BIZENアングラ・アングラーズ
フライフイッシングとフライタイイングに関する話題など
201801<<12345678910111213141516171819202122232425262728>>201803
透かし見る悦楽 Green Highlander & Golden Fleece
180129(1)1.jpg

 ひさびさにトラディショナルなフルドレス・サーモンフライから、
 まずはグリーンハイランダー。

 1900年代初頭のプライス・タナットのヴァージョンで巻いた。
 ちなみにスレッドに塗布したワックスは、
 以前にも自慢したタナット名義のタイイングボックスにはいっていたワックス。

 100年あまりの時を経て、
 ここジパングにてどこの誰とも知れんアウトロウなタイヤーにつかわれるとは、
 タナット御大よもや想像もしなかったでありましょう。

 もちろんワタシも、
 そんな歴史を紡ぐ一品を引き継いでこんなの巻ける日がくるとは、
 このようなフライに挑戦し始めたころは思いもしなかった。

 まことにもって縁は異なもの味なもの。

180129(2)2.jpg
 
 一見するといたってスタンダードな作りなんだけど……、

 もはやスレッスレのひねくれ気まぐれヒトサマと同じはぜったいイヤ・タイヤーのワイが、
 たとえトラディショナルであろうともまともに巻くわけないやんけ~。

 というわけで、
180129(3)3.jpg
 こっち側サイドは見慣れたフツ~の作り。

 なんだけど……、
180129(4)4.jpg
 こっち側サイドはひと手間ふた手間の細工しまくり。

 まず、
 メインウイングをドサッとのせて巻き止めて、
 そのあと、
 ウッドダックとティールのサイドウイングを巻き止めて、
 ルーフとなるブロンズマラードをウイングのてっぺんにのせるわけですが、

 そのとき、
 これらのパーツをたんに巻き止めるだけではなく、
 限界ギリギリまでンギーッとスレッドを絞って、
 ものすごいプレッシャーかけて巻き止める。

 これ以上キツク巻くとファイバーが割れたりバラけたりする寸前までギーーーッと絞る。

 すると、
 当然これらのカモの羽根ファイバーがフワ~ッと開いてくる。

 で、
 それをやねえ、
 ちょっとした小道具つかって、
 もうこれ以上ないくらいのフェザータッチでやさし~くやさし~く何度も撫でる。

 ここでちょっとでもチカラ入れたりリズム狂ったりすると、
 ファイバーがパカッと割れちゃう。
 そうなるとなし崩し的にファイバーぜんぶバラッバラになるけど、
 けしてイライラせず何度もやり直して……、

 うまくいくと、
 フワッとファイバーが開いた状態のまま、
 メインウイングにヒタ~ッと馴染んでくっつくように納まる。

 すると!
 ルーフやサイドウイングの下から、
 各色をマリッドしたメインウイングが、
 なんともいえず妖艶なかんじで透け見えちゃう。

 しかも、
 ブロンズマラードの艶チョコレート色やウッドダックの鮮明な白黒とマダラが、
 まるでとろけるようになって下地のビビッドカラーを映し出している。

 も~エッチなんだからあ。

180129(5)5.jpg

 と、
 そんなアダルトな透けチラ・グリーンハイランダーとともに、
 スケスケ・モダンフルドレス・サーモンフライの名作中の名作「ゴールデン・フリース」を並べてみたくて……、

180129(6)6.jpg
 
 ゴールデンフェザントのトッピングを6本、
 フワ~ッとやわらか~く曲線を描きながら膨らませるように広げてウイングに巻き止めた。

 これ、
 当初はトッピング9本つかってブワ~ッと迫力のあるウイングに巻いたんだけど、
 その状態で一晩おいて、
 翌朝またじっくり眺めて、
 エイッと決心してほどいて最初からウイング巻き直して、
 ウイングの根元と中間とトップから3本のトッピングを間引いて、
 あえて薄めのトッピング・ウイングにした。

 9本ドバッと巻き止めたのもすごくいいんだけど、
 それだとなんかここで求めたものとイメージがちがう。
 スケスケな可憐さよりも厚みのある迫力のほうが勝ってしまう。

 そうではなく、
 ここで巻きたかったのは、
 グリーンハイランダーの透け具合に調和するような楚々とした透明感。

 まるで金色の薄い羽衣をまとって天空を舞う裸身の天女のような…清楚で品のあるスケベがワシたまらんすっきゃねん。

 そんなわけで、
 6本のトッピングのファイバーがあくまでも自然にひろがっている状態で、
 各トッピングのファイバー先端の赤みがより映えてみえるかんじで仕上げてみた。

 ウイングを通して向こう側が透け見えです。

 で、
 そんなスケスケトッピングのウイングうえに紅いマコウのホーンを生やしたわけですが、
 通常こうしたトッピング系のフライだと、
 どうしてもホーンがウイングのうえにしなだれかかって寝そべってしまうんだけど、
 そうではなくて、
 ウイングとおなじ曲線を描きながら、
 ウイングに乗るようにくっつくのではなく、
 ウイングのうえに微かにフワッと浮いている状態を維持できるように巻いてみた。

 むしろ、
 トッピングの金色透けウイングはこの紅色オウムの触角を鮮烈に魅せるための土台だ。

180129(7)7.jpg

 と、
 トッピングをつかったウイングとスロートはこのようにフワ~ッとうす~く巻いたけれど、
 明るい橙色のボディにまとわりついているトウキャンの小羽根は、
 ボディ末端からヘッドのぎりぎりまでを包み込むように、
 これでもかと何枚も厚く重ねて巻き止めた。

 それでもこの透明感というか透け具合。
 トウキャンの首の羽根はほんとに神秘だ。
 一枚だけだと空気のなかに消えてしまいそうなほどに存在感が希薄な羽根。

 そんな羽根が、
 ボディ全体をフワッと覆いながら、
 まるで呼吸しているかのようにふくらんでいる。

 えらそうに語っちゃってごめんね、
 自己満足に浸らせてね。

180129(8)8.jpg

 題して「フワッと透けてるオトナの色香」

 
カモそしてガチョウにトンビ
180115(1)1.jpg
 ピンクと黒のダイド・グースショルダー。

 ウエットフライのウイングにつかったり、
 サーモンフライのマリッドウイングやミックスドウイングにつかったりして、
 クイルウイングにつかう「おいしいところ」はほぼすべて切り刻んだ状態。

 と、
 そのような使用済みハンパモノのグースショルダーの根元に残っているファイバーを、
 スレッドに捩ってフライのボディに巻いて……、

 ピンクの腰巻き付きブラック・ボディ。

 デラックスだ。

180115(2)2.jpg
 純白のダッククイルをドサッとウイングにつけて、
 シルバーバジャーのコックハックル巻いて、
 アムハースト・フェザントのティペット・フェザーをシッポにつけて、

 2Xロングのフックにヒョロ長のボディ、
 そしてでっかいクイルウイング。
 フックのゲイプの2倍強の長めファイバーのハックル。

 バタ臭さいというか垢抜けないフォルムが、
 アメリカ開拓時代の牧歌的クラシック・エレガンス。

 根をつめたタイイング仕事の合間に、
 息抜きと気分転換を兼ねて、
 お戯れに巻いた私的クイルウイング・ファンシー・ドライフライ。
 
 タイイング仕事に煮詰まったら、 
 趣味のタイイングでリフレッシュ。

 机に転がっている材料の残りや破棄するような素材を適当に自由に組み合わせて、
 まかない料理的フライなんだけど、
 でもなんか妙に丁寧に気ィいれて巻く……そんな一本から、
 今夜はこのモノトーン・ピンクな即興作を。
 
 フライの名前は「シャンシャン」でぇ~す。

180115(3)3.jpg

 フライタイイングの素材として、
 まったくリンクすることはないであろうというその一点において、
 パンダそのものはテレビで観て「あ~かわええな~」とおもうくらいの興味しかない。

 マメ知識やけど、
 お隣のお国にはアジアに棲む幾多のキジ類のなかでも、
 比類なき神々しさと美しさを誇るキジ界最高峰ビューティなニジキジの仲間がいた。
 そのキジはかつて、
 かの地の山岳地帯に広く分布していた。
 のだが、
 ご多分にもれず環境破壊と乱獲の末にもはや絶滅寸前。
 っていうか絶滅。
 が、
 たまったまパンダと生息域が被っている地域に棲んでいたキジだけが、
 パンダの保全保護VIP待遇のおこぼれにあずかってヒトの手を逃れ、
 その地でかろうじて絶滅を免れて細々と命をつないでいるらしい。

 まさかキジの分布でこの世の不条理を垣間見るとは……、

 という話しはおいといて、
 つい最近知ったんだけど、
 「シャンシャン」の身体の本来なら白いところが、
 ここんとこ赤みがかったピンク色に変化している。
 それは、
 お母さんがひっきりなしに子パンダを舐めてかわいがるので、
 その唾液によって赤く染まっているんだって。

 話しはちょい脱線するけど、
 なんでも雄羊のキンタマの毛と赤キツネのチンコ周辺の毛は、
 長いあいだ彼らが垂れ流したオシッコがその毛にかかることで、
 ほんのり赤みがかった淡いピンクに染まっているそうだ。
 そしてその毛は、
 これこそがタップスやライトケイヒルなどのオリジナル必殺ボディ材として、
 19世紀後半や20世紀の初めころ当時は誰もがのどから手が出るほど入手したい高貴なダビング素材だったそうだ。

 と、
 そんな逸話を知ったときは、
 「うわ~、それメッチャ釣れそうスッゲエな~」
 いたく感動したものだった。

 というわけで、
 このような純天然アンモニア・ダイドによる羊やキツネの獣毛を入手したいばかりに、
 「羊のキンタマのポワポワ毛とキツネのションベンまみれのチン毛がボクものすごほしいね~ん」
 とはじけまくり、
 おかげでいろんな方にものすごい迷惑をかけてしまったケモノのウンコシッコまみれの失敗談もあります。

 現実は甘くない。
 その部位はオシッコまみれではあったが、
 それ以上に、
 洗っても洗ってもウンコまみれでもあったのだった。

 もうホンマどないもこないも……、

 さすがに懲りました。
 関係者の皆さんその節はほんとにスイマセンでした。

 しかし、
 カリスマ・ジェニングスやニンフの父スキューズといった偉大な先人たちは、
 このウンコまみれの毛をどのように洗ってはったんですか?
 それが知りたい。
 
 とまあ、
 そんな「ぼくのフライフイッシング素朴な疑問」シリーズもひとまずおいといて、
 テレビで観るたびにおもうねんけど、
 「シャンシャン」のドテッ腹の赤ピンクに染まった薄毛、
 あれいいね!メチャそそるねたまらないね。

 あの毛、
 スレッドに撚りつけてフックシャンクに巻きて~~。

 メッチャ破壊的に爆効きしたりとかして……。

 そんな視点で、
 「シャンシャン」の成長を見守りたいです。

 という話とはまったく関係ないんですが、
 お戯れ巻きのドライフライもういっちょいっとく?

180115(5)5.jpg
 ナチュラルなダッククイルをブワッと拡げてとめた、
 このテのフライとしてはでっかくドーンとマックス・サイズ8番。
  
 サイドワインダーというよりも、
 このまえ取り上げたジュリアナ・バーナーズ女史の原典フライズの私的現代風モダン・アレンジ系?

 初の試みとなる方法を思いついて試してみたのじゃよ。

 ボディはダビングではなく、
 トンビのクイル・フェザーをスレッドに捩って巻いた。

 こうしたノーハックルなクイルウイング・フライの構造上、
 通常通りの方法だとダビング材でないとボディが巻けないんだけど、
 いろんな小細工かまして裏技連続で、
 あえてクイルボディでスラッとしたボディ巻いてこましたった。

 だからどうなんだ?
 って話なんですが、
 ちいさな発見おおきな自己満足…の作例です。

180115(4)4.jpg
 ナチュラルのダッククイル。
 クイルウイングとして使える部分はすべてつかってしまった状態。

 しかしアレですね、
 トンビのセカンダリークイルの「クリーミーであったかい感じのダン色」ボディは、
 スタンダード・ドライフライをよりいっそう艶っぽく魅せてくれるオシャレさん。
 ぼかあトンビにくびったけ。

 耳より情報ですが、
 北海道各地の河原は高品質なトンビの羽根しょっちゅう落ちてるでえ。
 同好諸氏におかれましては釣り行ったらキョロキョロしながら河原歩きなはれ。
 その気になって探したらエエのん拾えるでえ。

 

ものすごく面白い釣りの本2冊
180104(1)1.jpg
 
 15世紀のフライのレプリカというか想像図。
 現在のフライフイッシングに直接つながるフライとして記録に残っているものとしては最古のフライとなるそうだ。

 15世紀ですよ15世紀、
 日本史でいえば室町戦国時代?……ですか?

 しかも、
 これらの最古フライズを含めた毛鉤釣り最古の書物の著者は、
 なななんと修道女だったというからおどろきだ。

 そのひとジュリアナ・バーナード女史の手によるその本によれば、
 もはやこの時代すでに「釣り師たるもの紳士たれ」
 毛鉤釣りは精神修養を目的とした高貴なスポーツである、
 という「襟を正して取り組むべきもの」という姿勢こそが尊ばれていたそうだ。

 そしてまた、
 これらのフライの原典は、
 季節や月ごとに使うべき12本のフライが整理され紹介されていた。
 さらに、
 きっとおそらくまだこの時代には「ハックリング」や「リビング」という概念がなかったにせよ、
 フライごとの名前や造作を見れば、
 それらのフライはそれぞれなんらかの虫を真似ているのは明らか。
 
 つまり、
 フライフイッシングのスタート時点からして、
 「そのとき鱒にたくさん喰われている虫」を模倣して毛鉤を作る、
 というのがアプローチの核になっていたというわけだ。

180104(2)2.jpg

 そしていつしかフライにハックルが巻かれた。
 ちなみに写真のフライはグリーンウェルのサイズ12番。

 ジュリアナ・バーナードのフライから出発して、
 チャールズ・コットンのあの「釣魚大全第二部」などを経て、
 いったいどの時代に「ハックリング」が考案されたのだろう?

 というのが、
 ワタシにとってもっとも浪漫ワクワクのフライフイッシング・ミステリー。

180104(3)3.jpg

 進化の過程に枝分かれは必然。
 
 イミテーションとして出発したフライが、
 その歩みのなかでまったく別の方向にもむかいはじめたのだった。

 あるいみファンシーフライの究極的フライとして、
 ジョン・ポプキン・タラハーン考案のフルドレス・サーモンフライ「ブロンズ・パイレーツ」を挙げてみよう。

 テイルにはオオハシの首羽根を3枚、
 シルバーティンセルのボディに、
 銅色に輝くニジキジの小さな襟羽根を合計6枚巻き止め、
 ウイングにはニジキジの冠羽根。
 そしてそのうえにトッピング4本。

 大英帝国時代には宝石とおなじステイタスだった鳥たちの羽根でもあり、
 どれもこれもキレイではあるけどとっても扱いにくい羽根。
 それをやねえ、
 ドライフライフック12番とたいして変わらないサイズのちっちゃなサーモンフックに、
 チマチマチマチマ縛りつけてはったわけです。
 しかもバイスにフックを挟んで巻くのではなく手に持って……。

 これはもう執念であり情念ですよ。

 んで、
 こうして苦労に苦労を重ねて巻かれたこのフライは、
 渇水期のアトランティック・サーモンの必殺フライとして紹介されていたそう。

 が、
 そうした必殺がどうとかこうとかよりも、
 「希少で美しいこの羽根をつかったこのフライでこそ釣りたい」
 とか、
 もっとぶっちゃければ見栄とかハッタリとかエエかっこしいとか、
 そのような人間の自己顕示欲も見え隠れ。

 と、
 そのような下心は表現方法によってはとても野暮で痛々しいけれど、
 しかし自己顕示欲あったればこそ今日の発展進化につながっているのも明白で……、

 本来はサカナを釣る道具でしかない一本のフライを通して、
 「ヒトの性や情」というものは時代変われど不変であるなと連想するのはおもしろい。



180104(4)4.jpg
 歴史に名を残す麗しき古典を見たあとに、
 あなたをおもわずズッコケさせたいマイ・超ラブリー・バッタ。

 まるで子供の粘土細工のようなチープでジャンクなフォームボディから突き出ている、
 バッタのうしろ脚だけがなんだかナマナマしくリアル、
 ってところのアンバランスさとギャップが、
 オレ様のテレストリアル・ムードなバッタ・フライ気分をおもいっきりニヤつかせてくれる。

 オレノチェルノのボディに、
 ふと思いついてバッタのナマ脚的素材を細工して取り付けてみたところ、
 「こ~れはかわいい!」おもいっきりときめいたあと、
 未曾有のフォーム・ブーム旋風が我が家にビュービュー吹き荒れておるのでございます。

 インディアンクロウやコティンガなどなどのエキゾチック羽根の横で、
 フォームやシェニールが山積みになっている我がタイイング机は、
 そのままワタクシのフライ気分を体現しているようでございます。

 といいつつ、
 蛍光灯の明かりにヒグマの金毛が反射して、
 もうなんともいえない妖しさで生きてるみたいにキラついており……、
180104(6)6.jpg
 おもわずその毛をハサミでひと束切っては、
 14番のフローティングニンフのボディに巻いてウットリ、
 白クマの毛とブレンドしてストリーマーのウイングに巻いて恍惚……、

 嗚呼だれか時間を止めてくれ

 時の流れは荒れ狂う雪代の荒瀬。
 グオングオン流れ流れて月日は走馬灯。

 巻きたいもの試したいものがコップから溢れてしまいそうで、
 一日があまりにも短くて焦燥感つのらせるばかり。

180104(5)5.jpg

 と、
 そのようなさざ波に揺れるココロを静めて癒すためにも、
 就寝前の至福の読書タイムは最近この二冊をつまみ読み。

 というか、
 いつも枕元に常備している本のなかの二冊。

 珠玉のサカナ釣りの本

 それで、
 今回はホンマはこの二冊の感想文を熱烈にかこかなとおもってたんですが、
 というか、
 ここまでの話しはこれらの本を語りたいがための布石というか序章やったんですが、
 すでにえらいいっぱい語っちゃって、
 ちょっとパソコン画面見過ぎで目がシバシバしちゃって、
 そしてこれからまたフライ巻くのに没頭したいし……、

 そんなわけで、
 今夜はここでお別れです。

 なんちゃって、
 いかにもボクいますっごい忙しいねん的な野暮ったい物言いしちゃってますけど、
 くれぐれもお気づかいなく、
 なにかあればお気軽にどしどしメールくださいませ。

 かしこ~~。
 

 
玉虫色の初夢
180101(1)1.jpg
 グーッとためて……、

180101(2)2.jpg

 ダバッ!とはじけて……、

 そんな年にしたいです。

 そして無病息災切実祈願。


180101(3)3.jpg

 あけましておめでとうございます。 





 初笑いになりますかどうか、
180101(4)4.jpg
 四角断面のラバーレッグをつけた「タマムシ」2Xロング4番。

 タマムシといえば、
 エメラルドグリーンに輝く美しい上翅が縁起物としても古来から珍重されている、
 和の華美を醸し出す高貴な甲虫。

 そんなやんごとなきおムシを、
 石油化学製品の果てみたいなブニョブニョの塊りやら繊維やらスケベなゴムやらつこて、
 ジャンクでパンクなオモチャにこしらえたりました。

 ビカビカの上翅をパカッとひらいて、
 艶っぽい黒の下翅を震わせて飛び立つタマムシ。
 
 肉厚なフォームでアンダーウイングのジーロンを挟んだサンドイッチ型二層構造のため、
 ただでさえ投げにくいのに、
 ムシのカタチそのままだとそこそこの質量の弾丸状のものが空気抵抗なしにフォルスキャストで行ったり来たりしてとても危険。
 なので、
 インジケーター兼バランサーとして背中にエアロドライの束をバッサーと植え込んで、
 さらに半透明な下翅として黒いジーロンの束を半円状にブワッと拡げて巻き止めて、
 これらの繊維がキャスティング時に受ける空気抵抗により、
 すこしでも投げやすくかつひっくり返りにくくなっている。

 ちなみに、
 タマムシは北海道には生息しておりませんが、
 そういうことはどうでもいいの、

 ファニーなタマムシの色形をした大型サイズのアトラクターなフォーム製ラバーレッグ・テレストリアル系。
 というわけだ。

 獲ったるデ!くらいの期待を寄せる釣れる気満々の実弾扱い。

 
 こんなフライをマジモードでつかえる釣り場があるってスバラシイ。
 
180101(5)5.jpg
 ドテッ腹はこうなってる。

 銅色にギラつくソラックスに、
 ピーコックハールなボディとオケツが鈍~く輝いております。

 なんだか御利益ありそうなかんじで、

 みなさま、
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。


マイ リトル タランチュラ
171226(1)1.jpg
 フェザントテイルのファイバーを数本捩じってボディに巻いて、
 ホワイティング4Bコックネックのファーネスをオーバーサイズで二回転ハックリング。

 ハックル素材がもつ透過光やファイバーの微動などなど、
 「ハックルフライの本質とはなにか?」の深淵と、
 ハックル素材の織りなす自然の妙と旨味を、
 はや一世紀以上もまえに世に問うたハックル中毒の元祖的存在であらせられる、
 Drベイジェント博士へのオマージュ的フライ。

 ベイジェント・ブラウンの私的ヴァリエイション。 

 通常のドライフライのようにハックルファイバーがほぼ垂直に直立しているのではなく、
 さりとてソフトハックル・フライのようにファイバーがボディ後方にむかって完全に傾いているのでもなく、

 長いハックルファイバーがあくまでも自然に湾曲しながら、
 まるで傘の骨のようになってパラリと拡がっているところが最大のミソであり、
 このフライの生命感の源。
 そして巻き手のセンスと技量の見せ所でもあり、
 見られて気恥しいところ。

 ごまかしや小細工をいっさい受けつけないシンプルだからこその難解と複雑を知ると、
 もはや古女房的マンネリ付き合いになってしまっていたフライフイッシングの世界がまた一新されたような気がした。
 すでに酸いも甘いもかみしめたつもりでいたのに、
 出会ったばかりのころのフレッシュなトキメキやワクワクが戻ってくるようだ。

 古典を知るということは、 
 つくづく新しいことを知るということと同義だな~と。

171226(2)2.jpg
 そして単純にめちゃんこよく釣れる。

 サカナを騙すために、
 無駄な贅肉を極限までそぎ落とした末の結果の、
 「サカナ」を釣るためのフライなんだから、
 そんなの当たり前ちゃあ当たり前のことですね。


 転じて、
171226(3)3.jpg
 文庫本のうえを、
 ちっちゃなタランチュラが這っている風景。



171226(4)4.jpg
 指で摘まんだだけで、
 ブチュッと潰れてしまいそうなヘニャヘニャボディのアオムシが、
 哀れタランチュラの餌食に……、

 というのはさておきこのタランチュラ、
 我が家に遊び来た方々をはじめ、
 タイイングデモなんかにも持参してたくさんの同好諸氏に見せびらかしまくったった。

 「ホラ、これ見てくれる?」とタランチュラを忍ばせた小箱をこれみよがしにパカッと開けると、
 みんな最初は…え?なに?みたいにマジマジとフライを見たあと「うっわっ、キモッ!」といって、

 そしてまたみんなマジマジとタランチュラを見てから、
 さらにイチオクターブ高い感じで「きっも~」といった。

 八本脚の関節がキモっぽさを醸し出す最大のキモなのです。

 さあ存分にキモがっておくれ。

 そのあと、
 このタランチュラにつかった材料や製作過程、
 そして何故よりにもよってタランチュラなのか?の製作意図などなどを語ると、
 みんな「な~るほど~」とつぶやいてさらにガバッと喰いついた。

 ワイが丹精込めてこしらえたリトルなタランチュラ、
 ボッコボコ釣れちゃって入れ食いやんけうれしいやんけ~。

 たくさん釣られてくれた。

 「ヒト」が……。

 ミツグちょ~ご満悦。

 だってそれが目的なんだもの。

 
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.