。
 
 すると、
 この溜まりの中間付近で、、
 一回カパッと素晴らしくエエかんじで水面が割れたんだよね。

 え?
 とおもって歩調をゆるめてソ~ッと近寄ったんだけど、
 それからなんの変化もない。
 水中を凝視してもなにも見えない。

 あれはなんだったんだ?
 とおもいながら、
 なんか立ち去りがたくて、
 ライズ地点のちかくに立ち込んだままタバコに火を着けて、
 吸い終わるまでは待ってみよう……これが運命の分かれ道。

 煙草を吸い終わって、
 アカンわ行こう…なんておもったとき、
 さっきよりもやや上流でカッパ~ンと……、

 そのとき、
 ワタシ見ちゃったんですハッキリと。
 狂おしいほど深紅色の体側と、
 ビロ~ンと水面から突き出た、
 なやましいにもホドがある大きな尾鰭。

 え?
 うっそ~なんでココに?????

 し・か・も・ほどなく、
 この長~いプールというか溜まりの下流から上流まで、
 おなじような刺激的すぎる不規則ライズがそこかしこでカポッと……
 してくれちゃってもうなんなのこの状況。

 おるやんけおるやんけおるやんけなんかくっとるやんけ!

 水面には、
 たま~に忘れたころにモンカゲロウのダンが数匹フラフラ漂流、
 12~14番ほどのマダラカゲロウの仲間もチラホラ。
 16番くらいの小麦色したカディスもチラホラ。
 でっかいガガンボふらふら。
 で、
 星の数ほどの大群で、
 まるで川面を覆うように音もなく旋回しているオドリバエ軍団が、
 そうした水生昆虫たちが水面に浮かぶと、
 我も我もとウワワ~ッとたかっている。

 いわば、
 道東地方のこの季節の、
 標高のあまり高くない川の典型的な虫どもの営みの光景。

 で、
 それはいいけど皆さんナニ召し上がってはるん?

 
 ……と、
 このままこの場所でおこったこと体験したことのありのままを書き綴りますと、
 それはもう紆余曲折スペクタルな大長編にあることは必至……

 なのでその過程は今回ははしょりますが、
 完敗どころか釣りにさえなっていなかった初日の屈辱を胸に、

 あれやこれやの遠回りをして、
 ミドリカワゲラの脆弱ではかない密かな羽化と、
 ライズのサイクルが泣けてくるほど不規則で散発でムラがあり、
 けして定位することなく神出鬼没、
 なんともやりにくい独特なマスの行動との相関関係を発見したときは、
 これぞオレの望んでいたフライフイッシング……って、
 もうたまらんかった蜜ドバドバ。

 が、
 発見したからといってラクショーで釣れるかというとそれはまた別で、
 5分から10分間隔で、
 予測の立たない場所で、
 唐突にカパッとライズして岩盤際の深みに消える、
 この場所には似つかわしくない豊満バディのマダムたち……、
 不思議なことに、
 この溜まりで出会ったサカナはすべて尾鰭に産卵痕を残した成熟したメスばかりだった。
 でさあ、
 そんな奥さまがライズするたびくるおしいほどのムチムチ・バディがチラッと見えるねんな~。
 でもものすご~く気まぐれ。
 ほんとに切ない。

 もうねえ、
 フライが信頼できないと無力感すごいから。

 内地の里川や湧水の川でシビアなマッチ・ザ・ハッチに没頭していた時代、
 こうした状況では「違和感のない繊細なフライ」を目指していた。

 だから、
 二日目の挑戦では内心自信があったんです十字架スペント・ウイング繊細系ミドリカワゲラ。
 だって奥さまたち、
 たぶんフライそのものにスレているのではなく、
 ミドリカワゲラのスペントにご執心のあまり、
 的外れなフライにまったく気がついていないそぶりだったから。

 ドキドキで投じた本州時代に培ったメッチャ繊細系ハッチマッチャーだった。

 でも奥さまぜんぜん気づいてくれない。
 フライのま横でカパッとかされたりして、
 ものごっついつれないそぶり。
 
 この状況を顧みて、

 まず、
 川底から眺めた広い水面のなかで、
 本物ばりの繊細なか弱さで巻いたカワゲラ・フライを、
 水面にヒタッている多数の本物のカワゲラに紛れ込ませても、
 この状況ではなかなかフライに気がついてもらえないのではないか、
 
 という、
 すっかり北海道的な野性の思考で、
 「アピールする」ためのファジー要素を強調したフライを、
 おもいきって投入してみることにした。
 5月くらいの当ブログで巻いたヘアウイング・カディスのミドリカワゲラ風。

 ここでちょっと状況が変わったのだった。
 いちばん活動的だったちょい若奥さまがカポッとくってくれて電気仕掛けのようにポンポン跳んだ。

 ウッワ奇跡!くっていただけるなんて…ありがたや~、
 という気持ちと、
 ヤッターけーさんどーり!どんなもんや~!、
 という気持ちが入り乱れる至福。

 またこのおかげで、
 出るまでフライを流しつづける忍耐のエンドレス・ドリフトでも気持ちが折れなくなった。
 フライを信じられるって、
 釣れる要素としてものすごく大事ですよね。

 ちなみに、
 いやらしい話だが、
 この溜まりで確認する限りいちばんちいさく見えたこの若奥さまは、
 念のため測ってみるとパンッパンのはちきれんばかりの51センチだった、
 ということを申し添えて話をつづけよう。

 今夜は書かせて。

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 つかったフックはTMC9300の12番。
 本物のサイズは15番くらいなのですが……、

 もはや定番ワシミミズク捩じり巻きボディにご注目を、
 12番のフックにできるだけこじんまり短く小さく巻こうとしています。
 また、
 ボディを捩じって巻いたあと、
 あまりのファイバーはカットしないで、
 ハックルやウイングのスペース分だけ巻き込んで残しておく。

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 ロシア産ヒグマの毛をかる~くひと束、
 アンダーファーごとスタッカーに突っ込んでガンガン叩いて、
 ヘアーの先端を揃えるとともに、
 短いアンダーファーをガードヘアー先端部分にズラす。

 上の写真と比較すると一目瞭然。

170630(6)6.jpg
 んで、
 そのように処理したヘアーをダウンウイング状にドサッと巻き止めて、
 その余りのヘアーをハックルスペースにぎっちり巻き込んで、

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 と、
 巻き込んだ余りのヘアーをココでカットするのではなく、
 巻き止めたウイングの束の真ん中に割り入れるように折り返しガッツリ巻き止める。

 このとき、
 ガードヘアーのウイングのほうを指先で左右均等に分けて、
 なんとな~くでいいので左右に大きく広げておく。
 で、
 余りのヘアーはこの間に割り入れて、
 再度スレッドでギーッとしめる。

170630(8)8.jpg
 で、
 折り返してギッチリ巻き止めたヘアーの余りを、
 ボディの長さくらい残して斜めにカット。

 すると、
 フックシャンクから軽く斜めなって束状にまとまっていたウイングが、
 余りのヘアーで上から押さえつけられて、
 ウイングが扁平フラットになってボディ真横から左右におおきく広がる。

 エルクヘアカディスなどのようなダウンウイング形状とは、
 似て非なるデルタウイング型スペントウイング構造になる。

 よく目立つ二枚翅を水面に広げて浸しながら、
 チカラな~くヨタくねるミドリカワゲラのアダルトを表現したいがための細工。
 ヘアーの量は写真のとおりガードヘアーもアンダーファーもごく少なめパラッパラというかんじ。


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 いよいよ〆のハックル。
 上がヒストリックのゴールデンバジャー、
 下がヒーバート・ヘンネックのライトハニーダン、

 それぞれファイバーの長さが極端に異なっている。
 フックサイズ12番に対して、
 Gバジャーのコックハックルのファイバー長はフックのゲイプ幅くらい。
 対してヘンネックのほうは1.5倍くらいと長め。

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 先にバジャーを3~4回転。

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 フック下側のハックルをばっさりカット。

 しかるのち、
 ヘンハックルを4~5回転して、
 ボディ材の余りのワシミミズクのファイバーをエルクヘアカディスのヘッド状にカット。
 
 ヘンハックルはカットせずそのまま。
 このようにハックリングすると、
 ソフトなヘンハックルのファイバーをコックハックルが支えることになり、
 ヘンハックルをドライフライにつかうとき重宝する。

 また、
 このような色の組み合わせでハックリングすると、
 淡い黄褐色のハックルの根元に、
 バジャー・ハックルの黒が良いアクセントになって、
 本物のミドリカワゲラの微細な黒紋を散らしたクリーム色のソラックスが表現できる。
 
 一石二鳥のハックリング。

 んで、

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 このように巻いたフライを水面に浮かべてみると……、

 まあなんせアナタ、
 ライズの間隔は5分~10分に一回くらい。
 フライを一心不乱に投げて流すのも10分に一回くらい。
 その間、
 へそくらいまで立ち込んだ状態でジ~~~ッとチャンスを待ってるわけですよ。

 10分て…長いで。

 もうだめかあ、
 あかんのかあ、
 気づかれたんかなあ、
 ハア~ア、
 かえろかなあどうしよかなあ、
 胸中はいつもゆれるゆれるもう迷い道くねくね。

 と、
 そんな後ろ向きムードなとき、
 このフライが水面に浮いている様子を眺めると、
 「もうちょっとがんばろう」
 という気になった。

 フライ前方のヘンハックルが、
 水面膜をオチョコのようにへこませて、
 そのうえにハックルがフワッとのっている。

 で、
 いっぽうボディのうえにフラットかつ扇子のように広がったウイングは、
 ヘアーの一本ごとにかすかにカールした毛先を水面に押し付けて、
 それぞれがランダムに水面にのり、
 水面膜を絶妙にへこませて、
 そこに陽の光が透過されてキラキラ乱反射している。

 で、
 これはうれしい後付けだが、
 ヘアウイングを完全にスペントウイング状にボディ両側に巻き止めるための、
 「ヘアーの余りを折り返して残してカット」する細工は、
 フライを水面で見ると両側にフワッ広がって水面に乗るウイング中央の根元付近で束状にまとまっており、
 意外にもそれが「ウイングらしさ」がより強調されるフォルムの要因のひとつに映った。
 フライの虫っぽい生命感を演出する重要なパーツ。
 いろんな長さでカットしてみたが、
 ボディと同長くらいが見栄えもバランスもちょうどよい感じ。

 
 で、

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 奥さまは野性。

 このサカナと対峙していた時間は、
 2時間?
 3時間?
 時間の感覚がとんでしまって定かではないが、
 その間というよりサカナを見つけるまえから薄いウェーダーでずっと深く立ち込んでいたので、
 身体が冷え切っていてヒザがうまく曲がらず、
 クキカキとロボットのようなうごきで必死のランディングとなった。

 水際で呼吸を整える奥さまとってもゴージャス吐息が漏れます。

 紅色のルージュをひいた口元に、
 金色の毛で巻いたちいさなドライフライ。
 官能的。

 「あの、ちょっと奥さま、さいごにそのお口元を…撮らせてください嗚呼おうつくしや」

 奥さまが水際で呼吸を整え体力を回復されるすこしのあいだ、
 盗み撮りのようにパシャパシャ撮りたいけれど、
 どの奥さまもさっきまでの激闘ものともせずすぐに復活あそばされ……、

 ハリを外すやいなや、

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 「ちょっと!のきなさいよ!」

 「も~サイアク!」と捨て台詞が聞こえてきそうな後ろ姿で、
 カンカンに怒りながら身をくねらせ元気いっぱい脱兎のごとく消えていかれ……。

 その逞しい後ろ姿にウットリ。
 いいようのない達成感。

 ミドリカワゲラの羽化がピークを迎えていたほんの一週間ほど、
 釣りゴコロを芯から抜き倒した数日間のひとこま。

 濃ゆい日々だった。

 
今月の3本
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 自分で販売しといてまるっと在庫なくなってしもてからこんなんゆうのナニですが、
 先日のロシア産のマイルドな毛の細さ……えらいクセになりますね。



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 で、
 その金毛をつかって巻いたモンカゲのスペント・ダン。
 
 うえのマドラーミノーのアンダーウイングを巻き止めるまでの工程とそっくりそのまま同じ手順で巻いた。
 マドラーミノーの私的タイイング裏技小技は今月出てる号のフライフイッシャーにクドクド書いた。

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 下から見るとこんなかんじ。

 ボディはワシミミズクのセカンダリークイル。
 もちろんいつもの捩じり巻き。
 テイルはヒグマの毛と異なる質感を求めてムースメーン。

 気になる浮力は、
 こうしたスカスカに巻いたスペント系としては申し分ない、
 ちゅうか頼もしいかんじ。

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 と、
 そんな、
 このヘアーの細さだからこそ、
 ヒグマの毛をドライフライのウイング材としてこのように巻ける私的作例フライズとして、
 この春の我が釣り物語を、
 窒息しそうなほど濃ゆくて煮えたぎるものにしてくれたのがコチラです。

 ヒグマヘア・カディス的単純フォルムなんだけど、
 フックサイズにして14番ほどのミドリカワゲラのスペント状態を表現した。

 ウイングが束になって突き出ているのではなく、
 水平かつ扇状にフワ~ッと左右にひろがるように細工してある。
 ウイング全体をヒタ~ッと水面にはりつかせるんやで。
 
そこで一句
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  セミしぐれ、
 瀬音けちらす
  水しぶき


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 イリジスティブルのサイズ4番。
 
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 黄緑色の背中にオレンジのお腹。
 そしてバーント・オレンジのグリズリー・ハックル。

 印象派ツートーン・カラーのハルゼミ仕様。

 もともとは戦中戦後のアメリカ東部で抱卵した大型カゲロウのメスを表現して生まれたフライが、
 いま北海道のセミのフライとして活躍しているんだなあ、
 などという感慨を抱きながらつかうと、
 なおいっそうの愛着が芽生え、
 格別の情がはいる。

 そういうのが好き。


 それはさておき、
 好ポイントと好ポイントの間隔がえらい距離があって、
 良いのがいる確率激高なのはわかっているけど、
 そのポイントまでいつもほぼまったく無反応というか釣る場所がないっていうか、
 砂利で埋まったチャラ瀬をヘビの生殺しのように延々20分くらい歩かなければならない川があるのね、
 この流れに逆らって歩くチャラ瀬歩きがまたジミ~に体力気力を奪い、
 いざそのポイントまで行って無反応だったときの徒労と、
 川通しの帰路をおもうと、
 なかなか辛いものがあるわけです。

 が、
 つい先日、
 意を決してそのポイントを目指しジャバジャバ歩いて、
 やれうれしや目的の場所が見えてきた、
 とおもいきや、

 「なんだよ~、やられちゃってんじゃん」
 めっちゃガッカリ。

 砂地の岸辺に真新しい足跡がくっきり。

 パッと見たとき先行者の足跡かと思ったんですが、

 近寄ってよく見れば、
 っていうかよく見ないでも、
 なんか、
 ものすごい野性な足跡。

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 しかも、
 その足跡をたどってみれば、
 どうも自分と同じルートで瀬を渡り、
 この砂地の岸辺を歩いて、
 さらにそのすぐ上流をまた渡渉して向こう岸の森のなかに行きはったご様子。

 なんか、
 こんなあとを辿れるくらいクッキリした足跡見るのはじめて。
 それに、
 ヒグマも瀬を渡るときはやっぱりいちばん渡りやすそうなところを選んで渡るんやな~と、
 妙に感心してみたり。

 と、
 そんな落ち着いててええのか?
 
 なので、
 ホイッスルくわえて引き返しそうな姿勢のまま、
 いちおう対岸の岩盤際にベチャッとセミ叩きこんでみると、

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 間髪いれずガボッと出た。

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 フライをがっぽり飲み込んでガンガン走り回ってサイコウだった。



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 ちょうしこいてプール頭の流れ込みでもうイッピキ。

 20回くらいしつこく水面を流したあと、
 それまで使い倒し過ぎてヨレヨレのフライが水を吸い、
 流れ込みの波立つ流れに揉まれてフライがたちまち沈んだ。

 ので、
 ピックアップせずそのまま沈めて流すと一発でリーダーがグンッとなって、
 ピピッときてバシッとあわせるとドンッと掛った。

 期せずしてシンキングなセミの釣り。
 じっさいにセミが沈没して流れるのかどうかは知りませんが、
 このズボラな姿勢の釣りのおかげで……って思い出は過去にもたくさんある。

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 「ハックルを巻いた濡れ雑巾」と化した私家版マシュマロ・シケイダの2番。
 
 やつれ果ててポストもグラグラ、
 ラバーレッグの片方が千切れてすでに久しい有様ですけれど、
 まだまだイケますむしろこれから……。

  
近況
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 フライの名前は「SE TO SE」といいます。
 意味はそのまま「瀬と瀬」

 なんでも、
 アイヌの言葉「セトゥシ」が転訛したそうで、
 その語源は「小鳥の巣がたくさんあるところ」というほどの意味なのだそう。

 なんと美しい語感そして意味なんだろうと、
 すっかり心酔しております。

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 そして不遜にも、
 コチラに越してきて最初に巻いた記念すべき我がフライに、
 この名前をつけさせていただきました。

 170615(3)3.jpg
 これまで新緑というのは、
 若い緑の芽生えの季節だとおもっておりました。

 だけど、
 この地の新緑はまったくちがっていたのです。
 鮮やかであでやかな色とりどりの草花が渾然一体となって、
 まるで競い合うように、
 まさに咲き乱れ、
 そして日々刻々とその装いを変化させている。

 一歩家の外に出れば、
 ウワ~ッと目と心の琴線に飛び込んでくる豊かな自然の色そして色、
 胸がはずみます。

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 そんな新緑の色たちを、
 一本のフライにギューッと凝縮させてみたいとおもったのです。

 はちきれんばかり、
 ふくらんでいくばかりの大きな期待と、
 ほんのちょっぴりの不安を抱きながら、
 念願かなってとうとうやって来ることができた新天地への、
 ワタシからのオマージュというわけです。

 ほのかに薄紫色がかったヴァリチェリン・ギニアのスロートハックルの奥ゆかしさが、
 ともすれば支離滅裂になりそうな配色の印象をキリリと引き締めてくれているようです。

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 そして、
 そのような面持ちで巻いたフライとともに、
 とっておきの道内産ヒグマとエゾジカの毛をつかって巻いた、
 マドラーミノーとヘアウイング・サンダー&ライトニングを添えて、
 雪代水を連想させる淡いブルーの額に納めてみました。

 題して「命あるものすべてが輝く季節」
 といったところでしょうか。

 
 みなさま、
 ちょいの間のご無沙汰でございました。
 おかげさまで、
 滞りなく引っ越しも済ませました。
 函館からコチラに越してきて、
 早や一カ月となりました。
 まだまだ荷物の整理や母屋の手入れ修繕などなどの課題はあるにせよ、
 ようやく日常の生活に支障のないところまできました。

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 そして、
 これからご近所づきあいをさせていただく、
 虹色の宝石をまとった野生の皆さまにも、
 新参者としてご挨拶させていただくことができました。

 皆々さまにおかれましては、
 ワタクシ超ウザすぎる輩になるかとおもいますが、
 どうかどうか、
 ひとつよろしくお願いいたします。

 また、
 個人的な連絡になってしまって恐縮ですが、
 ひとかたならぬお世話になって、
 そして今後ともぜひともよろしくお願いしたいダンディ函館クルーの皆さま、
 どうぞサカナたちの脇に置いた竿とリールにご注目くださいませ。

 いろんな物語と想いを経て、
 お餞別という名目でワタシの手元にやってきてくれた竿もリールも、
 すでに ガッツリ 入魂させていただいております。

 なんとありがたいことでしょうか、
 そしてなんとココロ満たされることでしょうか。

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 ながらく函館の自宅にこもりきりで、
 やや鬱屈した気分で巻いては撮って当ブログに掲載しておりましたフライたちも、
 ようやくお外にでかけることができ、
 まるで封印をとかれて解き放たれたかのように活躍してくれております。

 たのもしいことです。

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 そして私家版キャロットニンフ。

 いつもの函館の吉田さんと昨年末に雑談していて、
 あのとき御大が何気なくおっしゃった「あのさビゼンくん、キャロットニンフってどうよ?」
 の発言がおおきな引き金になったマイブーム、
 ひとよんで「忘れ去られたアメリカン・クラシック・ニンフを現在によみがえらせるZO」プロジェクトも、
 もちろんいまを盛りに進行中ですウハハハハ。

 オレ様のニンジン川虫毛バリを見てくれ。
 まるで天然パーマのようにチリチリモジャモジャしたソラックスは、
 道内産ヒグマの艶っツヤの特選黒毛剛毛にちょっとした細工を施し、
 さらにそこにアレヤコレヤの素材をブレンドした特製です。

 このようなニンフや、
 はたまたテレストリアル系ドライフライにダビングしながら、
 さらなる進化を果たすべく日々愉しみながらコチョコチョやっております。

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 そして、
 その審査をしてくださるのは、
 もちろん!ご近所つきあいになる無垢の野性の皆さん。

 先方は、
 ワタシと交流するのがイヤでイヤでウザ過ぎてたまらないだろうけど、
 ワタシはアナタ方がいてくれるからこそココで暮らしたいのです。

 しつこいようですが、
 今後とも密接なお付き合いどうぞよろしくお願いいたします。

 追伸:新しいメールアドレスをプロフィール欄に記載しております。
 ので、これまでどおり、なにかありましたらお気軽にご連絡くださいませ。


天上天下唯我独釣
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 このシャツはレアでしょ~?

 フライの雑誌オフィシャルTシャツ@たぶん20年くらいまえ?

 引っ越しのために梱包作業していたら出てきました。
 さらっぴんなんやで。

 当時は飛騨高山に住んでいて、
 前編集長の故中沢さんに会うたびにいただいていたので、
 10着以上もっててコレばっかり着ていたときがあった。

 そういえば1着だけ封を開けずに保管したんだった。

 その後、
 高山から静岡に移り住み、
 すっかり街に馴染んだころに引っ越したくなって、

 こんどは静岡からここ函館に引っ越してきた9年前にも、
 荷物の梱包をしながらこのTシャツを見つけて…アアそうだった…と甘酸っぱく思い出して、
 そしてまた大事に「開かずの衣装ケース」に仕舞いこんでそのまま忘れて、
 そして今回、
 住み慣れすぎた函館からお引っ越しするときにまた見つけてまた思い出したのだった。

 時をかけるTシャツ。
 よみがえるわ~イロイロと。

 だいたい、
 サラッと20年前てゆうてるけど、
 ゆうてる本人がいちばんビビってるねんで。

 唖然呆然とする早瀬のような時の流れ。

 きょう、
 かねてお願いしていた引っ越し業者の若いお兄さんたちが来てくれて、
 荷物を新居にもってった。

 当初、
 冷蔵庫や洗濯機も持っていくつもりで申告していたけれど、
 家電の類はみんな捨てた。

 本もバッサバサ売らずに捨てた。

 なので、
 小山のように積みあがった荷物は、
 羽根と獣の毛とレコードがほぼ大半を占めた。

 そういえばつい先日、
 まえに我が家に泊りに来てくれたことのある高知のやまひろくんと電話でしゃべっていて、
 「引っ越しの日にち決まってん」
 というと開口一番、
 「レコードたいへんっすね~」
 どうすんのアレ?みたいな口調で労をねぎらってくれたのだった。

 そんなレコードを詰め込んだ小さな段ボールがものごっつい重い。
 グッと腰を入れて気合いも入れて持ち上げないと。
 「重くてごめんね」
 とお兄さんにいうと、
 「だいじょうぶです!」
 とほがらかに言ってレコード箱をグッと持ち上げて、
 さっそうと抱えていった。
 頼もしくて眩しくて安心する。

 反して、
 鳥の羽根をギュウギュウ詰めにしたでっかい段ボールがものごっつい軽い。
 巨大な段ボールが羽根のように軽い。
 拍子抜けの軽さで、
 お兄さんがグッと腰を入れてもちあげておもわずチョッとよろめいて
 「ウオッ!かるっ!」と面くらって皆でわらった。
 とても良い子たち。

 かるく世間話などもしながら、
 しかも常に身体はテキパキ。
 彼らは接客業もしながらヘビーな肉体労働してるんだなと、
 すっごい感心した。

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 ヒグマの毛、
 蛍光灯でも陽の光でも、
 まずはいろんな角度に光を当てて眺めてみてくださいね。

 お買い上げ本当にありがとうございました。

 函館にいた9年間、
 ず~~っと利用していた近所の郵便局、
 その間、
 窓口のお姉さんは何人か変わりました。

 今いる大きなお姉さんとプチふくよかなお姉さんが一番長いつきあいだ。
 といって、
 なにかしゃべるわけでもなく、
 いつも淡々と発送手続きをこなすだけ。
 ベタベタ慣れ合わないけど、
 長いだけによくわかってる。

 それがええねんな~。
 ものすごい行きやすい。

 いつもガラスの額で額装したフライを発送するときは、
 かならず「コレ、おもいっっっきりワレモン扱いでおねがいします」
 と念を押さずにはいられないねんけど、
 でもそれって、
 自分ではぜんぜん意識してなくて、

 ついこのまえ、
 やはり額装フライを発送したとき、
 さあ一言いおうかというとき、
 プチふくよかなほうのお姉さんが、
 「おもいっっっきりで?」
 と聞いてきて、
 ボクがおもわず「え?」みたいな顔したら、
 「あ、スイマセン」
 とお姉さんが…しまった…みたいな顔をして言った。

 ふたりで笑った。

 あの郵便局でオレさまの認識コードネームは「おもいっっっきり」
 なのか?

 そしてついこのまえですよ、
 もうニヒヒとホッペが緩んじゃうたくさんのご注文をいただいて、
 感謝感謝でひとつひとつスキン眺めながら封をして、
 イザ送らん貴方のタイイング机に…
 みたいな面持ちでヒグマの毛でパンパンにふくらんだトートバッグ抱えて、
 郵便局にルンルンで意気揚々でのりこんだわけですよ、

 (お、「おもいっっっきり」のやつ、きょうはぎょうさん荷物もってきたやんけ…)みたいな顔で、
 「いらっしゃいませ~」
 と業務声で迎えてくれるおおきいほうのお姉さん。

 それで、
 宅配便とかの荷物を載せたり軽量したりする広めのカウンターあるじゃん、
 あそこに、
 「コレ、ダーッてここにひろげちゃってもいいですか?」
 と聞いたら、
 おおきいほうのお姉さんが、
 「ハイ、だいじょうぶです!」
 と言いながら、
 すかさずカウンターのむこう側でちょっと腰を落として、
 まるでキャッチャーがボールを受け止めるようなカッコをした。
 たくさんの荷物があふれてカウンターのむこう側に落ちないよう受け止めてくれるつもりだったのでしょう。

 アンタ…ええひとや。

 でも、
 そこまでしてくれんでも……、
 ということにお姉さんも気がついたようで、
 ちょっと照れたように笑った。

 もちろんぼくも笑った。

 そして淡々と黙々と発送業務をこなした。

 函館は、
 なんだかんだゆうて良いところだった。

 荷物がなにもなくなった部屋は、
 ちょっとした物音でもよく響く。

 ユーチューブの音がいつもより良く聞こえる。
  Gregory Isaacs / Too Late

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